演習Ⅱ
担当者小笠原 永隆教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [経営学科]
科目ナンバリングSEM-302

授業の概要(ねらい)

 本演習では、文化施設・歴史文化遺産等を主体とする地域資源を活用した観光地づくりを進めていくための調査、提案の方法を学び、卒業論文執筆への足がかりにするとともに、グループを主体とする実地調査に基づく研究を通じて、コミュニケーション、表現、探求及び実践等の能力を高めることを目的とします。
 本年度は、主として長野県上水内郡信濃町野尻湖周辺をモデルケースとして、観光関連調査の方法を学びます。また、状況に応じて東京都多摩地区(ニュータウン地区及び周辺における観光を活用シアタシティプロモーション)、東京都八王子市(絹織物で栄えた都市の産業観光とMICE誘致)、静岡県富士宮市(柚野地区における史跡を活用した観光まちづくり)についてもプロジェクトも実施します。基本は、グループに分かれ、現地調査を交えた演習を実施します。また、実際に現地に数回行って、地域資源を活用した活動を実践している人々のお話をお伺い、活動現場を見学するだけでなく、その周辺を綿密に歩いて調査を進めていきます。そうすることで、現地の実態を最大限考慮し、歴史文化資源を活用した観光を基盤とする地域づくりの提案を行う力を身につけていきたいと思います。そして、どの地域を対象としても、グループ研究を主とし、メンバーとの討議を通じ、調整、コミュニケーション、プレゼン、企画・構想の各能力を高めることに主眼を置きます。
 また、キャリア形成学習の一環として、観光地域づくりに取り組んでいるゲストスピーカーを招聘し、討議をする機会も設ける予定です。

授業の到達目標

 本演習の到達目標は主に以下の点です。
 ・現場、現地での実学(フィールドワーク)を通して観光に関わる問題点を発見・指摘できる。
 ・現場、現地での実学(フィールドワーク)を通して観光に関わる問題点の解決方法を提案できる。
 ・社会の一員となるべくゼミ活動を通じて、観光に関連する分野の活性化に関わることでできる。
 ・修得した多様な知識をもとに、観光に関わる現地での行動に移すことができる。
 ・観光の現場において、コミュニケーション力・プレゼンテーション力等の基本的スキルを活用できる。

成績評価の方法および基準

 演習系科目のため出席は必須です。評価はグループワークへの積極的参加の度合いが40%、学期内の発表の評価が30%、主体的なゼミ運営への貢献が30%の配分によって総合的に評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストは特に指定しませんが、演習を進めていく上で、以下の書物が参考になるでしょう。
参考文献2007.『地域調査ことはじめ』 梶田真ほか編ナカニシヤ出版
参考文献2011.『行ってみたいと!と思わせる「集客まちづくり」の技術』  大下茂学陽書房
参考文献2016.『文化ツーリズム学』 菊地俊夫・松村公明編朝倉書店

準備学修の内容

 本演習は主に学外をフィールドとする演習です。したがって、学内とは異なり、個々のより強い責任とマナーが求められます。また、準備学習として、各地域の現状と課題、観光関連の取組事例などの基礎知識として身につけるため、資料研究に取り組む必要があります。なお、それぞれの地域についての知識などを事前に勉強しておく必要があります。

その他履修上の注意事項

 期間中に数回、現地調査を実施します。各地域の担当者は原則参加とします。そのための時間や旅費等が必要となるので留意して下さい。また、現地調査においては、長時間野外を歩くことになりますので、体調を整えておくことを心がけておいてください。
 現地での活動をはじめ、ほとんどの活動はグループ単位が基本となります。メンバーがお互いに協力し、検討・実践することを徹底してください。現地調査を土台とした「思考」により、より実践的な「提案」ができることを目指し、卒業後に実社会の中で役立つ能力を身につけてほしいと思います。

授業内容

授業内容
第1回夏季休暇中の活動概要報告と情報共有、調査データのとりまとめ① ※グループ学習
第2回夏季休暇中の調査データのとりまとめ② ※グループ学習
第3回夏季休暇中の調査データのとりまとめ結果の発表・講評。地域プロジェクト班分け。
第4回各地域プロジェクト課題の検討① ※グループ学習
第5回各地域プロジェクト課題の検討② ※グループ学習
第6回各地域プロジェクト課題の検討③ ※グループ学習
第7回各地域プロジェクト課題の中間発表・講評
第8回各地域プロジェクト課題の検討④ ※グループ学習
第9回各地域プロジェクト課題の検討⑤ ※グループ学習
第10回各地域プロジェクト課題の検討⑥ ※グループ学習
第11回キャリア形成学習会 ※ゲストスピーカーによる講義と座談会
第12回各地域プロジェクト課題の検討⑦ ※グループ学習
第13回歴史文化資源を活用した観光地域づくりの実例(講義) ※LMSによるオンデマンド形式で実施
第14回各地域プロジェクト課題の最終発表・講評
第15回後期総括と一年間の成果の振り返り、今後の研究活動について

※授業の計画はあくまでも当初の予定であり、演習参加者の要望や状況に応じて、修正を加えて実施します。また、研究に関連する地域(都内及び周辺)において担当教員とフィールドワークを開催することも予定しています。