法律学演習Ⅳ
担当者𠮷田 貴明教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングSEM-402

授業の概要(ねらい)

 行政をめぐる法分野全般を対象として,テキスト所収の判例をプレゼンテーションするとともに,受講者全員で議論していきます。重要な判例を素材として,租税法・行政法をはじめとした公法学に関する知識を身に付けることがねらいです。いずれの判例を取り上げるかは,受講者と相談のうえ決定します。

授業の到達目標

 この科目は,租税行政を中心として,行政をめぐる「紛争の解決のための道筋を見出す」能力を修得することを目的とし,以下の2点を到達目標とします。
①租税行政をはじめとした多様な行政に関連する事案を調査し,その成果を外部に発信できるようになること。
②現実に生じた行政上の課題について,判例・学説の考え方に基づいて,論点を整理したうえでその解決策を検討できるようになること。

成績評価の方法および基準

 演習への貢献度(プレゼンテーションの内容,議論への参加態度)により評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『租税判例百選』 中里実ほか編(有斐閣)
教科書『START UP 行政法判例50!』 大橋真由美ほか(有斐閣)
参考文献『租税法』 金子宏(弘文堂)
参考文献『租税法概説』 中里実ほか編(有斐閣)
参考文献『租税法』 浅妻章如=酒井貴子(日本評論社)
参考文献『行政法Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』 塩野宏(有斐閣)
参考文献『行政法Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』 宇賀克也(有斐閣)
参考文献『現代行政法入門』 曽和俊文ほか(有斐閣)

準備学修の内容

 報告者は,レジュメまたはスライドを作成してプレゼンテーションを行わなければなりません。
 報告者以外の履修者は,ディスカッションに参加できるよう,判例・学説の基本的な内容を理解したうえで授業に臨む必要があります。

その他履修上の注意事項

①テキスト・参考文献については,いずれも最新版を用意してください。
②コンパクトサイズの六法には,租税法規が掲載されていません。そのため,『租税法判例六法』等の租税法規が掲載されている文献を持参したり,インターネット等で閲覧する準備をするなど,適宜条文を参照できるような態勢を整えてから授業に臨んでください。
③行政法の学修に際して,憲法,民法等基幹科目に係る理解を前提とする項目があります。また,租税法の学修に際しては,基幹科目に加えて,行政法,会社法等の法律科目の知識を必要とするほか,会計学(とりわけ財務会計論)の知識が有用となる部分があります。行政法,租税法のほか,これらの科目を事前に,または,並行して履修することが望ましいでしょう。
④各回の授業内容は例示です。履修者の関心に応じて,内容を適宜変更します。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
第2回行政調査と憲法
第3回 川崎民商事件・荒川民商事件
第4回行政指導
第5回 品川区マンション事件・武蔵野市マンション事件
第6回取消訴訟の訴訟要件1…処分性
第7回 病院開設中止勧告事件
第8回取消訴訟の訴訟要件2…原告適格
第9回 小田急訴訟
第10回公権力の行使に関する賠償
第11回 奈良民商事件
第12回営造物の瑕疵に関する賠償
第13回 茂木町立中学校テニス審判台事故事件
第14回総括…重要判例からみる租税法・行政法
第15回補論…最近の租税行政判例(オンライン)