入門ミクロ経済学Ⅰ
担当者小島 寛之教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングECT-101

授業の概要(ねらい)

 経済学の理論は大きく分けると、ミクロ経済学とマクロ経済学に分かれる。マクロ経済学は、国家単位で集計して巨視的な観点から経済にアプローチするものであるのに対し、ミクロ経済学は、一人一人の消費者や労働者、それから一つ一つの企業などに注目して、経済を営む最小単位からアプローチするものである。ミクロ経済学での大きなテーマは、マーケットにおいて価格を使って取引する「市場機構」にどんな法則が働き、どんなメリットやディメリットがあるか、ということだ。
 わたしたちは、毎日、経済に参加している。消費者として商品を購入したり、アルバイトや正規の労働者として商品を作ったり、運んだり、販売したりしている。これらがあまりに日常的なので、わたしたちは、それらの行動にどんな必然性や合理性があるかを振りかえって考えることはほとんどない。ミクロ経済学では、このようなわたしたちの日常の経済行動の背後にある理屈を掘り起こす。それは一言でいえば、わたしたちが商品に見出す「価値」とは何であり、それがわたしたちをいかなる行動に導くか、ということである。
 ミクロ経済学を学ぶメリットはたくさんある。例えば、オークションという取引にどんな法則性が働いているかがわかったり、モノを買うときどうやったら無駄なく有利になるかを知ったり、人に何かを買ってもらうにはどうすればいいかが掴めたりすることである。したがってミクロ経済学の知識は、諸君が実業界で活躍するとき、余すところなく活かすことができるだろう。
 本講義では、教科書『世界一わかりやすいミクロ経済学入門』を用い、経済学の基礎となる「需要と供給の原理」を多方面から解説する。
 前期には、需要曲線と供給曲線の仕組み、野菜の需要曲線による実証的な検証、価格弾力性の計算方法を講義する。

授業の到達目標

 「需要と供給の原理」「データによる実証」「価格弾力性」を正しく理解し、それを応用して現実の経済を見ることを到達目標とする。

成績評価の方法および基準

 毎回の小テスト(20%)と中間テスト(30%)と期末テスト(50%)の合計によって評価する。カードリーダーのクリック回数、小テスト・中間テストの受験回数が不足の場合、期末テストの受験資格を与えないので注意すること。就活は欠席の理由として認めない。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書世界一わかりやすいミクロ経済学入門小島寛之講談社
参考文献

準備学修の内容

 LMSに毎週、復習のための宿題をアップロードするので、次の講義までに60分程度で解答しておくこと。

その他履修上の注意事項

 講義は、スライド画面で行うので、ノートを取るゆとりはない。教科書『世界一わかりやすいミクロ経済学入門』を見ながら講義を聴く形式になるので、教科書がないと講義を理解できない。2回目の講義までに、必ず教科書を入手しておくこと。
 毎回、小テストを実施する。小テスト受験に対し加点、未受験に対しペナルティを与える仕組みなので、必ず毎回受験すること。カードリーダーのクリック回数、小テスト・中間テストの受験回数が期末テストの受験資格に関わるので、必ず初回の講義を受講し、単位取得の要件を確認の上で履修登録すること。就活には配慮しないので、就活で欠席が多くなる学生は履修しないこと。

授業内容

授業内容
第1回  講義ガイダンス+
  教科書第1講p1~p4:ミクロ経済学とは何か~アダム・スミスの問題設定、価格と価値+小テスト
第2回 教科書第1講p5~p10:需要曲線の描き方+小テスト
第3回 教科書第1講p11~p15:供給曲線の描き方+小テスト
第4回 教科書第1講p15~p18:需要・供給の原理+小テスト
第5回 教科書第2講p19~p23:なぜ、交点が現実の取引になるのか?+小テスト
第6回 教科書第2講p23~p27:需要曲線は観測できるか?+小テスト
第7回 教科書第2講p28~p30:現実のナスの需要曲線を求める+小テスト
第8回 (オンライン)宿題の解答+中間テスト
第9回 教科書第2講p32~p36:価格弾力性の意味と計算の仕方+小テスト
第10回 教科書第2講p39~p41:価格弾力性の実証研究からの実際値+小テスト
第11回 教科書第2講p33~p35:水とダイヤモンドの問題に答える+小テスト
第12回 教科書第2講p35~p37:医療の需要と供給・医療サービスの価格弾力性+小テスト
第13回 補充教材:原油高騰の経済への影響とオイルショック+小テスト
第14回 まとめプリント演習
第15回 ミクロ経済学のまとめ+期末テスト