経済法Ⅰ
担当者徳力 徹也教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングSOL-201

授業の概要(ねらい)

 私たちの経済生活は、市場経済システムによって成り立っています。そして、市場経済システムは、競争によって機能しています。このため、市場経済システムを適切に機能させるためのルール=競争法(独占禁止法)が必要とされます。みなさんは、今後、経済・ビジネス活動を行う上で、独占禁止法上の問題に多く接することになるでしょう。講義では、このことを意識して、独占禁止法違反とされる具体的事例を通じて、実際の経済・ビジネスの場面で、どのような行為が問題となるか(その理由を含めて)を考えるようにします(必要に応じて、みなさんの間で独占禁止法上の問題を討議していただきます。)。

授業の到達目標

①本講義は、独占禁止法について、「基本的な知識を有し、その分野の全体像を見渡したうえで、論点を把握することができる」ようになることを目標とします。
②特に、受講者が市場経済、競争の意義、競争ルールの必要性・内容をおおよそ理解できること、それらを踏まえて問題とその解決の方向性を説明できるようになることを目標とします。

成績評価の方法および基準

 基本的に期末試験結果(50%)、課題提出・小テスト・授業での発言等(50%)に基づき評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書なし
参考文献『経済法入門』泉水文雄有斐閣

準備学修の内容

 各講義のレジメを事前にLMS掲載するので、当該レジメを読んでください。
 レジメ記載の課題について、各自が検討し、レポート提出又は発表してください。
 なお、経済活動に係る新聞記事等を日常的に読むように努めてください。

その他履修上の注意事項

 授業中の私語を厳禁としています。

授業内容

授業内容
第1回 講義の概要・進め方
第2回 市場経済システムとは①
  -市場経済のはたらきを確認しよう-(課題提示あり)
第3回 市場経済システムとは②
  -市場経済のメリットを余剰分析で考える-(課題提示あり)
第4回 市場経済システムとは③(競争のメリット)
  -市場経済での競争の機能・メリットを考える-
  -市場経済を機能させる基本的ルールを考える‐
第5回 価格カルテルとは:独占禁止法による価格カルテル規制
  (価格カルテル=「みんなで価格を引き上げよう」)
 -(補足)法の解釈・適用とは・・・(独占禁止法の場合)-(課題提示あり)
第6回 入札談合とは:独占禁止法による入札談合規制
  (入札談合=「A社が高価格で工事受注できるよう協力しよう」)(課題提示あり)
第7回 これまでの復習(競争停止による市場支配力の形成の意味・問題点を理解できましたか?)
 業務提携(共同生産等)とは?(課題提示あり)
第8回 再販売価格拘束とは:独占禁止法による再販売価格拘束規制
 (再販売価格拘束=「我が社の商品を小売店で安売りするな!!」)
第9回 テリトリー制・販売方法の制限とは
 (販売方法の制限=「安売り広告しないでくださいよ」)(課題提示あり)
第10回 ネット販売制限とは:「ネットで販売してはいけない」は問題か?
第11回 市場閉鎖とは①:独占禁止法による排他行為(排他条件付取引)規制
  (排他行為:「ライバルと取引するな」)(課題提示あり)
第12回 市場閉鎖とは②:独占禁止法による排他行為(抱き合わせ等)規制
  (排他行為:「ライバルと取引するな」)
第13回 復習①:具体的事例について、独占禁止法上の問題の有無を指摘してください
第14回 復習②:改めて競争の意義を考える
第15回 まとめと期末試験