教育心理学Ⅰ
担当者稲田 尚子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [心理学科 2017年度以前]
科目ナンバリングEDP-101

授業の概要(ねらい)

 本授業では、教育・学校現場において生じる問題およびその背景、心理社会的課題および必要な支援について理解を深めることを目的とする。「不登校」「いじめ」「虐待」「学習の困難さ」「発達障害」など、児童生徒が学校で生活するにあたり、さまざまな問題が生じることが観察されている。本授業では、こうした児童生徒の学校生活に特に焦点を当てて、諸問題を取り巻く状況への理解、ならびに学校を拠点として行われる心理的支援のありかた、すべての児童・生徒にとって学びやすい学校づくり、学級づくりについて学ぶ。各回のテーマに関して、教師やスクールカウンセラーなど、多職種による連携的支援のあり様についてもとりあげる。また、教師のメンタルヘルスと今日の課題についても、学校臨床心理学的な視点から考究していく。
 授業は、小グループでのディスカッションやミニワーク等を交えて行う。

授業の到達目標

1.教育・学校現場における心理社会的課題および必要な支援について、知識を習得し、その法則や理論を説明することができる。
2.学校現場において生じるこころの問題に解決法や支援法を提起できる。
3.学校現場において生じる心理学的課題に対し、自分の意見をもち主張できる。
4.本授業で学んだ内容の一部を学生自身の生活に活かすことができる。

成績評価の方法および基準

小テスト40%(教科書・資料閲覧可)、授業のリアクションペーパー30%、最終テスト30%
小テストは満点に達するまで何度も実施することができる。
授業のリアクションペーパーは、授業の理解に参考になるものをいくつか選んで翌回の授業で紹介し、解説を加える。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書公認心理師の基礎と実践 18 教育・学校心理学 野島 一彦(監修)/ 繁桝 算男(監修)/ 石隈 利紀(編)遠見書房
参考文献

準備学修の内容

次回に学ぶキーワードや関連資料や紹介した文献、テキストの章などを自分で調べて学んでおき、自分の中に沸き上がる疑問や気持ち、考えというものを言語化し、テーマに対する問題意識を明らかにしてから授業に参加してください。
復習として、LMSを用いた小テストおよびリアクションペーパー提出を課しますので、翌回までに回答するようにしてください。

その他履修上の注意事項

※ 2018年度以降の入学生には、公認心理師受験資格に必要な科目です。
 2017年度以前の入学生は、心理学科のホームページを参照してください。

授業内容

授業内容
第1回教育・学校心理学の意義
第2回子どもの発達課題への取り組みの理解と援助
第3回子どもの教育課題への取り組みの援助
第4回スクールカウンセリングの枠組み−何を援助するか
第5回子どもの多様な援助者とチーム学校
第6回3段階の心理教育的援助サービス−すべての子ども,苦戦している子ども,特別な援助ニーズを要する子ども
第7回発達障害の理解と援助
第8回不登校の理解と援助
第9回いじめの理解と援助  
第10回非行の理解と非行をする子どもの援助
第11回学校における危機対応
第12回学級づくりの援助−スクールカウンセラーの役割を中心に 
第13回学校づくりの援助
第14回地域ネットワークづくりの援助と多文化支援
第15回教育・学校心理学と公認心理師の実践と試験(オンライン)