西洋史概説Ⅱ(教職)
担当者工藤 則光教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングESS-206

授業の概要(ねらい)

 前期に引き続いて、近代から始めて近年までの歴史観および歴史叙述を概観し、あわせて時代背景を説明する。現在において、これまで「主流」としてきた歴史観・歴史叙述を求めることは非常に困難な作業ではあるが、できるだけ分かりやすく説明するように努める。また、19世紀のドイツ歴史学の在り方を知るために前期とは異なりドイツ帝国(帝政ドイツ)の成立(1871年)までのドイツの歴史を少し具体的にみていく。さらに、最後に日本との比較も行いたい。

授業の到達目標

① 西洋史について基本的知識を獲得し、それらを説明できる。
② 高校世界史B(当然ながら世界史A)及び世界史探求(当然ながら歴史総合)の西洋史部分について自信をもって教えることができる。
③ 世の中の動きを歴史的に考えるための視点を獲得する。

成績評価の方法および基準

小リポート 30%、中間テスト10%、期末テスト 60%。
① 小リポートは基本的に授業中のリアクション・ペーパー(原則毎回実施)のことである。
② 小テストは履修者数にもよるが、原則毎月実施する。主に教科書から出題する。
③ 期末テストは対面授業最終回の第14回目とする。ただし、定期試験期間内となることもある。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『最新世界史図説タペストリー 二十訂版』 ※高校時代に使用していた場合、その版でよい。帝国書院編集部編帝国書院
参考文献『世界史との対話 70時間の歴史批評』全3巻(2011~2012年)小川幸司地歴社

準備学修の内容

 概説書、DVD など理解を深めることができる教材を紹介するので、事前に読んだり見たりするとよ い。また、現在日本や 世界で起きていることに関心を持つこと。最低限一日 1 回はニュースをチェッ クして動向なりを押さえておくこと。この授業 とは直接関係ないかもしれないが、色々な意味で過去 と現在はつながっているので、意外な接点に驚くこともあるだろう。

その他履修上の注意事項

① 教科書として使用する『最新世界史図説タペストリー』は高校時代に用いた版でもよい。
② 世界史教科書(A・B)を再読すること。
③ 履修人数によるが、グループワークなどの作業も行うこともある。 ※遠隔授業では行わないだろう。
④ 基本事項は教科書を読んだという前提で講義するので、該当箇所を何度も読んで理解すること。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス:①授業の目的と進め方など、②西洋史概説Ⅰの振り返り
第2回Ⅳ.近代の歴史観・歴史叙述
1.近代歴史学 = 実証主義史学の 誕生の時代背景
第3回Ⅳ.近代の歴史観・歴史叙述
2. ランケ史学の確立
第4回Ⅳ.近代の歴史観・歴史叙述
2. ランケ史学の確立
第5回Ⅳ.近代の歴史観・歴史叙述
3.実証主義史学の普及:ドイツ以外の国々における実証主義史学の成立・確立
第6回Ⅳ.近代の歴史観・歴史叙述
4.社会科学としての歴史学
第7回Ⅳ.近代の歴史観・歴史叙述
5.マルクス主義歴史学の確立
第8回中間テスト
Ⅳ.近代の歴史観・歴史叙述
6.現実に関心をもつ政治史学の確立
【前提としてのドイツの統一過程:ドイツとは?】
中間テスト
第9回Ⅳ.近代の歴史観・歴史叙述
【前提としてのドイツの統一過程:ドイツとは?】
第10回Ⅳ.近代の歴史観・歴史叙述
1.ドイツ・プロイセン学派 (プロイセン史学)
2.フランス史学
第11回Ⅴ.現代の歴史観・歴史叙述
1.フランスを中心に 
第12回Ⅴ.現代の歴史観・歴史叙述
2.イギリス・ドイツを中心に
第13回Ⅴ.現代の歴史観・歴史叙述
3.欧米における新潮流
補論:日本の歴史学
第14回補論:課題図書・動画についての説明
◎LMSによる講義
第15回まとめと期末テスト