パーソナリティと適応の心理
担当者平沼 晶子教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [初等教育学科 こども教育コース]
科目ナンバリングCLI-101

授業の概要(ねらい)

 人間の発達は、「知覚・知能・記憶・言葉・思考・学習」などの認知領域と「性格・感情・社会性」などのパーソナリティ領域に分けることができる。授業では、パーソナリティ領域に焦点を当てて児童期の子どもの心理を中心に学ぶと共に、受講生自身の自己理解と他者理解を深めていく。また、学校や職場における不適応への援助事例を読み、臨床心理学の理論に基づいて問題をどのように捉えて対応していくかについて学び、ディスカッションを通して理解を深める。

授業の到達目標

①教育学・心理学・社会学など幅広い領域に関心をもつ中でパーソナリティの発達を考えることができる。
②自己理解と他者理解を深めることができる。
③不適応行動への対応と予防について理解して、効果的に活用できる。

成績評価の方法および基準

授業内提出物・小レポート(50%)、期末課題(50%)を総合して評価する。
提出物・小レポートに関しては、授業内で解説してフィードバックを行う。期末課題は授業の到達目標への達成度を確認する位置づけにあり、授業の振り返りを行い学修のポイントを説明したうえで実施する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『児童の心理:パーソナリティ発達と不適応行動』森下正康著サイエンス社
参考文献『性格の心理:ビッグファイブと臨床からみたパーソナリティ』丹野義彦著サイエンス社
参考文献『事例で見る発達と臨床:カウンセリングの現場から』杉原一昭編著北大路書房

準備学修の内容

各回の授業で学んだ内容をノートにまとめて復習をする。

その他履修上の注意事項

①パーソナリティについて、児童期を中心に、幼児期から児童期、児童期から思春期への発達という視点から興味をもって臨んでほしい。
②授業では、ワークを行ったり事例を読みながら、受講生同士が意見交換を行うことを大切にしているため、共に学び合う姿勢をもって取り組んでもらいたい。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション:授業概要・授業の進め方と注意事項 
「パーソナリティとは何か」グループワークを通して考える
第2回自己理解と他者理解
「私たちは自分をどうみるか」ワーク:20答法から考える
第3回自己の発達と自尊感情
自己に関するさまざまな調査データに基いて考察する
第4回児童期における自己の発達①
自己制御の難しい子どもの事例を通して考える
第5回児童期における自己の発達②
自己制御の難しい子どもの事例について、グループディスカッションにより考えを深める
第6回思いやりの形成
ペアワーク:自分の見方を変えるリフレーミング
第7回道徳性の発達・攻撃行動
グループワーク:環境移行期における周囲からのサポートとパーソナリティの発達
第8回思春期における不適応行動①
将来に希望がもてない中学生の事例を通して考える
第9回思春期における不適応行動②
将来に希望がもてない中学生の事例について、グループディスカッションにより考えを深める
第10回⑩思春期における不適応行動③
学校におけるいじめの心理
第11回映像「人の中で人は育つ」を視聴して、パーソナリティの発達という視点から考察する(オンライン)
第12回成人期における不適応行動①
ストレスと不適応行動
フリーターを続ける成人の事例を通して考える
第13回成人期における不適応行動②
フリーターを続ける成人の事例について、グループディスカッションにより考えを深める
第14回成人期における不適応行動③
ひきこもりの心理
第15回全体のまとめと確認