産業実務演習Ⅱ
担当者井上 一郎教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングMAN-202

授業の概要(ねらい)

皆さんの就職活動に際して必要な、企業研究について勉強します。
企業のホームページや有価証券報告書の見方や成長性、収益性、安定性といった企業分析について、具体的に企業の公表決算数字を用いて勉強します。
企業研究がより深く出来るようにするために、貸借対照表、損益計算書そしてキャッシュフロー計算書の見方、加えて財務分析として研究企業の売上や利益の動向把握、自己資本比率、そして自己資本利益率(ROE)の計算と数字の読み方について勉強します(一部春学期授業でも説明しましたが、もう少し詳しく説明します)。
また、そもそも企業を取り巻く日本経済を理解する上で最低限必要な経済学と金融の知識についても、出来るだけ簡単に分かりやすく授業をします。

講義は私が参考文献「ざっくりわかる企業経営のしくみ」と「知らないと損する経済とおかねの超基本1年生」等をベースとして作成する資料を基に行います。
履修者数がある程度集まった場合は、上記講義に加えて、グループを組成してグループで選定した企業を就職先としてどうなのかといった企業研究を進めていただき、授業内で発表してもらうということも考えます。

この授業は、私自身のメガバンク、証券会社、食肉卸売企業、資金決済企業そして医療機器メーカーにおける経営、経営企画、管理、営業といった実務経験に基づき、講義を行います。
特に、新卒採用業務や経営をテーマに、企業が学生に期待することを中心にお話をして、皆さんの就職活動へのモチベーションが高まることを狙いとして講座を構成します。

授業の到達目標

就職活動準備として、企業研究に最小限必要な知識を身に付けます。その為に以下を習得します。
企業のホームページの構成と内容を理解します。
企業の成績表と言われる貸借対照表、損益計算書そしてキャッシュフロー計算書とは何か、そして何を読み取れるのかを覚えます。
企業はどの様な考えの下、戦略が組まれ経営されているのか、財務、組織、人事それぞれの概要を把握しながら、理解していきます。

グループ活動が出来た場合は討議を通じて、発言する勇気、他者に対する配慮等について勉強しながら、就職活動に必須の企業研究が出来るようにします。

成績評価の方法および基準

講義形式の授業に関しては、傾聴姿勢と課題提出を3回求めて、その課題内容への取り組み、そして、期末に実施する小論文テストの内容評価で成績評価します。
履修者数がある程度集まった場合は、講義に加えてグループ活動をします。グループ活動に関しては参加姿勢やグループ討議への準備状況や発表内容等を評価します。グループ活動が出来た場合は、講義形式を80%、グループ活動を各20%として評価致します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献日本のマネジメントの名著を読む日本経済新聞社編日本経済新聞出版社
参考文献ざっくりわかる企業経営のしくみ遠藤功日本経済新聞出版社
参考文献経営の基本武藤泰明日本経済新聞出版社
参考文献知らないと損する経済とおかねの超基本1年生大江英樹日経ビジネス人文庫

準備学修の内容

第5回と第9回、そして第13回の各授業において就職活動や企業の業績動向等の資料をお配りして、自宅で読んでもらいます。お配りした授業の次回の授業の前々日18時までに要約と意見を800字程度で記述していただく課題レポートの提出をお願いします。レポートはLMSを通じて提出してもらいます。
第15回の授業における小論文の作成は、私が配った資料の範囲内でテーマを出しますので、事前に資料整備をすることと、復習をお願いします。

その他履修上の注意事項

就職や大学生活の送り方、経済学の勉強に関する疑問等があれば、授業前に整理をして、授業中に自由に質問して下さい。シラバスの授業内容を尊重しながらも、出来る限り皆さんのご要望にもお応えしながら授業を進めて参ります。
自分の将来に関して、不安や疑問そして希望を常に持って、それに立ち向かう勇気があり、自分流を確立させようといった学生の履修を期待しています。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
・春学期産業実務演習Ⅰの振り返りをした上で、
・秋学期の授業の進め方をシラバスをベースに説明
第2回講義形式で、参考文献「ざっくりわかる企業経営のしくみ」の第一章「変わり続ける時代の企業経営」に関して、私が作成した資料をお配りして、資料に沿って説明します。
経営における企業間競争の重要性等を中心に講義します。
第3回講義形式で同上のつづきを説明します。
経営は長く持続出来てこそ、社会的責任を果たせること等を講義します。
第4回講義形式で同上のつづきを説明します。
イノベーションとはどういったもので、企業経営にはなくてはならないものであること、そして企業経営が生き物であること、経営の3つのポイント等について講義します。
第5回講義形式で、私が作成した資料「企業分析=ホームページを読み解く」をお配りし、資料をベースに説明。
当学主催の会社説明会にご参加いただいた、上場企業を題材にして、講義します。
教室のプロジェクターも活用します。

課題のお願い:就職活動や企業の業績動向等の日経新聞記事等の写しをお配りして、自宅で読んでもらいます。次回の授業の前々日18時までに要約と意見を800字程度で記述していただく課題レポートの提出をお願いします。レポートはLMSを通じて提出してもらいます。
第6回引き続き前回の「企業分析=ホームページを読み解く」を講義します。
当社の経営理念、企業文化、求める人材像、人材育成方針、企業概要、当社の強み、仕事内容、当社でイメージ出来るキャリア等について講義します。
第7回引き続き前回の「企業分析=ホームページを読み解く」を講義します。
当社の有価証券報告書の見方についてプロジェクターも使いながら説明します。
当社の経営の成長性、安定性、収益性について分析します。

講義形式で参考文献「ざっくりわかる企業経営のしくみ」の第七章「決算と財務諸表の基礎知識、企業の総合力をつかむ経営分析」について私がまとめた資料に沿って説明します。

第5回授業でお願いした課題の模範回答と解説を致します。
第8回グループ討議
履修者数がある程度集まった場合は、グループ活動の進め方について指導します。グループ活動が出来る場合は、各授業内で時間を作って討議をして貰うように運営します。そして、グループ毎の成果発表をする時間も授業内に設定します。
グループ討議のテーマはグループで選定した企業を就職先としてどうなのかといった企業研究を進めていただき、授業内で発表してもらうということを考えています。討議のポイントや発表方法等については資料もお配りして、細かく指導します。
第9回グループ討議
グループで選定した就職対象企業について、経営理念、企業文化、求める人材像、人材育成方針、企業概要、当社の強み、仕事内容、当社でイメージ出来るキャリア等について企業研究してもらいます。

課題のお願い:就職活動あるいは企業の業績や日本経済動向等の新聞記事資料をお配りして、自宅で読んでもらいます。次回の授業の前々日18時までに私の質問への答えと意見を800字程度で記述していただく課題レポートの提出をお願いします。レポートはLMSを通じて提出してもらいます。
第10回グループ討議
次回授業での各グループの発表に向けて、準備をして貰います。
企業研究を踏まえ、研究企業に対する自己PRを各自で作成します。
自己PR作成のポイントは資料をお配りして指導します。

第9回授業でお願いした課題の模範回答と解説を致します。
第11回グループ討議発表
作成した資料はUSBに保存し、教室内のプロジェクターを利用しグループ毎発表してもらいます。自己PRも指名した方に発表していただきます。
授業内で質疑応答の上、私が講評します。
第12回財務諸表の見方(その1)、資料をお配りして、企業の貸借対照表の見方を講義します。
企業研究に当たって最低知っておいてほしい範囲で貸借対照表の見方を説明します。
第13回オンライン授業・・・日本経済の環境について
平成の経済を駆け足で振り返り、令和の現在の経済状況について音声録音と資料でLMS上のオンライン授業を実施します。
就職活動に当たって、最近の日本経済の流れを把握しておいてほしいと思い講義します。

課題のお願い:8回目から11回目まで企業研究していただいた各グループの企業に対して自己PRを作成していただきます。自分が所属したグループの研究対象企業宛に企業研究の結果を踏まえての作成をお願いします。次回の授業の前々日18時までに400字程度で記述していただく課題レポートの提出をお願いします。レポートはLMSを通じて提出してもらいます。
第14回財務諸表の見方(その2)、資料をお配りして、企業の損益計算書の見方を講義します。
企業研究に当たって最低知っておいてほしい範囲で損益計算書の見方を説明します。

第13回授業でお願いした課題の回答の解説を致します。
第15回期末テスト=当日記述式のテスト、問題は2~3問を予定しています。授業でお配りした資料、LMS掲載の資料のプリント、授業ノートは持ち込み可とします。
産業実務演習Ⅱの講評、意見交換
その他