担当者 | 新原 将義教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [スポーツ医療学科] | |
科目ナンバリング | PSY-102 |
我々の社会には,心理学のコトバが溢れている。学校では「学び」や「理解」を求められ,足し算から四則演算,九九,鶴亀算と,徐々に難しくなっていく「発達段階」に合わせられたカリキュラムを受ける。喧嘩をすると,先生たちはお友達の「気持ち」を「考える」ことの重要性を説く。「思春期」を迎えると,私たちは「恋」に落ち,その「思い」を伝えるか伝えないかに頭を「悩ま」せる。就職活動では,会社は私たちがどのような「スキル」を持っているのか,仕事にどのような「モチベーション」を持っているのかを問う。そして大学でも社会でも,あるいは家庭でも,私たちは「空気を読む」ことを求められる。このように我々の生活は,心理学のコトバなしではもはや成り立たない。社会が「心理学化」されていると言ってもよいだろう。
この授業では,前期「心理学Ⅰ」(新原将義担当)から引き続き,心理学の基礎知識だけでなく,我々の日常生活のなかにあふれる様々な事象から,「心理学化」された世界と我々の関係について考える。特に後期の授業では,心理学の諸理論が活用されている様々な実践現場を紹介することで,心理学と我々の生活との関係について理解を深める。具体的には,コミュニケーションの問題,知能と賢さの問題,アイデンティティと発達の問題を取り上げる。
またこの授業では,対面での開講が可能な場合,SNSを用いて教員と学生がリアルタイムでやり取りをしながら講義を進めていく。各自,スマートフォンを持参して授業に臨むこと。
なお,この講義の内容は春期開講の「心理学Ⅰ」(担当:新原将義)の内容と大きく関連する。よって「心理学Ⅰ」との連続受講を推奨する。
①学生は,文化心理学とはどういう考え方なのかについて説明できる。
②学生は,コミュニケーション,知能,アイデンティティのそれぞれの話題について,社会構成主義の観点から振り返り,他者に説明することができる。
期末テスト 80%
LMSにおける毎回の小レポート 20%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 「脱・心理学」入門―10代からの文化心理学 | 新原将義 | 北樹出版 |
参考文献 |
毎回授業後に,LMSの掲示板機能を用いて小レポートの書き込みを求める。授業内容を振り返り,自らの実生活のなかから具体例をみつけながら課題に取り組むこと。
本授業では,TwitterなどのSNSを用いた対話形式の講義を行う。各自スマートフォンを持参するほか,必要であればモバイルバッテリーなどを用意すること。
また第14回終了後,総括とフィードバックをオンラインで行う。詳細については授業内で案内を行う。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション 文化心理学とはなにか |
第2回 | コミュニケーションとは何か① なぜコミュニケーションを学ぶのか1 |
第3回 | コミュニケーションとは何か② なぜコミュニケーションを学ぶのか2 |
第4回 | コミュニケーションとは何か③ 境界を超えるコミュニケーション |
第5回 | コミュニケーションとは何か④ 「社会的現象」としての境界 |
第6回 | 「かしこさ」ってなんだろう① 知能検査の歴史1 |
第7回 | 「かしこさ」ってなんだろう② 知能検査の歴史2 |
第8回 | 「かしこさ」ってなんだろう③ 知能検査の偏りと文化心理学的「かしこさ」1 |
第9回 | 「かしこさ」ってなんだろう④ 知能検査の偏りと文化心理学的「かしこさ」2 |
第10回 | アイデンティティと発達① アイデンティティの社会・文化的側面 |
第11回 | アイデンティティと発達② パフォーマンス心理学への招待 |
第12回 | アイデンティティと発達③ パフォーマンス心理学の実践 |
第13回 | アイデンティティと発達④ 学校とパフォーマンス |
第14回 | アイデンティティと発達⑤ パフォーマンスと発達と政治 |
第15回 | (オンライン)リフレクション |