担当者 | 田島 悠来教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [社会学科] | |
科目ナンバリング | SOC-249 |
よく耳にするサブカルチャーとは何でしょうか。それは、アニメやマンガ、ゲーム、ライトノベル、アイドル、テレビドラマ、音楽、ファッションなど、皆さん方が普段の日常生活で身近に感じるものたちのことを指しています。
一方で、サブカルチャーという言葉は、それが使われる国や地域、集団、時代に応じて指し示す意味内容が違ってくる、多義的な概念でもあります。特定の階級が担い手となる文化であったり、若者が大人に抗う文化であったり、消費行動と親和性の高い文化であったり、熱狂的な愛好家によって構成される文化であったりと様々です。一つ共通しているのは、それは、何らかの本流、主流、正統とみなされている文化とは異なって、メインではないもの=サブであることです。
ただし、日本においては、‘サブカル’という言葉の浸透とともに、もともとメインではないものであったはずのサブカルチャーが多くの人たちが享受するメジャーなものと見なされはじめています。同時に、広く国内外の人びとの心を魅了するという意味で大きなインパクトを持っていることから、今では、国家ブランド力の向上や地域活性化のために戦略的に活用しようという政策にまで結びつくようになっています。
本講義では、こうしたサブカルチャーの多義性について理解してもらうために、いくつかの視座からサブカルチャーをみつめます。そして、現代社会においてサブカルチャーとは何か、どんな役割や機能があるのかを再考していくとともに、学術的な枠組みのなかで社会的に意味あるものとして分析・考察する視点を育んでいくことで、サブカルチャーを通して多様な価値観を持った人びとが共生する社会についての理解を深めることを目指します。
サブカルチャーの多義性について理解する
サブカルチャーの役割や機能について説明できるようになる
サブカルチャーを分析・考察する視点を育む
サブカルチャーを通して多様な価値観を持った人びとが共生する社会について理解を深める
平常点50%:各回の授業で当該回に関連した小レポート課題を与え授業時間内で回答してもらます。その回答をもってサブカルチャーの多義性について理解できているか、その役割や機能を説明できるようになっているかどうかを評価します。また、回によってはディスカッション等のグループワークやペアワークを実施し、積極的な授業への参加度もはかります。
期末レポート50%:授業の総まとめとして、個人でサブカルチャーに関連した事項について研究・調査した成果を期末レポートで提出してもらいます。サブカルチャーを分析・考察する独自の視点を持てているかどうかをはかります。なお、レポートはLMSから提出してもらいます。
多様な価値観を持った人びとが共に生きる社会であることを十分に理解した上でサブカルチャーについて考察できるようになっているかを上記項目に基づいて総合的に判断して成績評価を行います。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 『「アイドル」のメディア史:『明星』とヤングの70年代』 | 田島悠来(2017) | 森話社 |
参考文献 | 『コンテンツツーリズム研究[増補改訂版]』 | 岡本健編(2019) | 福村出版 |
日常にあふれるサブカルチャーに興味を持ち、授業中に取り上げるメディア・コンテンツに接したり、関連の施設やイベント(オンライン開催のものも含む)を訪れたりする(=サブカルチャー研究におけるフィールドワークを行う)こと。それに関連して、資料が集積されている帝京大学図書館(MELIC)はもちろん、国立国会図書館や大宅壮一文庫等を積極的に活用すること。
講義中、他の学生の学習する権利を侵害する行為、または受講態度に甚だしい問題があると判断した場合は退出を命じることがあるので注意すること。各回の授業内容は受講生の学修状況や新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況に応じて変更する場合がある。
なお、初回授業はガイダンスとしてオンラインによる授業(オンデマンド形式として1回目の対面授業開始以前にLMSで配信予定)を実施する。新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況を踏まえながら受講生と相談の上一部オンライン授業や講義形式以外の授業を実施する場合がある。適宜LMSの「連絡事項」を活用することもあるので注意すること。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス(オンライン形式) |
第2回 | サブカルチャーとは何か(9/20実施、対面1回目) サブカルチャーを探そう |
第3回 | 対抗文化としてのサブカルチャー① カルチュラル・スタディーズ |
第4回 | 映像のなかの対抗文化、若者像 :映画『太陽の季節』の鑑賞 |
第5回 | 対抗文化としてのサブカルチャー② 「テクスト」をどのように読むことができるか |
第6回 | 消費文化としてのサブカルチャー 消費社会と若者 |
第7回 | ファン文化としてのサブカルチャー おたくからオタクへ |
第8回 | サブカルチャーがつくる社会関係資本① 映画『電車男』の鑑賞/オタクの表象 |
第9回 | サブカルチャーがつくる社会関係資本② 趣味縁そして推し活へ |
第10回 | サブカルチャーをめぐる理論的枠組 大きな物語の機能不全、データベース消費 |
第11回 | サブカルチャーをめぐる理論的枠組 相関図消費と女性オタク |
第12回 | サブカルチャーを活用した観光、地域振興① アニメ聖地巡礼 |
第13回 | サブカルチャーを活用した観光、地域振興② コンテンツツーリズム |
第14回 | サブカルチャーはいかに研究できるのか ファン研究の視点・方法を中心に |
第15回 | 総まとめ |