担当者 | 金澤 誠教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [政治学科] | |
科目ナンバリング | SEM-301 |
この演習は、「身のまわりの法律(憲法)」を覗いてみることが目的です。皆さんの法律(学)のイメージはなんですか?かたいルールの束でしょうか?六法を暗記すること(学問)でしょうか?いえ、まさに異議ありです。法律もよく変わります。すべての法律を知っている人はいません。世の中は複雑ですから、ひとつの事件がきっかけで、法(の解釈)が変わります。「昨日の正解(常識)が、今日の不正解(非常識)」になる。その意味では(コナンがいうように)「真実はいつもひとつ!」ではありません。
この演習では、いつのまにか「常識」として捉えがちな法律(や憲法)に「疑い」を向けていきます。たとえばアニメ・ドラマの世界。アニメのなかには、私たちの「ステレオタイプ」がある「はず」。それを破壊(微調整)していけば、法律や憲法の意義(だけでなく、人が抱きがちな偏見や感情までも)が再確認(暴露)できるかも(なお、ジェンダー論によると、子ども向けアニメにいる仲間たち。女の子は、ひとりが「常識」らしい。しずかちゃん?ドキンちゃん?歩美ちゃん?どうしてアニメの世界では、女性の積極登用が叫ばれないの?)。
とはいえ、ずっとアニメを語るという「オタクな能力」は、私にはありません。最終的には(アニメという)補助輪がなくても思考することを期待します。暗記ではなく、頭の中を柔軟に「上書き保存」する。心はまじめに、ユーモアと想像力を……それなりの学修(負担)を心得ておくように!
以上のことを通して、①文献を探す方法(図書館の使い方、検索の仕方など)を身につけたり、②文献を正確に読む能力を身につけたり、③文献を読んだうえで、それを口頭で(PPで)報告したり、討論したり、文章にまとめたりする(場合によっては、レポートを書くような)能力を身につけたり、④ゼミ内外で、まわりの人(教員や学生)とコミュニケーションする能力を身につけたりします。
①憲法にかんするより高度な知識を獲得し、憲法問題について、対話を通じて利害関係人の利益を調整し、問題解決へ導くことができる。
②新聞や法律雑誌、さらにはツイッターなどで日々議論されている法律問題について、法的根拠を挙げながら批判もしくは受容できる(紛争に関わる状況を分析し解決へ導ける。検索サイトのコメント欄の意見が「いつも」正しいわけではないことに気づく)。
③憲法にかんする問題を自分で発見し、その解決方法を提示・説明できる(自分ひとりで、ある程度の分量のレポートや報告書を書けるようになる。説明・プレゼンテーションが上手くできる)。
①教材を事前に読んでくること(20%)、②当日の議論への貢献(40%)、③発表やプレゼンテーション(場合によっては、レポート)の内容(の上達)(40%)が成績評価の方法になります。報告者は割り当てられた文献ないし判決を要約したうえで、論点を提示しながら自己の見解をレジュメ(または、PP)にまとめ口頭にて発表することになります(90分)。発表をする際には、図書館に通って自分で(あるいは、何人かで)勉強をする必要があります。コピペは、禁止です。すぐバレます。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 『情報生産者になる』 | 上野千鶴子 | ちくま新書 |
参考文献 | 『論文の教室』 | 戸田山和久 | NHKブックス |
参考文献 | 『世界最高の話し方』 | 岡本純子 | 東洋経済 |
参考文献 | 『法学部ゼミガイドブック ディベートで鍛える論理的思考力』 | 西南法学基礎教育研究会 | 法律文化社 |
参考文献 | 『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』 | 神田房江 | ダイヤモンド社 |
社会で生じている法的現象に興味を持つことが求められます。憲法にかんする事件はよく報道されています。それを自分で発見することが重要になります。資料として配布する問題演習、公務員試験を解いてくること、判例の要約が求められます(90分)。
①この演習は、プレゼンや議論をするという積極的な作業をおこないます。そうしたことに興味ある好奇心のある学生さんの受講を歓迎します。自分のテーマを考えておいてください。
②楽しみながら勉強することが演習のコンセプトです。たまには苦しんでもらいます。でも、ゼミでの恥はもしかしたらいつかはいい経験に変わるかもしれません(?)。
回 | 授業内容 |
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第1回 | はじめに |
第2回 | 文献の探索 |
第3回 | 判例の探索 |
第4回 | 意見交換 |
第5回 | プレゼンテーション |
第6回 | 個人発表 |
第7回 | グループ・ディスカッション |
第8回 | 実務家の話を聞く(外部講師の話を聞くなど) |
第9回 | 模擬裁判の作成 |
第10回 | ディベート |
第11回 | 演習を企画する |
第12回 | 大教室での報告 |
第13回 | 課外で話す(フィールドワーク!) |
第14回 | 模擬裁判をする |
第15回 | まとめにかえて(オンライン授業) |