担当者 | 木原 久美子教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [心理学科 2018年度以降] | |
科目ナンバリング | SEM-302 |
本演習では、幼稚園の協力を得て遊びの観察を行ってきたが、コロナの感染が広がり、幼児の観察はできない可能性がある。そのため、過去のデータを利用するか、大学生を対象にして遊びを観察するかいずれかを選んで、仲間関係・情動交流・現実と想像・コミュニケーション・学習と遊びなどをキーワードに研究する。研究方法として「観察法」の一種である「実験的観察法=研究目的に沿った状況を意図的に設定して観察を行うこと」を用いた演習となる。年6回の行動観察を予定しているが、状況を見ながら実施可能性を探ることになる。本演習では、最初に文献購読や過去のデータをもとに研究計画を立てることになる。観察は役割分担しながら共同して行うことになる。研究テーマに関しては、各自が自由に設定し、学年末にレポートにして提出する。観察は授業のみで終了するが、観察データの分析等は、各自が学内施設を利用して、授業時間外に行うことになる。分析にあたり、何についてどう見るか、視点を持つことが問われる。過去の研究テーマは、「ごっこ遊びにおけるリーダーシップ」「子どものユーモア」「いざこざのきっかけと解決方略」「一人遊びの意味」「過去20年に亘る子どもの遊びの変容」等である。遊びは人を育てるが、学ぶために遊んでも人は育たない。謎多き遊びを好奇心を持ちながら探究してほしい。
観察の研究計画は演習参加者で共同して立案するが、テーマは各自が設定する。研究に際して、幼児への安全を確保しつつ幼稚園と連携しながら観察することを基本姿勢として身に着ける。その上で、以下の手順でレポートを執筆する。先行研究をもとに問題意識をまとめ、観察の視点を整理し、観察方法(観察対象者、観察日時、観察場面の設定、観察方法・記録方法、観察資料の転記方法など)を明記し、観察データの質的(エピソードの詳細な記述:エピソードはどのような基準で選んだのか、全体の流れの中のどこに位置づくのか、などの情報も必要)、量的(分析対象とする行動の数を数える:行動の単位をどう決めるのか。カテゴリの定義や該当例はどのようなものかも明記)分析を行い、考察し(エピソード分析の場合、数で説得できない分、どのように読み手を納得させるのかを考える必要がある)、全体的まとめ・今後の課題を導き出す。
観察における役割分担の遂行、他の参加者との共同姿勢、保育観察のレポート、観察データのカテゴリーを記したレポート、最終的なレポートに基づき成績を評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 幼児間の親密性:関係性と相互作用の共発達に関する質的考察 | 高櫻綾子 | 風間書房 |
参考文献 | 幼児教育のデザイン:保育の生態学 | 無藤 隆 | 東京大学出版会 |
参考文献 | あそびのひみつ | 河崎道夫 | ひとなる書房 |
参考文献 | ごっこあそび:自然・自我・保育実践 | 河崎道夫 | ひとなる書房 |
本演習では、Ⅰと同様に、参考書をすべて読み込む時間は十分取れないことから、空き時間に読んで知識を得ておく必要がある。これ以外の文献についても検索の仕方は紹介するが、学生自身で検索し、入手しておくことが求められる。さらに、ELANの操作方法や会話分析の手法についても学んでおく必要がある。映像分析も授業時間外に行うことが求められる。
観察は共同して行うので、担当者の欠席や遅刻は原則認められない。園や保護者の協力のもとでの実施であることをふまえて、倫理規定を遵守することが求められる。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 演習Ⅱは、3年生、4年生共通の授業内容とする。 研究の流れをオリエンテーションする。研究したいテーマを決めて、仮説を立てる。 |
第2回 | 観察と分析の実施 1 |
第3回 | 観察と分析の実施2 |
第4回 | 観察と分析の実施3 |
第5回 | 観察したデータ(映像と音声)をELANを使って分析する。 |
第6回 | 観察したデータ(映像と音声)をELANを使って分析する。 |
第7回 | 観察したデータを分析するカテゴリーを決める。 |
第8回 | 観察したデータを分析するカテゴリーを決めて、レポートにまとめて提出する。 |
第9回 | 観察したデータを統計処理する方法を学ぶ。 |
第10回 | 観察したデータを分析した結果をどうまとめるかを学ぶ。 |
第11回 | 観察したデータを分析し、結果をまとめる。 |
第12回 | 問題・方法・結果・考察の構成を見直して、初稿をまとめる。 |
第13回 | 研究発表を行い、修正点について検討する。 |
第14回 | 研究発表を行い、修正点について検討する。 |
第15回 | 最終レポートをもとに成果発表を行う。(オンライン) |