本学専攻が契約する医療機関において、精神科の外来、病棟、デイケアに実習参加し、診察陪席や、病棟活動への参加、デイケア参加等を行う。この実習を通して、医療機関における精神科医療機関の機能や役割、多職種スタッフによるチーム医療、他職種連携と地域連携、患者とのコミュニケーション、精神科医療への患者のニーズ、心理専門職(公認心理師や臨床心理士)としての職業倫理及び法的義務等を学ぶ。
実習前準備教育では、医療機関の構造、医療機関における精神科や心療内科等のメンタルケアの機能と役割、その中での心理師の業務と役割、心理師が医療の場で出会う患者の診断および治療に関する知識の習得を目指す。またそれらをふまえて、実習生としての心得や留意点、実習目標、実習前レポートの作成を行う。また実習に関して、精神医学や医療機関実習に関する基本的知識の試験を行い、その合格者だけが実習に参加できる。
実習先見学は、医療機関の外来、病棟、デイケアを見学するとともに、心理実習指導者からのレクチャー、実際に病院で勤務する多職種スタッフからの話を聞く。これらをふまえ、実際に担当ケースを持ち実地実習を行う。実地実習では、医療現場での医師を中心とした多職種によるチーム治療を観察するとともに、病棟活動やデイケアなどの場で、患者さんを担当し(担当ケース)、スタッフの目が届く場所で、患者さんの話を聞かせてもらいやりとりをする場面も作る。それらの体験をレポートとして毎回まとめ、実習指導者や教員からの指導を受ける。なお、実習先との調整により、学期期間外の実習・指導等が設定されることがある。実習5日のうち1回は教員が巡回し実地での指導を行う。
すべての実習終了 後に、実習終了レポートを提出する。 なお、新型コロナウイルス感染症の影響によっては、学外機関での実習が不可能な場合がある。その場合は、到達目標を達成するための代替の実習課題に取り組むこととなる。
医療機関における臨床実践の基礎的理解を得るとともに、臨床心理士や公認心理師の役割について理解し、実際に医療現場で心理専門職として活動するための基礎的知識とスキルを修得することが目標となる。
試験20%、事前準備レポート及びディスカッション10%、実習及び実習ノートの内容40%、実習先からの評価10%、実習後レポート及びディスカッション20%を総合して評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 臨床心理士をめざす大学院生のための精神科実習ガイド | 津川律子・橘玲子編 | 誠信書房 |
教科書 | 臨床心理士のための精神科領域における心理臨床 | 村瀬嘉代子他 | 遠見書房 |
教科書 | 精神科における予診・初診・初期治療 | 笠原嘉 | 星和書店 |
参考文献 |
「保健医療分野に関する理論と支援の展開」「精神医学特論」などの講義を復習しておくこと。 上記のテキストを熟読し、自らの考えをまとめて実習に臨むこと。 グループにおける臨床実践の場面に参加することになるので、デイケアやリハビリテーション、集団療法、グループワーク、コミュニティアプローチ等について事前に調べておくこと。
主体的・創造的な参加が望まれる。
実習先の医療機関においては、実習生としての倫理を守り、実習指導者の指示に従うことが必須である。
真剣に学ぼうとしている他の院生の支障となる態度(ディスカッション中の私語・携帯電話使用,遅刻・欠席など)は厳に慎むこと。
この科目は、公認心理師取得に際して必要となる科目である。
医療における週1日での実習を行う心理実践実習ⅢAの履修を予定している人は、心理実践実習ⅡAを先に履修することが好ましい。
この科目は臨床心理学専攻に特化した科目である。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス:医療臨床について学ぶ |
第2回 | 医療における心理専門職の機能と役割について学ぶ |
第3回 | 心理専門職のアセスメントについて学ぶ グループにおけるアセスメントの特徴について |
第4回 | 医療現場における多職種について知る(オンライン) 「担当ケース」についての説明 |
第5回 | 実習前試験 |
第6回 | 実習現場に関するガイダンス |
第7回 | 実地での心理実践実習① |
第8回 | 実地での心理実践実習② |
第9回 | 実地での心理実践実習③ |
第10回 | 実地での心理実践実習④ |
第11回 | 実地での心理実践実習⑤ |
第12回 | 実習のふり返り 「担当ケース」についてのアセスメントと支援計画 |
第13回 | 実地での見学実習 総合病院におけるチーム医療と心理専門職の機能と役割 |
第14回 | 実習全体のふり返り |
第15回 | まとめ 医療を今後どのように体験的に学んで行くか? |