入門ミクロ経済学Ⅱ
担当者落合  宏教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [政治学科]
科目ナンバリングECT-102

授業の概要(ねらい)

 経済活動は消費者や企業等の経済主体間で織りなされる戦略的相互関係に基づいて営まれているという側面を持ちます。例えば、ある企業は競合他社の出方を見ながら自社の製品開発や価格設定を行っているでしょう。また、会社の従業員なら、ビジネス交渉は頻繁に行われますし、日々の生活でも、ネットオークションや自動車・マイホームのような高額商品を購入する際には、他者や相手方がどう出るかを考えながら購入の意思決定をするでしょう。このような戦略的相互関係を経済学的に分析するツールがゲーム理論です。本講義では、政治学科の学生向けに、ゲーム理論の基礎を紹介するとともに、それを選挙や政治家の行動等、政治学で扱われる題材に応用します。 
 政治の経済学的分析を通じて、私たちを取り巻く政治・経済の構造について理論的かつ体系的に考え直すことは、現代の民主主義社会を深く理解する上でも、またみなさんが将来就職してよい社会人生活を送る上でも大きな知的財産をもたらしてくれるでしょう。

授業の到達目標

①政治学で扱われる題材をゲーム理論を使用して十分に理解し、説明することができます。(知識・理解)
②メディア等で触れられる経済問題を深く分析して、適正に判断することができます。(汎用的技能)
③選挙や政治家の行動を経済学的に分析し、投票等において自身の適切な行動に役立てることができます。(態度・志向性)

成績評価の方法および基準

・期中レポート課題(到達目標①、②、③):50%
・期末レポート課題(到達目標①、②、③):50%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特に指定しません。
参考文献『ゲーム理論で考える政治学 フォーマルモデル入門』浅古泰史有斐閣 2018年
参考文献『「決め方」の経済学』坂井豊貴ダイヤモンド社 2016年

準備学修の内容

予習は各回の授業内容を参考に参考文献で該当箇所を読み、予め疑問点を整理しておくことが望ましいです。復習は授業中に出題された例題等を通して理解が浅いと判断した部分を重点的に学習すると効率的です。

その他履修上の注意事項

・経済学は数学や図を使用することが多いです。計算問題を解く際はもちろんのこと、授業で使用する資料や参考文献を読む際にも実際に自分で紙に計算を書き、図を描き、論旨を確かめながら読み進めてください。
・現実経済に対する深い問題意識があって初めて経済理論の学習が意味を持ってきます。したがって、日ごろから新聞を読むなどして時事問題には関心向けておいてください。

授業内容

授業内容
第1回講義ガイダンス
第2回低投票率
第3回選挙競争
第4回汚職
第5回連立政権
第6回政治家の資質
第7回動画視聴
第8回選挙運動
第9回メディア
第10回脱官僚
第11回政治体制
第12回民主化
第13回戦争
第14回平和
第15回(オンライン)政治のゲーム理論分析