入門ミクロ経済学Ⅰ
担当者落合  宏教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [政治学科]
科目ナンバリングECT-101

授業の概要(ねらい)

 私たちが生活を営んでいる現代の経済では財やサービスを取引する「市場」が大きな役割を果たしています。店で買い物したり、企業が商品を販売したり、アルバイトをして給料を得たりと、市場を通じた取引は現代社会において日々の生活そのものといっても過言ではありません。しかし、そのように人々や企業がバラバラに営んでいる市場取引の結果、経済全体ではどのような状態(混乱に満ちた社会になるのか、あるいは逆に調和のとれた社会になるのか等)といった点について深く考えることはあまりなかったかと思われます。本講義では、以上のような問題意識のもと、ミクロ経済学を通して、基本的な市場の機能や特徴を学んでいくことを目的としています。
 また、ミクロ経済学の学習を通じて、私たちを取り巻く経済・社会について理論的かつ体系的に考え直すことは、現代の経済・社会を深く理解する上でも、またみなさんが将来就職してよい社会人生活を送る上でも大きな知的財産をもたらしてくれるでしょう。

授業の到達目標

①市場の基本的な機能と特徴を、「なぜそうなるのか」という根拠も含めて十分に理解し、説明することができます。(知識・理解)
②メディア等で触れられる経済問題を深く分析して、適正に判断することができます。(汎用的技能)
③消費、貯蓄、労働等の日常の行動を経済学的に分析し、自身の適切な行動に役立てることができます。(態度・志向性)

成績評価の方法および基準

・期中レポート課題(到達目標①、②、③):50%
・期末レポート課題(到達目標①、②、③):50%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特に指定しません。
参考文献『ミクロ経済学って大体こんな感じです』竹内健蔵有斐閣 2019年
参考文献『経済学Ⅰ ミクロ編』(第4版)グレゴリー・マンキュー東洋経済新報社 2019年
参考文献 『ミクロ経済学の力』神取道宏日本評論社 2014年

準備学修の内容

予習は各回の授業内容を参考に参考文献で該当箇所を読み、予め疑問点を整理しておくことが望ましいです。復習は授業中に出題された例題を通して理解が浅いと判断した部分を重点的に学習すると効率的です。

その他履修上の注意事項

・経済学は数学や図を使用することが多いです。計算問題を解く際はもちろんのこと、授業で使用する資料を読む際にも実際に自分で紙に計算を書き、図を描き、論旨を確かめながら読み進めてください。
・現実経済に対する深い問題意識があって初めて経済理論の学習が意味を持ってきます。したがって、日ごろから新聞を読むなどして時事問題には関心向けておいてください。

授業内容

授業内容
第1回講義ガイダンス
第2回需要曲線:効用の最大化
第3回需要曲線:無差別曲線と予算制約線
第4回需要曲線:弾力性、代替と補完、上級財と下級財
第5回供給曲線:利潤の最大化
第6回供給曲線:等量曲線と等費用曲線
第7回供給曲線:様々な費用曲線
第8回動画視聴
第9回完全競争市場:市場均衡の望ましさ
第10回完全競争市場:需要・供給の変化と市場均衡
第11回完全競争市場:正常利潤と超過利潤
第12回応用:国際貿易
第13回不完全競争市場:独占
第14回不完全競争市場:寡占
第15回(オンライン)ケインズとハイエク