授業は、二人の教員によるチームティーチングの形態で行う。（Ａ類学生（ＳＭ）については、小山・魚山が担当する。こちらは、Ａ類のシラバスである。）
学校における教育課程、各教科・領域等におけるカリキュラムの作成・実施・評価についての理論を実習校や所属校での実践を踏まえつつ学び、創意ある教育課程を作成・実施・評価できる能力を養うことをめざす。また、学習指導要領を教科横断的・系統的に理解し、学校教育全体の中で教科・領域などの教育内容を俯瞰し、地域・学校・児童生徒に即して教育課程を編成するための基礎的な理解を目指す。主に「学習指導要領の理解」と「教育課程の編成」とその評価に関わる授業科目である。
さらに、学校における教育課程や各教科・領域等のカリキュラムについて、主に国内の特色ある事例を収集し、その現状や課題について互いにディスカッションしながら、教育課程編成に必要な条件や要素を検討し、教職の意義・教育の基礎理論と結びつけながら理解できるようにする。また、実習校での事例などの分析や、グループワークによる検討を通じて、カリキュラムコーディネーターの一員として必要な知識や技能の習得をめざす。また、地域・学校・児童生徒に即して教育課程を編成する意義と在り方について理解を深め、学習指導要領の内容にとどまらず、今後の教育課程を見据えた複数校の教育活動を取り上げ、具体的に理解し、考察する。
《A類学生》
・教育課程の意義や原則を理解し、各教科・領域等におけるカリキュラムの編成・実施・評価について、教職の意義・教育の基礎理論、実習校での経験を踏まえ、実践的にそのあり方を究明する。
・学校や地域の特性を踏まえた特色ある教育課程を比較・検討することを通して、教育方法に対する理解を深め、実践に生かす。
・学習指導要領の変遷とその特色、改訂の趣旨や基本方針、各教科目標・内容、各校種間の系統性、国や都の教育改革の動向、教育課程編成の課題を理解・明確化することができる。
・授業の参加状況（30％）、感想・レポート・提出物等の出来（30％）、考察・分析・調査結果の発表・表現の出来（30％）、自己評価（10％）などによって総合的に判定する。
・Ａ類学生は、学校の教育課程について、その特色や課題を整理し、実習校での経験を踏まえながら自分の意見をまとめたレポートを評価する。
| 種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
|---|---|---|---|
| 教科書 | ・学校種に合わせ、学習指導要領解説総則編を準備すること。（幼・小・中・高校・特別支援学校の学習指導要領：総則・および各教科・道徳）※webにて閲覧可能 | 文部科学省 | 東京館出版社 |
| 参考文献 | 新しい時代の教育課程 | 田中耕治・水原克敏・三石初雄・西岡加名恵 著 | 有斐閣アルマ 2005年 |
| 参考文献 | よくわかる教育課程 | 田中耕治編 | ミネルヴァ書房 2018年 |
| 参考文献 | 現代カリキュラム事典 | 日本カリキュラム学会編 | ぎょうせい 2001年 |
| 参考文献 | 教科教育百年史 | 奥田真丈編 | 建帛社 1985年 など |
・所属校・実習校の教育課程や特色ある教育活動を理解して授業に参加すること。
・事前に配布した資料を読み、簡単にプレゼンできるようにすること。
・実習校の教育活動を教育課程と関連付けて日常的に教育課程について観察すること 。
| 回 | 授業内容 |
|---|---|
| 第1回 | 教育の原点を探る－縄文時代に教育はあったのか／オリエンテーション ※第１回から第10回はＡ類、Ｂ類に分かれ、別教室で授業を行う。 |
| 第2回 | 身分差に応じた教育を考える－江戸時代の藩校と寺子屋の教育 |
| 第3回 | 国民教育のスタートの課題を探る－明治維新の教育課題とその対応 |
| 第4回 | 占領下の教育以降の変遷に学ぶ－経験主義の教育から系統主義教育へ |
| 第5回 | 調べ学修（１）課題解決の見通しをつけ、資料を読み込み、フリップにまとめる。 ４つ課題をもとに発表をする教育課程の編成をそれぞれ担当する。※学習指導要領改訂の背景－実施上の課題、社会の変化への対応 課題①なぜ系統学習に変わったか。どのように変わったのか。 （昭和30・33年版学習指導要領の改訂－経験主義から系統主義へ） 課題②なぜ人間性重視の教育への転換を図ったのか。 （昭和43・44・45年版及び昭和52年版学習指導要領の改訂－教育の現代化から人間化へ） 課題③生きる力と確かな学力はなぜ必要か。 （平成元年版及び平成10年版学習指導要領の改訂－変化の時代＝生涯学習の時代の教育） 課題④主体的・対話的で深い学びはどのように実現されているか。 （平成20年版・29年版学習指導要領の改訂－知識基盤社会の教育） |
| 第6回 | 各自調べた教育課程に関する発表を行い、質疑・担当教員の解説をもとに、教育課程の変遷からわかったことをまとめる。 ※課題①②を中心に |
| 第7回 | 各自調べた教育課程に関する発表を行い、質疑・担当教員の解説をもとに、教育課程の変遷からわかったことをまとめる。 ※課題③④などを中心に |
| 第8回 | 「創意ある」教育課程の事例を発表し合う。 ・実習校の教育課程の特徴を調べ、実際の学校の教育課程の実情と課題を知り、その改善策について議論を深める。 |
| 第9回 | 教育課程の課題を克服するための改善策を提案する。 ・実際の学校の教育課程の実情と課題を知り、その改善策について議論を深める。 ・調べ学修（２）「創意ある特徴的な教育活動、教育課題を検討する」という課題でテーマを決め、調べ学習を行う。※資料はこちらから提示する。 課題①ICT教育・プログラミング学習（帝京大学小学校など） 課題②リーダーの育成（海陽学園など） 課題③国際バカロレア教育（国際中等学校 など） 課題④学校外で学ぶ学習（通信制の高等学校／Ｎ校など） 課題⑤学生の要望による教育課程 ※教育課程の課題を克服するために焦点を当てる。学校の具体例を基に、教育課程を編成する際の学校や地域の特色を生かすための取り組み及び社会に開かれた教育課程の意義について理解を深める。 |
| 第10回 | 創意ある教育課程と小・中一貫教育 ・小・中一貫教育について、数年間の研究を積み上げてきた学校の事例を取り上げ、その成果と課題について検討する。 |
| 第11回 | （AB合同）創意ある特徴的な教育活動、教育課題を検討する（１）（ＳＭの発表） ※課題①②の発表と討論 |
| 第12回 | （AB合同）創意ある特徴的な教育活動、教育課題を検討する（２）（ＳＭの発表） ※課題③④などの発表と討論 |
| 第13回 | （AB合同）創意ある特徴的な教育活動、教育課題を検討する（３）（ＳＬの発表） ※各ＳＬの現任校の教育課程の成果と改善案を提案する。 |
| 第14回 | （AB合同）創意ある特徴的な教育活動、教育課題を検討する（４）（ＳＬの発表） ※未来の創意ある教育課程を創造し、今後の教育課程について議論を深める。 |
| 第15回 | （LMS／AB分かれて）教育課程の課題を克服するための改善策をこれまでの学びを通して提案し、15回の内容を振り返って自己評価を行う。 ※LMSやAB合同授業に関して、また授業内容の順序性に関しては、履修者の数や緊急事態宣言発令などの状況に応じて変わることがある。 |
