発達障害教育研究
担当者爲川 雄二教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [教職研究科]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

【教育と医療の連携】関連科目

授業は、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
発達障害教育を中核としながら、その病理・心理・特性について学び、最近の施策や支援体制の強化を踏まえ、現行の教育システムにおける校内支援体制や特別支援教育コーディネーターの活動と関連づけて、グループディスカッションや講義を元に対象となる児童生徒に対する適切な対応方法を深めていく。
また必要に応じて、施設見学による現状把握を通じて理解を深める。

当授業では、次の内容について適宜取り上げ、教育と医療との連携の視点を養う。
地域医療と学校との連携/発達障害と脳機能/発達障害のアセスメント/発達障害と心身症(情緒)/睡眠と脳(発達を含む)/メディア依存とゲーム障害/特別支援教育における余暇活動支援

授業の到達目標

<A類学生>
・LD等の発達障害の児童生徒の理解と教育的支援について、特別支援教育への改革の背景や教育的意義、制度や具体的な施策の実際などを理解すると共に、校内支援体制や特別支援教育コーディネーターの活動と関連づけながらその在り方を考えることができる。
<B類学生>
・特別支援教育への改革に関する様々な背景や制度などについて知見を深めるとともに、LD等の発達障害の児童の理解と教育的支援について、校内支援体制や特別支援教育コーディネーターの活動などについて具体策を提案できる。

成績評価の方法および基準

15回の講義を通して、演習やグループワーク(20%)・発表(20%)、レポート(60%)で評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 特定のテキストは使用しない。
参考文献発達障害の診断と支援内山登紀夫岩崎学術出版
参考文献ほか授業の中で紹介する

準備学修の内容

1 授業の復習を行い、疑問点や新たな課題などについて調べ、ポートフォリオに残す。
2 発達障害に関する新聞情報や最新のニュースを収集し、絶えず新しい情報に触れるよう心がける。

その他履修上の注意事項

1 実習指導、自らの教員経験の中から、多くの児童生徒の実態を分析的に捉え、多様な児童生徒の実態に触れてほしい。
2 ボランティア活動、学習指導補助、学校行事の支援などを通して、できる限り児童生徒と関わる機会を設けて欲しい。

授業内容

授業内容
第1回特別支援教育についての近年の流れ①(講義・討議)
・授業計画
・現時点で各自が理解している発達障害教育について整理する。
第2回特別支援教育についての近年の流れ②(講義・討議)
発達障害児に対する指導・支援の経過、通級による指導の制度化までの流れと特殊教育から特別支援教育に転換してきた経緯や歴史的背景について概説すると共に討議の中で理解を深める。
第3回発達障害の特性と支援のあり方について(講義)
発達障害の法的定義、および病理、生理、心理の特性を概説し、教育的支援の方法について理解を深める。
第4回発達障害のアセスメント①(講義・実技)WISC-Ⅳ
発達障害の認知上、学習上の特性と心理的アセスメントについて学ぶとともに、実際の検査の概要について実技を踏まえて理解する。
第5回発達障害のアセスメント②(講義・実技)KABC-Ⅱ
発達障害の認知上、学習上の特性と心理的アセスメントについて学ぶとともに、実際の検査の概要について実技を踏まえて理解する。
第6回発達障害のアセスメント③(講義・実技)DN-CAS
発達障害の認知上、学習上の特性と心理的アセスメントについて学ぶとともに、実際の検査の概要について実技を踏まえて理解する。
第7回通常の学級における指導の概要(講義・討議)
小中学校等における発達障害児童生徒の実態把握と指導の実際について、現状と課題を検討する。
第8回通級による指導の教育課程編成(通級による指導)(演習)
・前回の討議と分析をもとに、通級による指導の教育課程編成について児童生徒の実態把握を踏まえて作成する。
・A類学生は、通級指導教室の教育課程の編成について、対象とする児童生徒の実態を踏まえて作成する。
・B類学生は、通級指導教室の教育課程編成を行い、指導計画と通常の学級の教育との関連などの課題をまとめる。
第9回特別支援学校の地域支援センター的機能の実際と機関連携による支援(講義・討議)
・前回試作した教育課程をもとに、特別支援学校や医療機関など、関係機関等とどのように連携して指導に当たるかを検討する。
・A類学生は、対象とする児童生徒の実態把握と指導内容から支援方策を検討する。
・B類学生は、対象とする児童生徒の実態把握と指導内容から、その実施についての課題をまとめる。
第10回授業のユニバーサルデザイン化とその課題(討議)
・授業のユニバーサルデザイン化の実際と授業計画についてグループでディスカッションする。
・B類学生は、グループディスカッションを通して、ブレーンストーミングの重要性と調整役を体験する。
第11回小・中学校における校内体制の取組について①(講義・討議)
小・中学校における校内委員会や特別支援教育コーディネーターの活動について、実習校や原籍校の活動を紹介し、課題を明らかにする。
第12回小・中学校における校内体制の取組について②(演習)
・A類学生は、実態把握や討議から得た課題を整理し、レポートにまとめる。
・B類学生は、実態把握や討議から得た課題に対する、解決策を考察し、レポートにまとめる。
第13回※LMSで開講
発達障害児の学習を支援するICT等の機器の活用について(講義)
発達障害児の特性において、その学習上の困難性を支援する機器の活用について。
第14回幼児期における発達障害教育の現状や高等学校及び大学等の段階における発達障害教育の現状(講義)
幼児期や高等学校や大学等の発達障害の学生の現状と課題を理解する。
第15回まとめと振り返り(討議)
これまでに学んだことを元に、各自、発達障害教育の現状と課題についてまとめをする。