財政政策論Ⅰ
担当者髙井  正教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングECP-307

授業の概要(ねらい)

 市民革命後に誕生した市場社会には、市場経済と財政という2つの経済が存在する。このうちの財政は、中央政府や地方政府(都道府県・市町村)が民主主義に基づいて営む「公の経済」であり、租税を主たる収入源として、警察・消防・教育などの公共サービスの提供や、道路・公園・上下水道などの公共インフラの整備が行われている。現在の日本の財政規模(歳出総額)は対GDP比で約37%(アメリカは約35%、ドイツは約45%、フランスは約55%)を占めている状況にある。
 財政学は、このように現代の市場社会の中で重要な役割を担っている「財政」を対象とする学問であり、予算論・租税論・公債論・公共支出論・地方財政論・社会保障論・公企業論などで構成されている。
 この講座は、経済学の基礎を一通り学んだ3年次に配当されている選択科目であることから、財政学の「本編」として講義を行う(財政学の「入門編」の講義は2年次の選択必修科目として配当されている「財政学Ⅰ・Ⅱ」で行う)。
 講義形式は、毎回、テキストの内容を基に「スクリーンの筆記→解説及びその筆記」を繰り返す方式で行う。したがって、「ノート筆記」が不可欠な講義である。

授業の到達目標

・学生が、ノート筆記により、仕事で必要不可欠な「メモ取り能力」(筆記力)を修得する。
・学生が、市場経済と財政の関連・違いを説明できる。
・学生が、財政を文書化した「予算」のルールを説明できる。
・学生が、財政の原資である「租税」の仕組みを説明できる。

成績評価の方法および基準

・小テストの成績(20%)と期末試験の成績(80%)で評価する。
・小テストおよび期末試験は、「テキスト・ノートの持込み可」とする。
・小テストおよび期末試験は、「テキスト・ノートの内容」から出題する。
※出席率が2/3未満の学生は、仮に小テストおよび期末試験を受験したとしても「元々受験資格がない」ため、「不合格」となるので注意すること。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『財政学〔第3版〕』、2021年神野直彦有斐閣
参考文献

準備学修の内容

 毎回の授業で指定する「次回のテキスト範囲」を事前に読み、不明点・専門用語の意味等を必ず理解しておくこと。

その他履修上の注意事項

・ノート筆記が不可欠な授業であることから、欠席した授業の内容は自己責任で入手(友人のノートを借用)すること。
・財政学の全体像を理解する観点から、後期の講座である「財政政策論Ⅱ」との連続履修が望ましい。
・他人に迷惑をかける行為である「私語」は厳禁(ノート筆記に集中すること)。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス:財政とは
第2回財政と3つのサブシステム
第3回財政学の生成
第4回財政学の展開/現代財政学の諸潮流
第5回財政のコントロール・システムとしての予算
第6回予算のプリンシプル
第7回予算制度の構造と機能
第8回予算過程の論理と実態&小テスト
第9回租税原則&小テストの講評(フィードバック)
第10回租税の分類と体系
第11回人税の仕組みと実態
第12回生産物市場税の仕組みと実態
第13回要素市場税の仕組みと実態
第14回前期の総括(フィードバック)&期末試験の説明<オンライン授業>
第15回まとめと期末試験