小児保健Ⅰ
担当者小川 佳子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [スポーツ医療学科]
科目ナンバリングPED-301

授業の概要(ねらい)

 小児保健は、子どもの健康を守り、増進させるために行うすべての活動のことをさします。子どもは大人のミニチュアではなく、心身ともに未熟で未完成であるがゆえに疾病や事故の危険性が高く、常に周りの大人や社会の保護を必要とします。また、子どもは成育環境の影響を受けやすいという特徴もあります。したがって、周りの大人や社会には疾病や事故の危険から子どもを守り、心身の健やかな成長を促すような環境を整える責任があります。そこで、本授業では、子どもの心身の健やかな成長を支援するために必要な知識につけることを目指し、小児保健の意義、子どもの発育・発達、心身の健康状態の把握の仕方について講義形式で学びます。
 なお、本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員はリハビリテーション科専門医等の資格を有する医師であり、小児科を有する総合病院でリハビリテーション診療に従事しています。小児診療や小児リハビリテーション医療の経験をもとに現場での実例を交えた講義を展開していきます。

授業の到達目標

① 子どもを取り巻く環境の現状や小児保健とその意義について説明できる。
② 子どもの身体の発育・発達について説明できる。
③ 子どもの心身の健康状態の把握の仕方について説明できる。

成績評価の方法および基準

本授業は知識の習得を目標としているため、成績評価は全講義終了後に実施する期末試験(100%)で行います。
なお、授業にはすべて出席することが前提であり、出席不足の場合には不合格となります。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『新版 よくわかる子どもの保健』丸尾良浩/竹内義博編ミネルヴァ書房、2021年発行
参考文献『小児リハビリテーション医学 第2版』栗原まな著医歯薬出版
参考文献『小児リハビリテーション評価マニュアル』問川博之編診断と治療社

準備学修の内容

1回の授業あたり2時間程度の予習・復習が必要です。
【予習】各講義の終了時に次回の講義で学ぶ教科書の該当ページを提示しますので事前に目を通しておいてください。
【復習】各講義時にその講義の学修目標を提示しますので、教科書や講義資料、参考図書などを使って各目標項目についてまとめておいてください。

その他履修上の注意事項

① 講義には教科書を必ず持参してください。
② 講義時の紙媒体での資料配布はしません。講義資料はLMSに掲載しますので適宜利用してください。
③ 私語など授業の妨げとなるような行為、携帯電話やスマートフォンの使用、イヤフォンなどの着用は厳禁です。
④ わからないことは書籍で調べたり、積極的に質問したりして、わからないままにしておかないようにしてください。
⑤ 後期に開講される小児保健Ⅱも履修するようにしてください。
⑥ 社会状況により、講義形式や内容、成績評価方法などを変更する可能性があります。

授業内容

授業内容
第1回小児保健Ⅰの概要:小児保健とは何か、小児保健Ⅰで学ぶことについての全体像を知る。
第2回子どもの心身の健康と保健の意義①:健康の概念と健康指標、子どもの健康に関する現状と課題について学ぶ。
第3回子どもの心身の健康と保健の意義②:わが国の小児保健水準、母子保健、育児環境について学ぶ。
第4回子どもの心身の健康と保健の意義③:
子どもの虐待の現状と虐待防止の取り組み、子どものトラウマとその対応について学ぶ。
第5回子どもの身体発育①:胎児の発育、子どもの発育の原則、乳幼児の計測の仕方、身体発育の評価について学ぶ。
第6回子どもの身体発育②:体重、身長、頭囲の発育と異常、肥満とやせ、身体発育に影響する要因について学ぶ。
第7回子どもの運動機能の発達:子どもの運動機能の発達について学ぶ。
第8回子どもの生理機能の発達①:自律神経、体温、水分代謝と発熱について学ぶ。
第9回子どもの生理機能の発達②:循環、呼吸、消化吸収、排泄について学ぶ。
第10回子どもの生理機能の発達③:睡眠、感覚器官、免疫について学ぶ。
第11回子どもの精神機能の発達:言語、社会性、情緒の発達と精神機能の発達に影響する要因について学ぶ。
第12回心身の健康状態とその把握①:健康状態の観察ポイント、注意すべき身体所見について学ぶ。
第13回心身の健康状態とその把握②:子どもの心身の健康、心身症、生活習慣や行動上の問題について学ぶ。
第14回心身の健康状態とその把握③:精神機能の発達の評価、乳幼児健康診査、保護者との情報共有について学ぶ。
第15回小児保健Ⅰの総括:子どもの心身の健康と保健の意義、子どもの発育と発達について総括する。
なお、第15回の講義はLSMによるオンデマンド形式で行います。