担当者 | 大金 正知教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [総合基礎科目] | |
科目ナンバリング | ARS-101 |
東南アジア・東アジアの国々の歴史・政治・経済上の国のあり方に関連する主要なアジェンダについて、三十余年間実際に自分の身をもってアジアの国々の現場で国際協力・支援の実際の実務に携わってきた経験をもとに、専門である公共政策学の観点を踏まえて講義します。例えばミャンマーでは現在軍事政権が国民を弾圧しているのはなぜか。アフガニスタンでは何故深刻な人道危機が起こっているのか。こうしたアジェンダに対して人類はいまだ正解を持ち合わせていません。正解のない国や社会のあり方に関連するアジェンダ・テーマにつき、受講者自らが新鮮な頭脳と感性で自ら考えることにより国際感覚、すなわち世界から取り残されないものの見方や感性を養うにはどうすればよいかを考え身に付けるための授業にしたいと考えています。そのために、昨年度グループワークによる発表形態の授業を実施したところ、アジアの国々について深い理解が得られた・将来のためプレゼンを準備し人前で発表することにより、人に伝えることの重要性とスキルが本質的に身に着いたというたくさんのリアクションを戴きました。
そこで今年度はグループワーク方式を正式に採用し、その国について原則1~2回の講義を聴いていただいたあと、グループごとにその課題について調べてきていただき、2回目の授業でその課題についてグループにて報告・提出していただきます。この授業をきっかけに、いろいろな学部・学年・国籍・素地を持った人たちとのチームワークを形成することの重要性に気づき、自分の考えをまとめて人に聞いてもらう、人の話を聴くことの重要性を身をもって体験し、理解して欲しいと考えています。なお、グループワーク協議ではグループチャット機能も活用するなど感染対策に留意するよう指導します。なお、グループワーク担当国は初回の講義でご自分の希望の国を1カ国ご自分の意思で決めて登録していただくこととします。
東南アジアの国々の歴史・政治・経済について興味をもち、必要な知識をもって理解できるようにする。
自分の担当する国についてグループで、興味をもってその歴史・政治・経済について専門書・参考書を読み、調べて、力を合わせて独自の発表資料を作成し、多くの人の前で自分独自の考えを発表することができるようになる。
その結果、アジアの主要アジェンダについて認識・理解し、自分なりの考えを持ち、今後の大学生活や卒業後社会においても、自分の認識・理解を自ら表現できるようにする。
出席20点。グループワーク参加・発表10点。課題提出5回20点。期末試験(自筆のノートは持ち込み可)50点。成績評価に関しては、出席とグループワーク参加・発表を最重視し、5回の課題提出実績を評価します。また、総合成績評価をするために期末試験の受験を必須とします。期末試験には授業の感想を書いて頂く項目に10点を配点します。
したがって、授業に全部出席し(20点)、グループワークの発表を1回行い(10点)、5回の課題を提出し(20点)、期末試験を受けて授業の感想さえ書いて戴ければ60点に到達し、単位は差し上げる評価システムとします。なお、授業中やグループワーク発表討議の際、質問や意見・コメント表明など授業に貢献した場合2点の加算点を差し上げようと考えています。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 教科書は特に指定しません。講義資料PPは当方で用意し、授業前までにアップします。 | ||
参考文献 | 参考図書は、その都度紹介します。ただしグループワークの際は発表を作成するために、一定の専門書・参考文献を読んでいただくことになります。そのためにその一部をMELICに指定図書として用意しています。 |
初回の授業の後、担当する国をLMS上で登録して戴きます。その国ごとに1~2回講師が講義を行い、その上で一つの課題を出します。その課題についてグループディスカッションを行い、その成果を次回の授業で発表し、課題も提出していただきます。そのために、毎回の講義を良く聴き、内容を十分把握してその上で関心ある分野について専門書にあたり調べてみてください。その際分からない点、疑問に思った点は出来るだけ授業中に質問して下さい。講義を受けている全員の理解の手助けになり、授業への貢献になるからです。
世界史、日本史、地理について高校で学習をして頂いたほうが望ましいです。ただし学習していなくても、アジアの重要アジェンダを知りたい、国際感覚を身に付けたいという意欲のある学生の履修を歓迎します。
授業の初日に、下記7.で掲げた国のうち、グループワークで報告発表する担当国をご自分で登録して戴きますので、あらかじめ腹積もりを決めて初日の授業に参加下さい。留学生の方はご自分の国を担当して戴いて、現在の国の状況についてグループのチーム内で情報を共有し、グループ内でご自分の国の実情を分かっていただくよう努めていただければ幸いです。
グループワークの仕方についてはグループチャット機能(ラインなど)を利用して戴くことで、感染予防には配慮して進めて頂きます。
他の学年や学部、留学生の履修生とグループを組んで考えを話し合ったり、一緒に考えをまとめて資料を作成し、一緒に発表することはやったことがない方が殆どかと思います。ゼミや社会に出てからなど将来への自分の成長のため、チャレンジしたいという向上心の高い方初学者・1年生も歓迎します。ただ、どうしてもグループワークには参加したくない、その考えは受講期間中絶対変わらないという方はこの授業には向いていないかもしれませんので、よく考えて履修して下さい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション(授業の進め方の説明) 国際感覚を身に付けるとはどういうことか。その重要性とは何か。アジアとは何か。日本とアジアの関係性とは。日本は何故アジアの国々に援助するのか。各国のグループ構成員の自己紹介とあいさつ。グループワークの実施方法の紹介と、グループの構成員との今後のディスカッションの仕方、資料作成の仕方についてのガイダンス。 |
第2回 | ミャンマーの政治・経済史。アウンサンスーチーとは。ミャンマーにおける軍政と民政移管とは何なのか。JICAミャンマー事務所で半年前まで働いておられた荒井真希子さんに「ミャンマーでいまなぜ人道危機が生じているか。」と題して特別講義をして頂きます。 |
第3回 | グループワークの報告・発表(1) |
第4回 | フィリピンの政治・経済史。フィリピンの文化とくに食文化。どうしてフィリピンから貧困はなくならないのか。フィリピン人はなぜ人に優しいのか。フィリピンにJICA業務のために在住した現場からの報告。マルコス、ラモス、ドゥテルテとは。マルコス政権の今後はどうなるのか。 |
第5回 | グループワークの報告・発表(2) |
第6回 | 韓国と北朝鮮の政治・経済史。「韓流」とは何か。我々日本を写す鏡である韓国とはどういった国か。北朝鮮とは何故今の政治体制になったのか。世界で最も近く、最も遠い国北朝鮮の成り立ちの歴史から、今後の日本との関係を考える。 |
第7回 | グループワークの報告・発表(3) |
第8回 | カンボジア、ラオスの政治・経済史。クメールルージュ・ポルポトとは何だったのか。カンボジア、ラオスの食文化。 |
第9回 | グループワークの報告・発表(3) |
第10回 | インドネシアの政治・経済史。東南アジアにおける開発独裁とは何か。どうして独立できたのか。インドネシアの文化・音楽・食文化。インドネシアのろうけつ染めーバティックとは。東チモールの政治・経済史。東チモールは何故独立したかったのか。どうして独立できたのか。 |
第11回 | グループワークの報告・発表(4) |
第12回 | マレーシアの政治・経済史。途上国から中進国・先進国へどう脱却するか。マハティールとはどういった人物か。多民族国家とは何か。それをまとめる人種政策ー人種クォーター制ーブミプトラ政策とは何か。あなたの国が多民族国家だったらどうする? |
第13回 | シンガポール・ブルネイの政治・経済史。途上国から中進国・先進国へどう脱却(テイクオフ)するか。リー・クワンユーとはどういった人物か。マレーシア・シンガポールの文化・食文化。 |
第14回 | グループワークの報告・発表(5)。前期の総括。 |
第15回 | 前期のまとめ、期末テスト。 授業の予定・内容は、進行の度合いにより変更する可能性があります。 |