ソーシャルビジネス実習
担当者李  永淑教員紹介, 久米  隼
単位・開講先選択必修B  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSWS-202

授業の概要(ねらい)

 ソーシャルビジネスとは、ビジネスを手段としてさまざまな社会的課題の解決を試み、それらを通して新しい社会的価値を創出する取り組みです。
 本学のある立川、八王子、多摩地域では、ソーシャルビジネスを展開する多くの社会的企業が活躍しています。
 本授業では、本学近隣地域でソーシャルビジネスを展開している、社会的企業の皆様と連携してPBL型の授業を行うことにより、地域社会で活躍できる人材を育てることを目的としています。
 PBLとは、Problem-based learning(課題解決型学習)もしくはProject-based learning(プロジェクト型学習)と呼ばれ、企業や地域、教員、もしくは学生が設定した課題や目標に対して、受講生たちがチームで取り組む教育手法です。PBLには、明確な答えがないため、受講生たちが自律的・主体的に取り組むことが必要不可欠です。
 そして近年、コロナウイルス感染拡大の影響から、社会は否応が無く働き方を見直したり、修正することとなりました。
 例えば、時間や場所に囚われることのないテレワークへの対応は、今後も必ず求められることになるでしょう。
 このように、私たちは多様な働き方をしながら、職業人として自らの専門性を踏まえて自律的に動き、チームや多様なステークホルダーと協働して社会に貢献する付加価値を創造していくことが求められています。それは、帝京大学の教育理念である「自分流」の生き方を身に着けるための学びの機会が、社会的に一層求められているといえるでしょう。「自分流」とは、生き方の哲学そのもので、自分のなすべきこと、興味あることを見つけ出し、自分の生まれ持った個性を最大限生かすべく知識や技術を習得し、それを自分の力として行動し、その結果については自分自身が責任をもつことです。
 そこで本授業では、本学近隣で活躍する社会的企業の協力を得ながら、対面に加えてオンライン上でもコミュニケーションをとりながらプロジェクト(Zoomによるオンラインイベント)を企画実施することで、消費者ではなく提供する側としての基本的なプロセスを実習形式で学びます。そして、プロジェクトの成功をともに考え、そのために必要なアクションについて、命令や権限に関係なく自分自身で、そして仲間と一緒に動き出すといった、「権限なき自然発生的なリーダーシップ(日向野・松岡 2017)」の開発を目指します。

 後期は、前期に企画した内容をもとに、実施に向けて各企画チームが主体となって進めていきますが、プロジェクトの実施はクラス全員で行います。
 学びの集大成として、授業報告書の執筆と発行を行います。

授業の到達目標

・帝京大学の教育指針である「実学」「国際性」「開放」に基づく実習を通じて「自分流」の働き方を探究する。
・「ソーシャルビジネス」という概念を理論的・実践的側面から考え、理解し、行動につなげることができる。
・一連のカリキュラムを通して、「見る・聴く・体験する・議論する・調べる・企画する・提案する・交渉する・協働する・報告連絡相談する・発信する」ことを経験し、その力を具体的に身に付けながら、学びを深めることができる
・卒後、地域社会で発揮できるための、論理的思考や協調性、職業意識を育成し、それを学生自身が考える「就業力」につなげることができる。
・テレワークをはじめ、多様な働き方に対応することができる。
・地域社会の抱える問題と向き合い、その課題解決に向けた「自分流」のプロジェクトを企画立案することができる。

成績評価の方法および基準

・夏の実習状況(10%)、授業の参加状況・貢献度(70%)、報告書提出(20%)から総合的に評価します。
・出席は原則8割以上を前提とします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献「増補版」大学教育アントレプレナーシップ いかにリーダーシップ教育を導入したか日向野幹也・松岡洋祐ブックウェイ

準備学修の内容

授業時、授業外においても、担当教員や他の学生たちと積極的にコミュニケーションをとってください。

その他履修上の注意事項

・実践の中で学び、その学びを言語化して伝える楽しさと難しさを、存分に経験し、自分の糧としてください。そして、社会の中のいち「チェンジメーカー」として、自分だからこそできることを模索し、大いに奮闘してください。
・学内外の多様な方々と進めていくという授業の性質上、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」をしっかり行うことが求められます。したがって、卒業後の職業人にとって基本的な対応(返事をきちんと返す、人任せにしない、約束事は守る、困ったことは相談する、情報を共有する、等)ということを常に心がけてください。著しくできていない場合は、具体的な対応・対策を求めます。
 ※授業の予定及びスケジュールは状況によって変更となる場合があります。日程等も含めて、詳細は初回授業で説明します。
 ※本科目は、前期「ソーシャルビジネス実習基礎」履修者を対象としています。
 ※Zoom、Slack、Googleフォーム、PowerPoint、Wordを多用します。

授業内容

授業内容
第1回授業ガイダンス
第2回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第3回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第4回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第5回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第6回報告書の作成について①
※LMSオンデマンド
第7回リハーサル①
※Zoom
第8回プロジェクトの実施①
※Zoom
第9回リハーサル②
※Zoom
第10回プロジェクトの実施②
※Zoom
第11回リハーサル③

第12回プロジェクトの実施③
第13回報告書作成について②
第14回報告書作成について③
第15回まとめ