担当者 | 敷島 千鶴教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [心理学科 2018年度以降] | |
科目ナンバリング | SEM-402 |
人間の心は、その個人が持ち合わせる遺伝子の影響を受けるが、その時々の状況も反映する。また、その個人がどんな家庭に育ち、どの発達段階にあるのかにも依存する。さらにその個人がどのような社会を生きているのか、時代背景によっても変動し得る。つまり人間の心理は、個人の中でも、人々の間でも常に変化に晒されている。
逆説的だが、東日本大震災後、幸福感が低下した個人よりも、上昇した個人の方が多いことが質問紙調査より明らかにされている。その理由として、惨事が生きることの幸せや人と人との絆の有難さを改めて感じさせたことが指摘されている。そしていま、コロナ禍と新しい日常が、個人の心にどのような短期的、長期的影響を与えるのか、社会心理学は明らかにすべき大きな研究課題に直面している。
本科目では、こうした多様な人間の心を、質問紙を使って測定した心理調査データを分析することによって、心理の違いを生じさせる要因について検討を行う。そして、履修者ひとり一人が現代社会の中から問題を提起し、個人の心と社会との間に生じる相互作用を探究していくことを目指す。
そのために、「心理学研究演習Ⅰ~Ⅳ」を通じて、①公開された社会調査データの2次利用、及び、②オリジナル尺度開発と質問紙調査の実施という2つのアプローチに依拠した量的調査データの統計的分析を行う。2022年度は、春期に「心理学研究演習Ⅰ」「心理学研究演習Ⅲ」として①を、秋期に「心理学研究演習Ⅱ」「心理学研究演習Ⅳ」として②を行う予定である。①では共通のデータセットを借り出し、②では共同で質問紙の作成、データ収集を行うが、研究計画の立案、データ分析、研究成果のプレゼンテーション、レポートの執筆は個人で行う。
⓵ こころの働きを科学的に理解するための科学的思考力とデータ分析力を有する。
② 調査データから、社会の新たな一面を発見して、それを論理的にプレゼンテーションし、レポートにまとめることができる。
ディスカッションへの参加、プレゼンテーションのパフォーマンス、研究レポートの内容、調査への貢献の程度によって評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 |
量的データの解析を進めていくため、授業時間外にもパソコンを使った統計解析作業に積極的に取り組むことが求められる。また、自身の研究テーマに関連した先行研究の文献を探し、読んでおいて欲しい。
「心理学研究法Ⅱ(心理調査計画法)」及び「パーソナリティ心理学(感情・人格心理学)」の履修を望む。
現代日本社会に特有な課題に問題意識をもち、それを2年間かけて緻密に解明していくことのできる十分な意欲と高い持続力をもって臨んで欲しい。
LMSの本科目サイト内に、授業に関する情報を掲載する。履修者は毎週アクセスすること。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス 調査の立案 ―何を調べたいか意見交換しよう |
第2回 | 先行研究の紹介 ―既に明らかにされていることを調べよう |
第3回 | 質問項目の選定 ―質問紙に取り入れる尺度を検討しよう |
第4回 | 質問紙の作成 ―協力者が回答しやすい質問紙を構成しよう |
第5回 | 予備調査の実施 ―自分たちで質問紙に回答してみよう |
第6回 | 本調査の実施 データ入力 ―本調査で収集した回答を入力しよう |
第7回 | データクリーニング ―入力したデータを整理しよう |
第8回 | 研究計画の発表 ―自分が行う研究の目的を明確にしよう |
第9回 | データ分析 ―必要な統計的分析を施そう |
第10回 | 統計量の紹介 ―結果を図表で表現しよう |
第11回 | データ分析 ―結果をどう解釈できるか考えてみよう |
第12回 | 研究発表 ―スライドを使って研究成果をプレゼンテーションしよう(1) |
第13回 | 研究発表 ―スライドを使って研究成果をプレゼンテーションしよう(2) |
第14回 | 研究発表 ―スライドを使って研究成果をプレゼンテーションしよう(3) |
第15回 | <オンライン> 研究論文の完成 ―研究成果をレポートにまとめよう |