担当者 | 草山 太一教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [心理学科 2018年度以降] | |
科目ナンバリング | PSY-206 |
科学とは何か実験を行うことだと考える人もいるが、科学の本質は仮説の検証を通して新しい知識を得ることにある。刺激などを操作して行う実験は、仮説とその予測の正しさを実証する方法であるが、唯一の方法というわけではない。ある事象の中で対象の行動を観察することは、実験を行う以前の根本的な方法と考えることができる。この観察法では、実践的にテーマを決めて行動観察を行うことを通じて、観察法の基本を学ぶことを目的とする。
①「行動観察」を行う意義や方法について説明できる。
②実際に観察することを通じて、行動観察の手法を習得できる。
③研究倫理に配慮しながら、研究を計画し、データを収集できる。
授業に参加して行動観察を実施すること(25%)、小テストや課題の提出物(25%)、期末に行う行動観察のレポート(50%)によって評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 動物行動の観察入門-計画から解析まで | マリアン・S・ドーキンス | 白揚社 |
観察の実施や記録、データ分析などの作業について進め、まとめのレポートを作成する。
行動観察を行う道具として、動画撮影できるカメラ(スマートフォンの利用も可)や、動画を保存して解析するための記憶媒体(USBメモリなど)が必要となる。またデータ分析や行動解析のソフトを使用するために、可能であればノートPCの持参をお願いする場合がある。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション:授業内容や到達目標について説明する。 |
第2回 | 行動観察の有用性:観察する意義や方法について学ぶ。 |
第3回 | 観察の実施(1):テーマに基づいて行動観察を行う。 |
第4回 | 適切な問いかけ:何をどのように行動観察すべきか、仮説検証の意義について学ぶ。 |
第5回 | 観察の実施(2):テーマに基づいて行動観察を行う。 |
第6回 | 行動の因果関係(1):行動が生じるメカニズムについて学ぶ。 |
第7回 | 観察計画の原則:実施計画書の作成やデータの信頼性について学ぶ。 |
第8回 | 行動の因果関係(2):時空間の情報を行動解析する方法について学ぶ。 |
第9回 | 観察の実施(3):テーマに基づいて行動観察を行う。 |
第10回 | 観察の実施(4):テーマに基づいて行動観察を行う。*オンラインで行う。 |
第11回 | 行動解析(1):記録の尺度水準、サンプルサイズについて学ぶ。 |
第12回 | 行動解析(2):行動の生起頻度を基準にする場合と行動の強さを基準にする場合について学ぶ。 |
第13回 | 観察の実施(5):テーマに基づいて行動観察を行う。 |
第14回 | 行動解析(3):第13回で収集した観察データを解析し、図表を作成する。 |
第15回 | まとめ:全体の総括を行う。 |