総合経済Ⅱ
担当者岩崎 淳教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングECP-402

授業の概要(ねらい)

 本講義では、これまでに学んだミクロ経済学の知識や考え方を総合的に振り返りながら、コロナ禍での様々な経済主体の行動や選択の事例を学ぶ。具体的には、財の選択や需要・供給が変動する下での価格設定などミクロ経済学や行動経済学の基本的知識を復習しながら、コロナ禍での価格設定の変化や経済主体の行動変容の事例などを学ぶ。
 今回のコロナ禍は、それが各経済主体の行動に及ぼした影響などを勘案すると、ミクロ経済の観点からみても歴史的な重要性を持つイベントと考えることができる。この問題をミクロ経済学の観点から説明・議論できるように知識や考え方を整理しておくことは、経済学科の学生にとって非常に有意義なことと思われる。

授業の到達目標

①ミクロ経済学、行動経済学の基本的な知識を総合的に学び直し、改めて習得し、コロナ禍の影響をミクロ経済分析の観点から理解する。
②コロナ禍の下での経済主体の行動につき、ミクロ経済学の観点から、自らの理解を基にして他者と議論ができるようになる。

成績評価の方法および基準

・各講義(初回及び最終回を除く)の最後にLMSを用いて行われる小テスト(各4点満点):52%
・期末テスト:48%
・講義内で学生を指名して質問を行い、これに対応した学生には(解答の正誤を問いません)単位取得判断等に際し必要に応じて期末テストでの若干の点数としてカウントすることがあり得ます

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書講義は基本的に以下の教科書を参考に行いますが、各自が「入門ミクロ経済学」の講義で用いた教科書で問題ありません。
教科書『ろけっとぽっぽー&ホッホー博士と学ぶミクロ経済学入門』竹内建蔵(有斐閣、2021年)
教科書『ミクロ経済学入門の入門』 坂井豊喜(岩波新書、岩波書店、2017年)
教科書「行動経済学の使い方」大竹文雄(岩波新書、岩波書店、2019年)
参考文献ミクロ経済学には多くの参考書があり、以下その一例を示しますが、各自の問題意識、知識レベルなどによりいろいろ探してみて下さい。
参考文献『マンキュー 入門経済学 [第3版]』N・グレゴリー・マンキュー(東洋経済新報社、2019年)
参考文献『アセモグル/レイブソン/リスト 入門経済学』D・アセモグル他(東洋経済新報社、2020年)
参考文献『アセモグル/レイブソン/リスト ミクロ経済学』D・アセモグル他(東洋経済新報社、2020年)

準備学修の内容

【事前学修】
講義前日にLMSに掲載される講義用資料を打ち出して予習するほか、教科書ならびに参考書の該当箇所を予習し、不明個所を認識する。
【講義時】
打ち出した講義用資料に適宜書き込みを行い、理解を深める
【事後学修】
書き込みを行った講義用資料、教科書ならびに参考書の該当箇所を読み直し、理解を改めて確認した上で、不明個所が理解できたことを確認する。不明個所が残った場合には教員にメールを通じて、あるいは講義時に問い合わせる。
【必要時間】
当該期間に30時間以上の予復習が必要。

その他履修上の注意事項

・各講義(初回及び最終回を除く)の最後に行われる小テストは、講義中にLMSを用いて行います。小テスト受験はその後1週間(基本的に小テストを行った講義の次の講義の前日まで)可能とします。また、最初の受験でもし満点が取れなかった場合、改めて復習し、受験しなおすことが可能なように複数回回答可能とします(但し、システムトラブル等が発生すると複数回受験できなくなることがありますので注意して下さい)。
・なお、小テストの問題、解答選択肢の内容は講義内でしか公開しません(オンライン講義時を除く)ので、講義出席が前提となりますが、就職活動などでやむを得ず欠席の場合は、LMSで収録された講義を視聴した上で基本的に次回講義の前日までに小テストを受験することとなります
・小テストに備え、講義には学内ポータルサイトに接続可能なスマホ等の端末を準備しておいて下さい
・講義時には、講師が受講者確定後に作成する座席表に従って着席して下さい
・欠席の場合は、講師のメールアドレス(講義時に公開します)に事前にその旨と事由を連絡することが必要です
・難しい、あるいは理解できなかった内容、その他講師への連絡事項等については、講義内で公開される講師のメールアドレスに対してコメント、質問等を送付して下さい(LMSのメッセージ機能は利用しないで下さい)
・小テストの問題、解答については、基本的に小テストを行った講義の次の講義で説明します
・この科目と学位授与方針との関連をカリキュラムマップを参照し理解して下さい
・講義中の私語等,他の受講生の妨げとなる行為があった場合には,警告を行ったうえで退出指示や成績評価における大幅減点,もしくは不合格とする場合があります。

授業内容

授業内容
第1回講義オリエンテーション
― 講義の目指すもの、進め方、評価方法について説明
第2回ミクロ経済学の基本的な考え方
― コロナを材料に用いてミクロ経済学の基本的な考え方を学ぶ
第3回コロナと財の選択問題
― コロナ禍の下での財の選択例を通じて無差別曲線を学ぶ
第4回コロナの下での予算線と最適化
― コロナ下での財の選択を題材に、予算線と最適化を学ぶ
第5回コロナと財の需要問題
― コロナ禍の下での財の選択を題材に、財の違いによる需要問題を学ぶ
第6回コロナと財の供給問題
― コロナ禍の下での財の選択を題材に、限界費用など供給問題を学ぶ
第7回コロナと市場均衡問題
― コロナ禍の下での財の需給を題材に、市場価格がどのように決定されるか学ぶ
第8回コロナと外部性
― コロナ禍における正・負の外部性やネットワーク外部性の例と、その論点を学ぶ
第9回コロナと独占・寡占問題
― コロナ禍における様々な市場状況を題材に、独占・寡占問題について学ぶ
第10回コロナ禍におけるリスクと保険問題
― コロナ禍における様々な経済状況を題材にリスクと保険問題を学ぶ
第11回コロナと公共財問題(オンライン授業、LMSによるオンデマンド方式)
― コロナ禍の様々な財の選択を題材に公共財問題を学ぶ
第12回コロナと再分配(格差、貧困)問題
― コロナ禍の状況を題材に格差、貧困問題を学ぶ
第13回コロナと行動経済学
― コロナ禍における人々の行動を題材に行動経済学で指摘される人々のバイアス問題を学ぶ
第14回コロナと公的規制問題
― コロナ禍における状況を題材に、公的規制問題を学ぶ
第15回コロナとミクロ経済学
― 後期の学習内容の振り返り、主要論点の整理、習熟度確認