経済学特殊講義Ⅱ
担当者小林 成弘教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングECP-404

授業の概要(ねらい)

 経済学のテキストは一般に、数多の経済学の先人たちが数百年かけて築き上げてきた経済理論の完成された姿が様々紹介されています。 それら理論は長い年月をかけて洗練され、抽象化されてきたものですが、経済学の初めて学ぶ若い学生たちがこうした理論をいきなり教わっても、現実社会を理解するためのツールとしてのどう役立つのかをなかなか実感が持てず、どこか余所余所しい学問に感じて戸惑うことも少なくないように思います。 しかし経済理論は、時代時代の抱える様々な経済問題をその時代に生きた知の巨人たちが「何故そのような問題が生じるのか?」「問題の発生メカニズムはどうなっているのか?」「どのようにすれば解決できるのか?」といった単純な問題意識を出発点として発展してきたはずです。 そうであるなら、先ずは人類の歴史の中で時代時代にどのような経済問題が発生したのかを学び、その中でどのような形で経済メカニズムの解明が試みられ、経済理論が構築されてきたのか・・・という手順で経済理論を捉え直していけば、経済学はより現実の人間社会に即した身近な学問であるという実感が持てるのではないでしょうか?
 そこで本講座では先ず経済史を概観することからスタートし、その歴史の中でどのような経済理論が生まれたかを講義していくことで受講生がこれまで大学の授業で学んできた経済学の基礎知識の再確認・復習を行い、さらに時間が許す限り最近の経済理論の紹介も行っていきたいと思います。 なお、公務員志望の学生もいると思いますので、公務員試験の過去問を使った演習も随時取り入れていきます。 前期は「ミクロ経済学」を、また後期は「マクロ経済学」を中心に講義を進めていく予定です。

授業の到達目標

 「経済史」と「経済学史」と「経済理論の復習と演習」を交えながら講義を進めることによって学生が経済学をより身近に感じられるようになり、学部で当然求められる経済知識の再確認と涵養を図ります。

成績評価の方法および基準

 期末に行うペーパーテストの成績を基礎点(評価配分=約70%)とし、これに普段の授業への取り組み姿勢(義務的課題の提出や任意レポートの提出など:評価配分=約30%)を加算して総合評価します。 ただし、この成績評価は15回の授業すべてに出席することを前提としたものですので、授業を休んだ場合は(やむを得ない事情による場合を除き)欠席回数に応じて総合点から減点します(最大30%減点)。
 なお、以下のような迷惑行為や不正行為があった場合は、大幅な減点となります。(最大100%減点)
①授業中の私語や、他の学生に迷惑や悪影響を及ぼすあらゆる「迷惑行為」
②出席の偽装、テストにおけるカンニング、レポート等におけるネット情報等のコピー&ペーストなどあらゆる「不正行為」

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『若い読者のための経済学史』ナイアル・キシテイニー(すばる舎)
教科書『コア・テキスト 経済学史』井上義朗(新世社)
参考文献『公務員試験 新スーパー過去問ゼミ(マクロ経済学)』(実務教育出版)
参考文献『公務員試験 最初でつまずかない経済学(マクロ編)』村尾英俊(実務教育出版)
参考文献『経済学の先駆者たち』日本経済新聞社編(日本経済新聞社)

準備学修の内容

 授業は講義の都度配布(またはLMSに掲示)するパワーポイント資料に沿って進めます。
 資料は情報量が大変多いので、授業に出席せずテスト直前に配布資料だけ読んで勉強しても解答することは到底不可能です。 必ず毎回に出席し、何が問題なのか、何が重要ポイントなのか、理論の前提条件は何かといった点を丁寧に確認しながら経済理論がどのように展開されているのかを、毎回欠かさず復習するようにしてください。
 なお、講義内容の理解を深め知識の定着を図るため、時折、授業の中で公務員試験に出る経済問題などを出して解説していく予定です。 これらの問題に欠かさず取り組んでおけば、期末テストで特に苦労することはなくなるでしょう。

その他履修上の注意事項

 経済学の様々な理論が、どのような社会状況下で生まれたのか、その理論はどのような前提条件で構築されているのか、その理論を巡ってどのような経済論争が巻き起こったのか、といった点を特に意識して聴講するようにしてください。
 なお、今学期は全15回の授業のうち対面授業が14回、LMS授業が1回となっていまが、LMS授業の実施日については後日、授業の中でお知らせします。 また、今期の講義予定を不足なく実施するため、15回の授業とは別に、補講の形でLMS授業を行うことがありますのでご承知おきください。

授業内容

授業内容
第1回 【LMS授業】 所得・価格変化と最適消費
第2回 生産者理論(完全競争)
第3回 生産者理論(不完全競争)
第4回 社会的厚生
第5回 経済発展論
第6回 社会主義思想
第7回 ケインズ経済学の登場
第8回 GDPと三面等価
第9回 ケインズ乗数理論
第10回 IS-LM分析
第11回 財政政策と金融政策
第12回 フィリップス曲線
第13回 ゲーム理論
第14回 情報経済学
第15回 後期のまとめ