総合国際経済Ⅰ
担当者中西 俊裕教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングECP-401

授業の概要(ねらい)

世界経済は国際政治の動向に大きく影響を受ける時代に入っています。それは米中の対立、ロシアと欧米間の緊張、中東の政情不安などの問題を見ると明らかです。当授業では地域、国ごとに経済が政治的な関係変化によって受ける影響を、新しい実例を扱いながら、それを過去の事例と比較することで国際情勢がどういう方向へ向かうかを考えます。これまで習得してきた経済に関する知識、経済学の考え方を、題材を通じて確認し、かつ柔軟な思考をやしなうのが狙いです。

授業の到達目標

国際経済と日本とのかかわりについて、多面的に理解する能力を培います。通商、金融、資源などの問題で対立の解消やプロジェクト実施をめぐり、各国政府間の交渉や意思表明がどう進められるのか、同盟関係や政治的な連携の変化がどう進むのか、それらが経済に与える影響は何かについて理解を深め、発表を通じ根本の部分をわかりやすく他者に説明できるようになることを目標とする。各国経済の課題について理解したうえで、学んだ要素を組み合わせ、国際経済について自分なりの見通しを立ててわかりやすく説明できるようになることを目指します。

成績評価の方法および基準

中間レポート40%、期末試験60%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書プリントを作成して配布します。適宜参考になる記事や資料も配布します。
参考文献地経学とは何か(文春新書)船橋洋一文芸春秋

準備学修の内容

新聞やインターネットや参考文献で関係テーマに関するニュースや基本事項を点検する。参考文献

その他履修上の注意事項

出席60%以上で期末試験を受ける資格ができます。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション
第2回米国①バイデン新政権が直面する経済問題(インフレ高進と金利引き上げ、経済格差、地球温暖化対策投資、先端技術テコ入れを含む産業政策など)
第3回米国②外交課題・社会問題(対中政策、対ロシア、対中東外交、国内人種間分断など)
第4回中国①中国経済の現状(経済成長の維持と債務問題、企業への規制強化など)
第5回中国②外交課題・社会問題(対米摩擦、対欧接近、対ASEAN領海問題、香港情勢など)
第6回中東①経済問題(産油国経済と原油市場、域内格差、紛争と経済開発など)
第7回中東②外交・社会問題(サウジアラビアとイランの宗派対立、域内国交正常化、アラブ諸国の民主化など)
第8回欧州①経済問題(各国の低成長、インフレと金融政策、域内経済格差問題)
この前後にレポート提出
第9回欧州②外交・社会問題(英国の欧州離脱、雇用と極右台頭、難民問題など)
第10回東南アジア①経済問題(各国の成長余力、米中対立の影響、域内新興企業の成長度と展望など)
第11回東南アジア②外交・社会問題(ASEANの外交力、対中国での資金依存と警戒感など)
第12回多国間関係を考察する①欧米と中東(歴史的な支配、被支配から対立、協調までを事例紹介、中東経済開発低迷の背景を考える)
第13回多国間関係を考察する②米国と中国、ロシア(ロシアと欧米の間の軍事緊張と中国の利害、中ロの経済協力と欧米への影響、大国関係の歴史など)
第14回まとめと質疑応答
第15回まとめと期末試験