入門マクロ経済学Ⅰ
担当者田中 賢治教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングECT-103

授業の概要(ねらい)

 「入門マクロ経済学」では,マクロ経済学を初めて学ぶ学生を対象に,初級レベルのマクロ経済学を解説します.マクロ経済学は,国全体の経済の動きや仕組みを理解し,分析するための学問です.したがって,現実の経済現象を理解し,経済問題を解決するための政策判断に不可欠な学問と言えます.日々,経済に関するニュースが新聞紙上をにぎわしています.マクロ経済学を修得することによって,これらの情報を自分なりに考え,理解できるようになることは,社会人になってから大いに役立ちます.
 対象者はマクロ経済学を初めて学ぶ学生ですので,前期の「マクロ経済学Ⅰ」では,まず経済学を用いて身近な例について考えることで経済学の基本的な考え方に慣れていきます.そのうえで,マクロ経済学の大まかな枠組みを学び,勘所をつかみます.後期の「入門マクロ経済学Ⅱ」では,前期に修得した基本的な考え方や枠組みをさらに詳しく学ぶことで,マクロ経済学を体系的に理解するとともに,マクロ経済学を使って現実経済を分析する力を養います.

授業の到達目標

(1)マクロ経済学の基礎的理論を理解し,説明することができる.
(2)家計,企業,政府,外国の4つの経済主体の役割を理解し,その働きについて経済学を用いて説明することができる.
(3)修得した基礎的理論を用いて,財政・金融政策の役割や金融市場の機能などを説明することができる.

成績評価の方法および基準

期末試験50%,中間試験30%,確認テスト(LMSで実施)20%で評価します.

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『やさしいマクロ経済学』塩路悦朗日本経済新聞出版社(日経文庫),2019年
参考文献『高校生のための経済学入門(第2版)』小塩隆士ちくま新書,2016年
参考文献『マクロ経済学の基礎(第2版)』家森信善中央経済社,2021年

準備学修の内容

(1)講義は基本的に教科書に対応した形で進めます.授業前日には講義資料をLMSに掲載しますので,事前に教科書と講義資料に目を通し,問題意識を持って授業に臨むこと.
(2)授業終了後にLMSで確認テストを実施します.授業で学んだことを復習し,確認テストを通じて苦手分野を克服すること.
(3)教科書を何度も読み返すことで理解が深まります.教科書を繰り返し読むことで理解度を高めること.

その他履修上の注意事項

(1)入門マクロ経済学をしっかりと修得するためには,「入門マクロ経済学Ⅰ」とあわせて「入門マクロ経済学Ⅱ」の履修が必要です.連続履修を基本とします.
(2)マクロ経済学は現実経済を分析するためのツールです.毎日,新聞の経済記事に目を通し,現実経済への感度を磨くこと.
(3)出席はカードリーダーのシステムで確認します.出席日数が少ないと期末試験の受験資格がなくなるので毎回出席すること.なお,講義中の私語などの迷惑行為は厳禁です.

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
授業案内.マクロ経済学とは何かについて学びます
第2回GDPとは(1)
GDPの基本的な考え方について学びます
第3回GDPとは(2)(オンライン授業)
三面等価について学びます
第4回需要・供給と市場の役割
市場の持つ力とその魅力について学びます
第5回GDPの決まり方
45度線分析について学びます
第6回景気と財政政策
45度線分析を用いて財政政策の効果について学びます
第7回景気と民間需要の変動
景気変動をもたらす民間需要について学びます
第8回ここまでの授業の総括と中間試験
第9回利子率
利子率と投資需要の関係,名目利子率と実質利子率について学びます
第10回景気と金融政策
貨幣の需要と供給,金融政策の手法について学びます
第11回為替レートと景気
円高と円安の影響,購買力平価について学びます
第12回為替レートの決まり方
金利平価について学びます
第13回インフレ率の決まり方
インフレ率がどのように決まるのかについて学びます
第14回経済はどこへ向かうのか
持続可能で安定した経済について考えます
第15回授業の総括と期末試験