英語学演習Ⅳ
担当者塩谷 英一郎教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [外国語学科 英語コース(2017年度以降)]
科目ナンバリングSEM-408

授業の概要(ねらい)

英語学は、英語を体系的に理解する上で大いに役に立つものです。英語の形、意味、歴史、日英対照、会話やテキストの
構造分析などを通して、英語の仕組み、日本語との異同を理解して、英語の理解を深めていくものです。
この授業では、英語を理解する上で、中上級の英語にたっぷり接するとともに、ことばの仕組みに関する理論も学び、英
語・日本語と両者の関係について、コツや本質を把握しながら、発表やディスカッションを通じて、理解を深めていきます。

1. ことばの意味の認知システム的理解を深める (意味論、認知言語学)
2. 文法の背後にある使用者の認識を理解する
3. 慣用句のシステムを理解する
4. ことばの使い方についての考察力を深める (語用論)
5. 英語と日本語の違いに関する知見を深める

授業の到達目標

授業で扱う内容をきちんと理解することを基盤として、その上に、英語および日本語との比較についての知識を時間の許す
限り広げて、英語運用に活用することが到達目標です。
「語彙や文法の認知的システム」「慣用句の分析」「ことばの語用論的理解」「英語と日本語の違い」といった言語学的知
見を理解し、説明できることを目標とします。

成績評価の方法および基準

授業参加が成績評価の基本です。毎回、様々な課題をこなしたり、個人発表やレポートでは、参考文献・情報源を明記し、
「調べて」「考察する」、その両方がどれくらいきちんと出来ているかが評価になります。授業参加60%、期末レポート40%。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書はじめて学ぶ認知言語学:ことばの世界をイメージする14章児玉一宏  谷口一美  深田智 編著ミネルヴァ書房
教科書発話の解釈はなぜ多様なのか: ─コミュニケーション能力の働きを考える─中島 信夫 (編集)朝倉書店

参考文献はじめての語用論: 基礎から応用まで加藤重広、澤田 淳〔編〕 研究社
参考文献認知言語学とは何か高橋 英光 (編集), 野村 益寛 (編集), 森 雄一 (編集)くろしお出版
参考文献「視点」の違いから見る 日英語の表現と文化の比較尾野 治彦 開拓社
参考文献英語ジョーク快読のススメ―ジョークがわかれば、言葉も文化もわかる中野 清治 開拓社
参考文献ことわざから探る 英米人の知恵と考え方安藤邦男開拓社
参考文献社会言語学 (朝倉日英対照言語学シリーズ―発展編)井上 逸兵 (編集)朝倉書店

準備学修の内容

英語のより深い理解、語彙や文法の理解、様々な英語情報の整理、各自の理解の整理。
毎回、自分の関心のあることを調べる。授業時は学生同士で意見交換をする。授業後にまとめる。

その他履修上の注意事項

毎回出席し、前の回に指定した事項をきちんと準備してくること。

授業内容

授業内容
第1回後期のガイダンス
第2回意味の世界・解説
自由研究(1)語彙のネットワーク、など
第3回意味の世界・分析と発表
自由研究(2)語が連想する意味、など
第4回談話と文脈の世界・解説
自由研究(3)語の意味の文脈依存性、など
第5回談話と文脈の世界・分析と発表
自由研究(4)複数の意味解釈、など
第6回コミュニケーションの世界・解説
自由研究(5)語が引き起こす感情、など
第7回コミュニケーションの世界・分析と発表
自由研究(6)語彙や表現の politeness、など
第8回認知言語学と語用論・解説
自由研究(7)典型と非典型、など
第9回認知言語学と語用論・分析と発表
自由研究(8)foregroundとbackground、など
第10回文法研究と語用論・解説
自由研究(9)文法の再分析、など
第11回文法研究と語用論・分析と発表  自由研究(10)否定と否認、など
第12回対照語用論と文化と社会・解説
自由研究(11)joke, irony、など
第13回対照語用論と文化と社会・分析と発表
自由研究(12)社会の違いとことばの違い、など
第14回英語教育への活用  自由研究(13)英語教育の問い直し、など
第15回総括  自由研究(14)期末レポート準備の中間報告、など