質問力を磨く(思考を広げるⅡ)
担当者松本 美奈, 霜鳥 駿太教員紹介
単位・開講先選択  4単位 [総合基礎科目]
科目ナンバリングFYE-107

授業の概要(ねらい)

 ゼロからビジネスを起こす起業だけでなく、企業内での起業も増えています。閉塞感が日本を覆う中、政府も企業も後押ししようとしているのです。社会が変革を求めているといってもいいでしょう。
 ビジネスを起こし、発展させるには、問い、考え続ける質問力と、仲間が必要です。質問力を磨き、チームワークを重ねながら、あなたの手で変革を始めてみませんか。
 講座責任者(松本美奈)は元読売新聞記者です。この授業では読売新聞を教材にします。インターネットではなく、紙の新聞を購読してください。教室での学びとフィールドワークを通して、どこでも生きていけるよう、トレーニングしましょう。
 授業は、アウトプットを重視します。論文を書く・批判的に読む・発表する・議論する——を繰り返します。「自分にしか書けないことを、誰にでもわかりやすく」表現できるようになるため、日常課題にも取り組みます。
 質問力を鍛えるため、日常・中間・最終課題の3種類に取り組みます。質問力を構成する観察・比較・分析・分類・語彙・表現力を鍛える内容です。詳しくは初回授業で説明します。履修希望者は必ず初回に参加してください。初回欠席者は、履修をお断りします。
 社会人として不可欠な時間管理、責任も学びます。このため、無断遅刻・欠席はやめてください。必ず事前に連絡することを徹底しましょう。
*全4単位の授業です。水曜3限+火、水、木、金曜日の2コマを履修してください。
*10月、11月の土曜日にプロと語る会「The Professionals」を開きます。その道のプロに、何を考え、どう働いているのかを尋ねます。

 講師 
水3 松本美奈(講座責任者)
水2  松本美奈
火、水、木、金 霜鳥駿太   

授業の到達目標

(1)新聞を毎日読む(社会性)。
(2)自分以外の誰かの立場で問う(俯瞰する、視点転換)。
(3)自分にしか書けないことを、誰にでもわかるように表現する(独創性、論旨明快、適切な言葉遣い、推敲、読ませるタイトル)。

成績評価の方法および基準

(1)日常課題(社説の視写、言葉でスケッチ) 60%
  最低基準:毎週各2回(計4回)×15週 基準を超えた履修者のみ評価対象とします。
  2穴リングのファイルにとじて、提出してください。
  これ以外での提出は受け付けません。
(2)中間課題(論文) 10%
  「5年間の事業計画」
  「大学卒業時に起業することを考えている学生」になりきって、起業後5年間の事業計画を表にまとめ、それを踏まえ、1500字程度で書きます。投資家に出資してもらえる魅力的な計画を練りましょう。
  *A4サイズの原稿用紙を使用。手書き、縦書き。手書きでない論文は受け付けません。
  *計画表はExcel、Numbersでも結構です。
  *参考文献一覧は字数外。
(3)最終課題は個人での論文執筆とチームでのポスター制作の2種類です。
 論文 「我が社の採用・育成」 起業家になりきり、どんな人をどのように採用するか、その人をどう育てていくかを3,000字以内で論じなさい。国内外の採用・育成の現状や課題も踏まえ、参考文献を読んだうえでの執筆を求めます。30%
 *A4サイズの原稿用紙を使用。手書き、縦書き。手書きでない論文は受け付けません。
 *参考文献一覧は字数外

 チーム課題 上智大学の学生とチームを組み、「起業家連合から大学への提言」を模造紙大のポスターに仕上げ、発表してください。企業経営者らを招いた発表会を、アカデミックラウンジで開きます。
 *締め切り:(2)…10月19日(水)
       (3)…12月14日(水)
       (1)…12月21日(水)
 いずれも、授業時(3限)を提出締め切りとします。  

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書読売新聞の朝夕刊
読売新聞社
教科書
参考文献

準備学修の内容

(1)読売新聞の朝夕刊を毎日読んでください。
  …授業日だけ新聞を読んでも、理解は困難です。社会は日々刻々と動いているからです。
(2)社説を書き写してください(社説の視写)。
  …論調への迎合は求めていません。社説を書き写し、論の立て方を学びましょう。
(3)気になった新聞写真を観察して、言葉で表現してください(言葉でスケッチ)。
(4)授業時間外にチームで調べ学習をし、発表資料を作ります。

その他履修上の注意事項

・企業関係者との議論、懇談会、インタビューを設けています。
・日常課題は最終的に2穴リングのファイルにまとめて提出します。返却された課題(社説の視写、言葉でスケッチ、リフレクションシート)は必ずファイリングしてください。

授業内容

授業内容
第1回新聞で遊ぼう
・当日の読売新聞朝刊、ハサミ、のり、色鉛筆やクレヨン、ペンを持参してください。
*まわしよみ新聞で、新聞の構成を知る。

    ・=インプット 
    *=アウトプット 以下同じ
第2回なぜ質問力か、なぜ新聞か(9月21日)
・なぜ質問力が必要なのか
・なぜ新聞なのか
・なぜ紙なのか
   おまけ:新聞を速く読む方法
*なぜ手書きなのか 社説と「言葉でスケッチ」を書く。
第3回言葉でスケッチする
*お互いをスケッチする。
*ピアレビュー
第4回手で書くと何がつかめるか(9月28日)
・前期のポスターを教材に、学生と企業人が語り合う
*質疑応答 
第5回動きを言葉でスケッチする①
・新聞でQ
  おさらい:新聞を速く読む
第6回論文を書くための準備体操(10月5日)
*ピアレビュー
 社説の視写、言葉でスケッチを披露しよう
・論文ってどうやって書くの?
第7回質問をつくる① 
*新聞でQ
第8回起業のアイデアを披露する(10月12日)
*ピアレビュー
・起業のアイデアの「要旨」をA4サイズの紙1枚にまとめ、お互いに説明し、質問しあう。
第9回質問をつくる②
・新聞の読み方を確認しよう
*新聞でQ
第10回中間ピアレビュー(10月19日)
*お互いのポートフォリオを披露する。
 論文は提出し、文集にします。文集作成のスタッフになりませんか。
第11回質問を分類する①
・開いた質問と閉じた質問とは何か
*それぞれの長所と短所を考えよう
*新聞でQ
第12回中間論文ピアレビュー(10月26日)
*社説、スケッチのピアレビュー
・お互いの論文を評価し、添削する。
第13回質問を転換する② 
*リエゾンタイム
・転換することで何が起こるか。
*新聞でQ
第14回言葉のスケッチで、自分の何が見えてきたか(11月2日)
*ピアレビュー
・動きを言葉でスケッチする。
・模造紙とマスキングテープをお持ちください。
第15回発表する、質問する
*リエゾンタイム
*新聞でQ
第16回もう一度、動きを言葉でスケッチする(11月9日)
*ピアレビュー(社説、言葉のスケッチ)
第17回ひとりでQ
*ひとりでQ
  折り返し地点。これまでの力を確認してみよう。
*ひとりでQのピアレビュー
第18回起業に向け、企業人と語る(11月16日)
  @アカデミックラウンジ 13:00 〜 17:00
第19回質問を使う①
・最終論文に向けた採用・育成案のピアレビュー①
第20回質問を使う② (11月30日)
*ピアレビュー(社説の視写、言葉でスケッチ)
*新聞でQ
第21回自分で修正する
*最終論文に向けた採用・育成案のピアレビュー②
 前回のピアレビューを受け、自分で自分のアイデアを修正する。
第22回質問を使う③(12月7日)
*ピアレビュー(社説の視写、言葉でスケッチ)
*リエゾンタイム
・内容を知りたいタイトルか。
*新聞でQ
第23回立ち止まって考える
・誰の視点で、何を考えるべきか。判断軸を確定する。
*新聞でQ
第24回最終論文の提出(12月14日)
*リエゾンタイム
*ポートフォリオのピアレビュー
・最終論文提出
第25回質問を使う④ マラソンQ(12月17日、土曜日)10時〜16時
・図書館で資料を探す 
・多くを問う者は多くを得る
・終了後、チームでポスターを描く。
第26回論理的に思考する
*新聞でQ
第27回起業家連合で考える(12月21日)
*最終論文のピアレビューとポートフォリオの提出
・「起業家連合」から何を提案するか。
第28回ポスターセッション (1月7日、土曜日)10時〜13時、アカデミックラウンジ
・チームで制作したポスターの写真は、1月4日正午までにPDFにして送信してください。
第29回質問を使うために
*秘訣をリストアップする
 「自分にしか書けないことを、誰にでもわかるように質問する」には何が必要か。
第30回成長を言語化する (1月11日)
*ひとりでQ
*ピアレビュー