担当者 | 佐藤 真治教員紹介 | |
---|---|---|
単位・開講先 | 選択 2単位 [スポーツ医療学科] | |
科目ナンバリング | EPM-201 |
予防医学とは、疾病(病気)の原因を取り除き、発病を未然に防ぐことを目的とした学問です。また、広い意味では、発病した後の疾病の悪化や再発を防ぐことも予防医学に含まれます。わが国では、生活習慣の変化や人口の高齢化、過剰なストレスなどを背景として、生活習慣病患者や要介護高齢者の増加、心の病や薬物依存など、さまざまな健康問題を抱えています。このような現代社会のなかですこやかに生きていくためには、わたしたちは自分自身の健康を自分で守る必要があります。そこで、本授業では、セルフケア(自己健康管理)を実践したり、あるいは指導したりするために必要な予防医学の基礎知識を学びます。なお、この授業では皆さんに主体的に考えてもらうために、リアルタイム投票集計システムを導入し、双方向性の授業をおこないます。
① 健康と健康増進の概念、予防医学の重要性について説明できる、 ② わが国の抱える健康問題とその予防法、健康づくり施策について説明できることを目標とします。
定期試験50%、授業内での小テストおよびレポート課題50%。出席不足(2/3に満たない)・試験未受験の場合は不合格(評価対象外)となります。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | 教科書(購入が必須のもの)は指定しません。 | ||
参考文献 | 健康格差 | マイケルマーモット | 日本評論社 |
参考文献 | いのちはのちのいのちへ | 稲葉俊郎 | アノニマ・スタジオ |
1回の授業あたり2時間程度の予習・復習が必要です。授業前には、インターネット(LMS)上にアップロードされた講義資料に目を通しておいてください。また、授業後には、講義資料や参考図書などを使って十分に復習をしてください。
①講義時の紙媒体での資料配布はしませんので、LMS上の講義資料を印刷して持参することをおすすめします。 ②私語など授業の妨げとなるような行為、携帯電話やスマートフォンの使用、イヤフォンやヘッドフォンの着用は厳禁です。 ③わからないことは書籍で調べたり、積極的に質問したりして、わからないままにしておかないようにしてください。
回 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | 【第1回】 予防医学の基礎 予防医学は健康から疾病に至るあらゆる段階の人々に重要である。予防医学は、個人に対しても集団に対してもおこなわれるが、いずれの場合も、いわゆる「正常」な大多数がその社会における偏った少数に対して責任があるということを受け入れる必要がある。 |
第2回 | 【第2回】 予防医学の戦略 ハイリスクストラテジーは、疾病の危険が迫っている人をターゲットとした救済策である。一方、ポピュレーションストラテジーは、人々の行動を後押しする社会環境を全体的に変えていくことを目指す。 |
第3回 | 【第3回】 疾病の予防(1)高血圧 本態性高血圧は複数の原因が複合的に組み合わさって発症することが多く、降圧を期待しながら運動療法をおこなっても限界がある。また、運動療法をおこなう際は、強度の高い運動を避け、息こらえをしないように注意しなければならない。 |
第4回 | 【第4回】 疾病の予防(2)糖尿病 ここでは、糖尿病患者の多彩な病態に合わせた「長生きできる」タイプ別運動プログラムの作成方法について学ぶ。 |
第5回 | 【第5回】 疾病の予防(3)心臓病 虚血性心疾患は、救急治療の進歩によって病院で亡くなることは減っているが、再発する人が増え続ければいずれ医療崩壊の危険がある。 心臓リハビリは救急治療の短所を補い、虚血性心疾患の再発を予防する。 |
第6回 | 【第6回】 疾病の予防(4)腎臓病 慢性腎臓病の患者は、運動制限が一般的であった。しかし最近の研究から、適切な運動は腎血流を改善し活性酸素の発生を抑え、腎臓の負担を軽くすることがわかってきた。 |
第7回 | 【第7回】 疾病の予防(5)がん がんと言ってもその病態・病状は多彩である。がんサバイバーの運動には利益もあるが、不利益もある。大切なことは、しっかりと相手の話を聴いて個別にプランを立てることである。 |
第8回 | 【第8回】 生活習慣と健康(1)ストレス 心の模様はからだに影響します。一方で、適度な運動や呼吸法、そして親しい人とのつながりは脳内ホルモンのバランスを整え、安らかな心をつくり出します。 |
第9回 | 【第9回】 生活習慣と健康(2)うつと不安 運動はうつや不安の症状全般に効く。一方で、薬物療法や心理療法との相性も良い。人とのかかわりを促し、戸外など感覚を刺激する環境で、楽しく運動ができれば理想的である。 |
第10回 | 【第10回】生活習慣と健康(3)睡眠 睡眠」は脳の機能を支えるための必須な機能である。 「眠らなくてはならない」のは脳の弱点であるが、「いつか必ず眠る」。 |
第11回 | 【第11回】生活習慣と健康(4)喫煙 今、タバコを吸っている人は、すぐに止めてください。また、ご家族や友人がタバコを吸っていたら、禁煙を勧めてください。禁煙を支える世の中の仕組みは少しづつ整ってきています。私たちは、非喫煙教育を進めるとともに、禁煙挑戦者を応援します。 |
第12回 | 【第12回】 高齢者の健康 ここでは、高齢者の健康問題のうち特に認知症を取り上げ、運動によって予防する方法を提案する。 |
第13回 | 【第13回】 健康格差 健康の社会的決定要因と健康格差について学び、その解決策について考える。 |
第14回 | 【第14回】 まとめ 予防医学の必要性と重要性、健康管理とセルフケアについての知識を整理する。 |
第15回 | 【第15回】定期試験 |