ヨーロッパ地域比較史研究
担当者能勢 和宏教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [文学研究科 日本史・文化財学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

この授業ではヨーロッパにおける最新の歴史学の捉え方について学ぶため、今フランスで最も注目されている歴史家イヴァン・ジャンブロンカによる『歴史家と少女殺人事件』を講読します。論文を執筆するうえで、どのように歴史を叙述すべきかという問題は、専門を問わず必ず直面する(せねばならない?)問いです。ジャンブロンカが示す新たな歴史学の<語り>を知ることで、本授業は受講者自身の専門に囚われない、歴史学一般の素養の底上げを目指します。

授業の到達目標

・ヨーロッパにおける歴史学論の現在地を知る
・修士論文執筆に必要な歴史学方法論の知識を得る

成績評価の方法および基準

授業への参加姿勢(発言・議論への参加):100%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書歴史家と少女殺人事件―レティシアの物語―イヴァン・ジャンブロンカ(真野倫平訳)名古屋大学出版会
参考文献歴史は現代文学である―社会科学のためのマニフェストイヴァン・ジャンブロンカ(真野倫平訳)名古屋大学出版会

準備学修の内容

授業内で取り上げる箇所を事前に一読し、不明点や自身の意見についてまとめたうえで、授業に参加すること

その他履修上の注意事項

受講者の数・関心に合わせて、授業内容・授業の進め方は柔軟に対応するので、多少なりともヨーロッパに関心のある方は気軽に参加してほしい

授業内容

授業内容
第1回・ガイダンス
・テキストについての解説と、授業の運営方針を説明する
第2回・ジャンブロンカの歴史学に対する姿勢
・『歴史は現代文学である』の概要を説明する
第3回・『歴史家と少女殺人事件』序説
・同書の目的について知る
第4回『歴史家と少女殺人事件』1「ジェシカ」~5「隅っこのパパ」を読み、内容についてディスカッションする
第5回『歴史家と少女殺人事件』6「一縷の望み」~10「特別な一日」を読み、内容についてディスカッションする
第6回『歴史家と少女殺人事件』11「「傾斜屋根のある」家」~15「里親家族」を読み、内容についてディスカッションする
第7回『歴史家と少女殺人事件』16「泥濘の中で」~20「パトロン=サルコジ枢軸」を読み、内容についてディスカッションする
第8回『歴史家と少女殺人事件』21「マシュクール高校」~25「レティシアの肖像」を読み、内容についてディスカッションする
第9回『歴史家と少女殺人事件』26「「制裁」と「過失」」~30「フロンド」を読み、内容についてディスカッションする
第10回『歴史家と少女殺人事件』31「「たいようがたのしかた」」~35「年越しパーティー」を読み、内容についてディスカッションする
第11回『歴史家と少女殺人事件』36「鑑定員の時代」~40「その後の生活」を読み、内容についてディスカッションする
第12回『歴史家と少女殺人事件』41「1月18日午前」~45「葬儀」を読み、内容についてディスカッションする
第13回『歴史家と少女殺人事件』46「1月18日晩」~50「女性殺し」を読み、内容についてディスカッションする
第14回『歴史家と少女殺人事件』51「夜中の沈黙」~57「レティシアの時代」を読み、内容についてディスカッションする
第15回『歴史家と少女殺人事件』訳者あとがきを読み、同書の全体についてディスカッションを行う