契約法Ⅱ(各論)
担当者渡邊  貴教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングCIL-204

授業の概要(ねらい)

民法は、私⼈間の法律関係について、紛争解決のための基準や、我々市民の行うべき⾏為規範を設定しています。
本講義では民法の中でも講学上、契約法と呼ばれている領域に属する具体的な制度についての設例や判例の検討を通じて、法的な知識、体系的・論理的思考能⼒、具体的な紛争解決能力を身につけることを目指します。
本講義で学習する契約という制度は、私たちが生活する実社会においても非常に重要な機能を営んでいます。そのため、契約法を学ぶことを通して、契約が実際の社会の中でどのような機能を営んでいるのかを正確に理解できるようになることも本講義の重要な目的となります。特にこの授業では、契約法の後半(各論)を扱うこととします。

授業の到達目標

<知識・理解>
契約法に関する基本的な制度やルールの内容に関する正確な知識を身につけるとともに、法的な思考方法とはどのようなものであるかを理解する。
<思考・判断・表現>
講義で説明した法的な制度や概念を用いることによって、実際に生じうる民事上の紛争をどのように解決することができるかを考え、それを論理的に説明できるようになる。
<態度・志向性>
講義で解説する制度あるいは民法そのものが、社会において生じている様々な問題とどのように関係するのか、という点について主体的に考察できるようになる。

成績評価の方法および基準

学期末に実施する試験の結果(80%)を中心に、平常点(20%。授業内で実施するリアクションペーパーや小テストの結果)も加味して最終的な成績評価を行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『民法Ⅳ 契約』曽野裕夫・松井和彦・丸山絵美子有斐閣
参考文献『START UP⺠法④ 判例30! 債権各論』中原太郎・幡野弘樹・丸山絵美子・𠮷永一行有斐閣

準備学修の内容

授業⽇の前日までに担当者作成のレジュメを配布します(授業は基本的にこのレジュメに即して行います)。教科書の該当箇所と併せて予め読んできた上で、わからなかった箇所や疑問に思った箇所を事前にまとめた上で授業に臨んでください。

その他履修上の注意事項

民法は範囲も広く、また内容も一見複雑に見えるものも多いことから、初めて勉強をする人には難しく思える部分も少なくないかもしれません。とりわけ契約法の領域は、明治時代から維持されてきた条文の内容が最近大改正を遂げたばかりであることもあって、初めて学ぶ人にとって理解が難しい部分も多いと思います。
しかし、民法は社会で生きていく上で必要不可欠な基本的なルールや考え方を示しています。本授業では、初めて民法を学ぶ人でもきちんと理解できるように身近な具体例も挙げながら丁寧に説明をしていきたいと思いますので、学ぶ意欲のある方の履修を歓迎します。
なお、授業には必ず六法(小型のもので可)を持参してください。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス(授業の全体像、進め方、教科書、参考書等について)
第2回売買契約①-売買契約の意義と成立と効力その1(売主の所有権移転義務)-(教科書145-168)
第3回売買契約②-売買契約の効力その2(売主の担保責任)-(教科書168-195)
第4回売買契約③-売買契約の効力その3(買主の義務と危険の移転)-(教科書195-215)
第5回贈与契約の意義、成立と効力(教科書219-225)
第6回消費貸借契約の意義、成立と効力(教科書226-238)
第7回賃貸借契約①-賃貸借契約の意義と成立(使用貸借契約との対比で)-(教科書239-255)
第8回賃貸借契約②-賃貸借契約の存続期間と契約の更新-(教科書255-269)
第9回賃貸借契約③-賃貸借契約の効力-(教科書269-285)
第10回賃貸借契約④-賃貸借契約と第三者の関係-(教科書285-305)
第11回賃貸借契約⑤-賃貸借契約の終了-(教科書305-315)
第12回請負契約の意義、成立と効力(教科書323-341)
第13回委任契約の意義、成立と効力(教科書342-360)
第14回その他の典型契約類型の概観(教科書316-322, 361-401)
第15回授業のまとめ