西洋史特殊講義2B-Ⅰ
担当者工藤 則光教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHEA-203

授業の概要(ねらい)

 前期はヴァロワ朝及びその分家が興したヴァロワ=アングレーム朝フランス王国史を縦軸として、先ず百年戦争直後のフランス史を概観し、次いでイタリア戦争(1494~1559年)の歴史を中心に、特に同時期に誕生した次の4人に焦点を合わせて、講義する。つまり、ヴァロワ=アングレーム朝フランスのフラソワ1世、テューダ朝イングランドのヘンリ8世、ハープスブルク朝(アブスブルゴ朝)神聖ローマ帝国及びスペインのカール5世(カルロス1世)、オスマン帝国(オスマン朝)のスレイマン1世である。
◎第14回はLMS講義の予定である。
※英語を学ぶだけで大変(だった)かもしれないが、西洋史コースの学生には英語以外の言語をぜひ学んでもらいたい。また、東洋史や日本近現代史で卒業論文を書く学生も英語以外の言語にチャレンジすべきである。本学では「国際コミュニケーションⅠ・Ⅱ」としてフランス語(仏語)、ドイツ語(独語)、スペイン語(西語)、ロシア語(露語)を、外国語学部設置のオープン科目として「選択イタリア語初級Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」および「選択イタリア語中級Ⅰ・Ⅱ」、「選択イタリア語上級Ⅰ・Ⅱ」が開設されている。ただし、どの言語もⅠから順番に履修し単位を取得する必要がある。

授業の到達目標

① 西洋前近代史について基本的知識を獲得すること。
② 世の中の動きを歴史的に考えるための視点を身につけること。
③ 西洋史を日本語だけでなく最低限英語で読んで考えることが重要であるということを認識する

成績評価の方法および基準

 受講者数にもよるが、原則小リポート・小テスト・授業への積極的参加など40%と期末テスト60%で評価する。
① 小リポートは基本的に講義中に提出するリアクション・ペーパーを指し、受講者数にもよるが、原則毎回実施する。
② 期末テストは定期試験期間に行われることもある。
③ 英語で書かれた史料をていじすることもあるが、原書購読ではないので、英語力自体は成績に反映させない。
◎遅刻は原則2回で1回の欠席とする。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書使用しない。
参考文献『イタリア史』全9巻 フランチェスコ・グイッチァルディーニ著太陽出版
参考文献『フランソワ一世―フランス・ルネサンスの王』ルネ・ゲルダン著国書刊行会
参考文献『ヘンリ8世の迷宮―イギリスのルネサンス君主』指昭博編著
参考文献『皇帝カール五世とその時代』瀬原義生著文理閣
参考文献『スレイマン大帝とその時代』アンドレ・クロー著法政大学出版会

準備学修の内容

① 講義で扱う時期の、特に政治史は日本語で読むことができる本が少ないので、政治史を中心に大量のプリントを配布するので、事前によく読んでおくこと。
② 関連する参考文献・論文が多いので、適宜紹介する。そうした文献・論文以外に授業内容の理解を深めることができる教材を紹介するので、事前に読んだり、見たりするとよい。また、現在日本や世界で起きていることに関心を持つこと。最低限一日1回はニュースをチェックして動向なりを押さえておくこと。この授業とは直接関係ないかもしれないが、色々な意味で過去と現在はつながっているので、意外に驚くこともあるだろう。
③ 日本史または東洋史を専攻する教職志望者は世界史Bの教科書の該当部分を今一度読んでおくこと。

その他履修上の注意事項

① 英文を提示されたなら、事前に日本語訳をする努力をしてもらいたい。
② 卒論は文庫や新書だけを読んで書くことができないので、早い時期から専門書および専門論文を読んで、読書が苦にならないようにすること。
③ 西洋史コース以外の学生の履修を認めるが、扱う内容は高校教科世界史Bにおいて全く取り上げられていない事項などが多いので、それなりの覚悟をもって受講すること。
④ 西洋史や東洋史、日本近現代史を志すなら、英語のリーディング力を高める努力をすること。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス:1.授業の進め方、評価方法など、2.その他
はじめに
Ⅰ.百年戦争からの回復と「フランス国民の国家」出現
1.前史:百年戦争
第2回2.ルイ11世慎重王治世期
第3回3.イタリア戦争以前のシャルル8世治世期
第4回Ⅱ.イタリア戦争史:通史①
第5回Ⅱ.イタリア戦争史:通史②
第6回Ⅱ.イタリア戦争史:通史③
第7回特論:ルイ12世慈父王
第8回Ⅱ.イタリア戦争史:通史④
第9回Ⅱ.イタリア戦争史:通史⑤
第10回Ⅱ.イタリア戦争史:通史⑥
第11回特論:フランソワ1世
第12回Ⅱ.イタリア戦争史:通史
第13回Ⅱ.イタリア戦争史:通史
第14回補論:課題図書・動画についての説明
◎LMSによる講義
第15回まとめとテスト