世界の情勢(アジア)Ⅱ
担当者坂田 美奈子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [総合基礎科目]
科目ナンバリングARS-102

授業の概要(ねらい)

 「先住民」という言葉を聞いて、みなさんはどのような人々のことを思い浮かべるだろうか。自然と共生し、太古の文化を残した、素朴な社会に暮らす、現代文明とは隔絶した人々をイメージするだろうか。
 先住民(indigenous peoples)と呼ばれる人々は、一方では普通のアメリカ人、カナダ人、オーストラリア人、日本人などなどである。先住民とその他の人々とを分けるのは、先祖と国家との歴史的な関係である。先住民とは、帝国主義の拡大によって父祖伝来の地が移住植民地(セトラーコロニー)となり、現在の支配国家の統治下にはいった人々およびその子孫のことである。
 本講義では日本北辺の先住民アイヌについて、アイヌが先住民となった歴史的経緯、近現代における復権運動、今日にいたるまでの日本のアイヌ政策について解説する。その上で、日本の先住民問題を克服するために我々一人一人に何ができるかを考えていきたい。

授業の到達目標

­① 日本の先住民問題の歴史的背景を理解できる。
­② 北海道におけるセトラーコロニアリズムのあり方を理解できる。
­③ 日本の先住民問題克服のための社会の責任を理解できる。

成績評価の方法および基準

授業参画態度、リアクションペーパー(40%)
定期試験(60%)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書授業でプリント配布。
参考文献先住民アイヌはどんな歴史を歩んできたか坂田美奈子清水書院

準備学修の内容

その他履修上の注意事項

世界の情勢Ⅰ(アジア)(坂田)を履修していることが望ましい。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
 授業の概要、成績評価などについて。
第2回講義 日本国家によるアイヌ居住地域の併合
第3回講義 近世のアイヌ-和人関係①
第4回講義 近世のアイヌ-和人関係②
第5回講義 近代アイヌ政策①:移住植民地化
第6回講義 近代アイヌ政策②:同化政策
第7回講義 万国博覧会における人間の展示
第8回講義 アイヌの世界観と近代アイヌ思想
第9回講義 戦後のアイヌ政策
第10回講義 北海道のセトラーコロニアリズム
第11回講義 戦後アイヌの復権運動①文化復興
第12回講義 戦後アイヌの復権運動②新法運動
第13回講義 アイヌ文化振興法
第14回講義 アイヌ施策推進法
第15回オンライン授業 まとめ