日本史籍講読7B-Ⅰ
担当者小山 俊樹教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングJPH-229

授業の概要(ねらい)

財部彪(たからべ・たけし 1867~1949)は都城藩の士族の家に生まれ、海軍兵学校を首席卒業した大正・昭和初期の海軍軍人である。山本権兵衛(海軍大将)の娘を妻とし、明治42(1909)年から大正3(1914)年まで海軍次官、大正12(1923)年から海軍大臣を6代の内閣で務めた。この間、主として立憲民政党の政権下で軍政を担当し、統帥権干犯が問題となるロンドン海軍軍縮条約を日本側全権として締結した。
財部には膨大な分量の日記(国立国会図書館蔵)があるが、大変な悪筆のため、一部の研究者しか扱えない史料として知られている。1983年に「海軍次官時代」と題する日記が翻刻刊行されて以来、続編の刊行が多年待ち望まれていたが、40年近くを経た2021年秋に「海軍大臣時代」が刊行された。そこで本授業では、新規刊行された「財部彪日記」をテキストに使用し、大正~昭和期の海軍を通した近代史の実相を読み解いていく。

授業の到達目標

①近現代日本の政治家が書いた「日記」を活字で読み、その文意を理解すること。
②「日記」に書かれた登場人物・事件・事項などを調査する能力を身につけること。
③他の史料などをもとに、「日記」の記述を検証できるようになること。

成績評価の方法および基準

毎回の授業での発表を重視する。
また最終回にテストを行い、総合的に評価を行う。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献財部彪日記 〈海軍大臣時代〉尚友倶楽部編芙蓉書房出版
参考文献財部彪日記 上・下―海軍次官時代坂野潤治ほか編山川出版社
参考文献

準備学修の内容

参考文献や資料を読み込み、発表担当範囲の政治や社会の動きを理解すること。
その上で、配布されたテキストの記述事項を幅広く調査し、その結果を発表に盛り込むこと。

その他履修上の注意事項

授業への出席、および報告・質疑の内容を重視する。報告者はもちろん、その他の受講者も事前に予習を行い、質疑応答に参加することが求められる。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス 史料の概略と授業の進め方について(LMS上にて実施)
第2回参考文献に関する解説
第3回参考文献に関する発表(1)
第4回参考文献に関する発表(2)
第5回大正一二年(1)
第6回大正一二年(2)
第7回大正一二年(3)
第8回大正一三年(1)
第9回大正一三年(2)
第10回大正一三年(3)
第11回大正一四年(1)
第12回大正一四年(2)
第13回大正一五年(1)
第14回大正一五年(2)
第15回まとめ/最終日試験