担当者 | 石川 敬史教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | SEM-333 |
アメリカ合衆国は、日本にとってもっとも近しく濃密なつきあいのある「外国」ですが、我々は、必ずしもアメリカ史と、アメリカ文明の仕組みを知っているわけではありません。ひょっとしたら何も知らないのかもしれません。
アメリカは、医療技術、情報通信技術、映画産業そして軍事力において世界最大の力を有しています。しかしその力の源泉には何があるのでしょうか。テキストの著者カート・アンダーセンは、脱魔術化していないキリスト教があると考えています。医療もSNSに示される遠隔通信も映画が描く世界観も、さらに上記を逸した破壊力を持つ軍事力も、「魔法」を「テクノロジー」で実現したものとは考えられないでしょうか。こうした観点からディズニーランドを想起すると、このソフト・パワーは、アメリカからしか生まれないものだったことがわかります。こうしたアメリカを、アンダーセンのテキストを通して味わいましょう。
アメリカ史論を題材に、今日的世界と将来を洞察する能力を涵養する。
長いテキストを読解する知的体力を身につける。
長いテキストを要約し他者に解説する能力を獲得するとともに議論を通して物事を明確化するコミュニケーション能力を身につける。
授業への参加姿勢(授業で扱う該当箇所の読み込みと発言):50%
レジュメ報告:25%
授業最終日に教員が提示する課題レポートの提出:25%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | ファンタジーランド:狂気と幻想のアメリカ500年史(上) | カート・アンダーセン(山田美明・山田文訳) | 東洋経済新報社 |
参考文献 |
その日の授業で読むテキストの該当箇所を必ず読み込んで、問題関心を持って授業に望んでください。
要約報告を担当する学生は、自分の読み方をレジュメにまとめて下さい(作成方法は、授業初日に教えます)
各人、テキストは必ず購入してください。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス ・授業の運営方針、第1章の解説を通して本書の概要を解説、単位取得要件の説明 |
第2回 | 第2章「私は信じる、ゆえに私は正しい」講読 第3章「最初の移住者」講読 報告者の報告と議論 |
第3回 | 第4章「ニューイングランドの幻想」講読 第5章「神を信じる自由」講読 報告者の報告と議論 |
第4回 | 第6章「架空の仲間と敵」講読 第7章「宗教のアメリカ化」講読 報告者の報告と議論 |
第5回 | 第8章「知識人たちの思想」講読 第9章「第一次第狂乱期」講読 報告者の報告と議論 |
第6回 | 第10章「実にアメリカ的な二次創作小説」講読 第11章「いかさま療法好きな国民」講読 報告者の報告と議論 |
第7回 | 第12章「幻想に満ちた仕事」講読 第13章「破壊する怪物を求めて」講読 報告者の報告と議論 |
第8回 | 第14章「南北戦争」講読 第15章「1000万もの大草原の小さな家」講読 報告者の報告と議論 |
第9回 | 第16章「幻想の産業化」講読 第17章「進歩と反動の時代」講読 報告者の報告と議論 |
第10回 | 第18章「理性vs. 信仰」講読 第19章「娯楽ビジネスこそアメリカの本分」講読 報告者の報告と議論 |
第11回 | 第20章「郊外のユートピア」講読 第21章「アメリカの黄金時代」講読 報告者の報告と議論 |
第12回 | 第22章「ヒッピー」講読 第23章「知識人」講読 報告者の報告と議論 |
第13回 | 第24章「キリスト教」講読 第25章「現実か、フィクションか」講読 報告者の報告と議論 |
第14回 | 第26章「幻想・産業複合体」講読 報告者の報告と議論 |
第15回 | 総括講義と議論(LMSによるオンライン) レポート課題の提示 |