担当者 | 高木 暢亮教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | ARC-204 |
この授業では、「考古学における土器研究」をテーマとして扱う。土器は遺跡を発掘調査した時に一番多く出土する遺物である。また比較的短期間に形状、装飾、文様が変化するため、考古学においては土器を時期区分の指標として用いることが一般的である。この授業では、考古学における土器研究を3つの大きな分野に分けて解説する。1つ目は時期区分の指標としての土器研究である「土器の編年研究」である。編年とは具体的にどのような作業なのか、また、土器編年を体系化するための重要な概念である型式学や層位論についても解説する。2つめは地域圏、文化圏を研究する指標としての「土器の地域差の研究」である。土器型式には一定の範囲の地理的なまとまりで「地域圏」や「分布圏」が存在するが、同時期に併存する複数の土器分布圏が何を反映したものなのかについて、これまで多くの研究の蓄積がある。これらの土器分布圏の研究について解説をおこなう。3つめは「土器の製作技術や使用痕研究」である。土器が実際にどのように作られたのか、また実際にどのように使用されたのかについての研究であり、実験的な研究も多く含まれる。授業のなかでこれらの研究について解説することとする。また古墳時代以降の土師器や須恵器、陶磁器、墨書土器や製塩土器などの特殊な土器、土器以外の土製品についてもふれることにしたい。
1.土器編年とはどのようなものかについて理解する。
2.土器分布圏が何を反映したものと考えられるかについて理解する。
3.土器の製作技術や使用痕分析から何がわかるのかについて理解する。
成績は最終授業内で実施する試験によって評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 |
型式学や層位論はなかなか理解するのが難しい概念である。授業内で参考文献を提示するので、あらかじめ該当する部分に目を通しておおまかに理解しておくこと。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス |
第2回 | 型式学と層位論 |
第3回 | 縄文土器編年における「土器型式」概念 |
第4回 | 弥生土器編年における「土器様式」概念 |
第5回 | 土師器の研究と編年 |
第6回 | 須恵器の研究と編年 |
第7回 | 陶磁器の研究と編年 |
第8回 | 特殊な土器(墨書土器、製塩土器など)(オンライン) |
第9回 | 土製品 |
第10回 | 土器の地域差が意味するもの |
第11回 | 搬入土器と在地土器 |
第12回 | 土器の原産地推定法 |
第13回 | 土器の製作技術 |
第14回 | 土器の使用痕研究 |
第15回 | まとめとテスト |