担当者 | 能勢 和宏教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | HEA-213 |
この授業では西洋近現代史(おおまかにいえばフランス革命から現在までのヨーロッパの歴史)にかかわる重要書籍の輪読を行います。2022年度は、リン・ハント『フランス革命の政治文化』(筑摩書房、2020)を精読することを中心に、ピーター・バーク『文化のハイブリディティ』(法政大学出版局、2012)や長谷川貴彦「文化史研究の射程」(『思想』1074号)などを副読本として授業を進めます。
リン・ハントとピーター・バークはともに今日の世界を代表する歴史家で、とくに「新しい文化史」と呼ばれる分野を開拓したことで知られています。ここでいう「文化」は芸術や文学に限られず、スポーツ、食事、趣味、儀礼(マナー)、身振り手振りなど、非常に広い射程を持ちます。歴史学において「文化」とは何を指し、そして「文化」を通して何を新たに発見することができるのかを一緒に考えていければと思います。
前期の授業ではまず歴史学における「文化」の射程について知ることを目指して、まず長谷川貴彦「文化史研究の射程」、ピーター・バーク『文化のハイブリディティ』を輪読します。その後、受講者はそれぞれ日本語で執筆された近現代西洋文化史に関する論文について発表し、文化史の把握をさらに深めます。受講者は2回発表を担当し、不明な単語等を調べたうえで本・論文の内容を要約します。発表の後は、全受講者でディスカッションを行い、さらなる疑問点の解明、意見交換を進めるかたちで授業を行います。
・資料を読解し、他者に発信できる
・自ら読解した資料の多様な歴史的価値を他者に説明できる
・自ら読解した資料の多様な歴史的価値判断を議論によって互いに改善し、新たな価値を見出せる
授業内での2回の発表:60%、ディスカッションへの参加度:40%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 文化のハイブリディティ | ピーター・バーク(河野真太郎訳) | 法政大学出版局 |
参考文献 |
授業で取り上げる箇所について事前に一読し、不明点や疑問点、自分の意見をまとめたうえで授業に臨むこと
本授業に限らず講読の授業は前年度に受講者を決定しているので、名簿に記載されていない学生が教員の許可なく履修登録を行わないように
回 | 授業内容 |
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第1回 | ・授業運営方法についてのガイダンス ・発表担当者の割り当て |
第2回 | ・長谷川貴彦「文化史研究の射程」を読む ・文化史とは何かを知ると同時に、レジュメの作り方について学ぶ |
第3回 | 『文化のハイブリディティ』序論を読み、その内容についてディスカッションする |
第4回 | 『文化のハイブリディティ』第1章を読み、その内容についてディスカッションする |
第5回 | 『文化のハイブリディティ』第2章を読み、その内容についてディスカッションする |
第6回 | 『文化のハイブリディティ』第3章を読み、その内容についてディスカッションする |
第7回 | 『文化のハイブリディティ』第4章を読み、その内容についてディスカッションする |
第8回 | 『文化のハイブリディティ』第5章を読み、その内容についてディスカッションする |
第9回 | ・ここまでの授業のまとめ ・文化史とは何かを改めて学ぶ |
第10回 | 受講者が選ぶ西洋文化史論文についての発表およびディスカッション① |
第11回 | 受講者が選ぶ西洋文化史論文についての発表およびディスカッション② |
第12回 | 受講者が選ぶ西洋文化史論文についての発表およびディスカッション③ |
第13回 | 受講者が選ぶ西洋文化史論文についての発表およびディスカッション④ |
第14回 | 受講者が選ぶ西洋文化史論文についての発表およびディスカッション⑤ |
第15回 | ・オンライン授業 ・授業の総括と後期授業に関する説明 |