世界の情勢(中東)Ⅱ
担当者中西 俊裕教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [総合基礎科目]
科目ナンバリングARS-106

授業の概要(ねらい)

中東は紛争や武力衝突でニュースに報道される地域でもあると同時に、石油・ガスなど資源の供給国としてもよく知られている。この地域を理解するために必要な民族、宗教の問題、生活の様子、政治、経済事情について習得し、日本など他国・他地域との関係についても知識を深めることをねらいとする。

授業の到達目標

各民族や宗教の関係についてポイントを押さえて理解し、中東情勢の現状と日本との関係について他者に分かりやすく説明できるようになること。

成績評価の方法および基準

中間レポート20%、小テスト・積極性など20%、期末試験60%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書独自のプリントを毎回配布します。
参考文献中東和平 歴史との葛藤中西俊裕日本経済新聞社
参考文献9.11後の現代史酒井啓子
講談社
参考文献中東政治入門末近浩太筑摩書房

準備学修の内容

次回の講義内容について参考文献で関連する部分を読み、自分なりの理解を深め疑問があれば授業内、授業後、LMSなどで教員に提示します。

その他履修上の注意事項

私語は禁止。出席60%以上で期末試験を受ける資格が生じます。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション 授業の進め方、中東問題を理解する上でのキーワードなどを説明。
第2回食文化:食事と中東社会 主にアラブ社会における食にまつわるテーマを教員のジャーナリストとしての体験や専門資料から抜粋し分かりやすく解説。
第3回住文化:住居と中東社会 2回目同様、教員の経験や各種資料を通じて中東の人々が住む家や施設・建築物を写真などで紹介しつつ中東の社会慣習、文化を考える。
第4回信仰:宗教と中東社会 中東では戒律の厳しい宗教が根付いており、それが社会規範として機能している。その実態を具体的事例とともに解説。
第5回宗教対立と融和:イスラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒が同居する中東での対立の事例と、融和を目指す努力の実例を提示。
第6回アラブ・イスラエル関係の行方:紛争と和解が交互に織りなされるように続く中東現代史の主要な出来事を時代に従って追い、キーパーソンを紹介する。
第7回紛争と和平の経済学:中東における紛争と和平にまつわる経済開発論を学ぶ
第8回テロが与える経済社会的な影響:中東のほか欧州、米国における事例も紹介。
第9回中東と米国:9・11の米同時多発テロ以来、米国と中東は激しい葛藤の時代に入った。今、米国はインフレと原油需給問題で中東と向き合っている。その経緯を政治、社会面から紹介。
第10回中東と欧州:歴史的な対立を抱えながらも相互依存の関係にある欧州との関係を描写。
第11回中東とアジア:中国に学ぶこともあったパレスチナ解放運動、中東の人々の目に映った日本の経済発展など、中東のアジア観を中心に考察。
第12回中東と日本:石油、経済支援や企業進出を中心に日本と中東の関係について将来像も描く。
第13回中東と文学:古典や近現代のアラブ世界などの作品を紹介しつつ、そこに表れる中東的なものの考え方、特質を紹介する。
第14回総論 中東はどこへ向かうか 政治、経済、文化などの分野を総括
第15回まとめと期末試験