スポーツ内科学特講
担当者小川 佳子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [医療技術学研究科 スポーツ健康科学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

健康の維持・増進やレクリエーション、疾病や介護の予防を主目的とした生涯スポーツや健康運動においては安全に実施することが最重要事項である。そして、安全にスポーツを実施するためには、対象者の多様性に対応した正しいスポーツの実施が求められる。そこで、本講義では、生涯スポーツ活動や健康運動における医学的問題を学修し、スポーツ・運動を実施する際に注意すべき内科的障害とその予防および治療法ならびに緊急時の対応についての専門知識を習得する。

授業の到達目標

(1)スポーツによる急性および慢性の内科的障害の病態・治療・予防について説明できる。
(2)特殊環境下での運動による障害について説明できる。
(3)女性特有のスポーツに関する医学的問題について説明できる。
(4)スポーツによる疲労や精神心理面へのスポーツの影響について説明できる。
(5)スポーツ現場での救急処置について説明できる。

成績評価の方法および基準

期末レポート(100%)をルーブリックに基づいて採点し、評価を行う。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書なし
参考文献『Netter's Sports Medicine, 2nd ed.』C.C.Madden, M.Putukian, E.C.McCarty, et al.ELSEVIER

準備学修の内容

講義では学術論文や学術書を題材とするため、これらを理解する上で必要となる専門用語等については事前に各自で調べておく必要があります。
大学学部課程で学ぶ解剖学や生理学、スポーツ医学等の基礎を理解していることを前提に講義を進めますので、それらの知識に不安のある者は各自で復習しておいて下さい。

その他履修上の注意事項

スポーツ内科学領域の研究は日進月歩であり、講義ですべてを学ぶことはできません。したがって、各自でも常に最新の知見を得るように心がけてください。

授業内容

授業内容
第1回スポーツ内科学概論
スポーツ内科学の概要について理解し、スポーツ内科学を学ぶための解剖生理学的基礎知識の確認をする。
第2回呼吸器系のスポーツ障害
呼吸器系の急性・慢性スポーツ障害と慢性呼吸器疾患を持つ者の運動について理解する。
第3回循環器系のスポーツ障害(1)
突然死と心臓震盪について理解する。
第4回循環器系のスポーツ障害(2)
慢性循環器疾患を持つ者の運動について理解する。
第5回消化器系のスポーツ障害
消化器系の急性スポーツ障害と慢性肝疾患を持つ者の運動について理解する。
第6回腎・泌尿器系の急性スポーツ障害
腎・泌尿器系の急性スポーツ障害と慢性腎臓病を持つ者の運動について理解する。
第7回アレルギー疾患とスポーツ
運動誘発性気管支喘息と食物依存性運動誘発性アナフィラキシーについて理解する。
第8回血液系のスポーツ障害
スポーツに伴う貧血と血液疾患を持つ者の運動について理解する。
第9回内分泌代謝系のスポーツ障害
内分泌代謝系の急性・慢性スポーツ障害、内分泌代謝系疾患を持つ者の運動について理解する。
第10回特殊環境下でのスポーツによる障害(1)
暑熱環境下でのスポーツと熱中症について理解する。
第11回特殊環境下でのスポーツによる障害(2)
低体温症、高山病、潜水病、紫外線の影響について理解する。
第12回女性のスポーツ医学
スポーツ活動と月経、妊娠とスポーツ、中高年女性の生涯スポーツについて理解する。
第13回スポーツ精神医学
スポーツと疲労、精神疾患を持つ者の運動について理解する。
第14回メディカルチェックと健康管理
メディカルチェックの内容と重要性、日々の健康管理やセルフチェックについて理解する。
第15回スポーツ現場における救急処置
スポーツ現場の緊急時の対応、心肺蘇生とAED使用手順について理解する。
なお、第15回の講義はLMSによるオンデマンド形式で行います。