ICT活用と教育の方法及び技術
担当者福島 健介教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [人間文化学科]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 新学習指導要領の全面実施を受け、「学力の三要素と三つの柱」を念頭に、情報通信技術を含めた教育方法の基礎的理論(歴史・思想・政策)とその実践を学ぶことにより、21世紀の教育方法のあり方を習得する。
前半では授業づくりの基礎的理論と実践例を具体的に学び、教師としての力量形成をめざす。また学習指導案を作成し、模擬授業の実施をとおして授業分析の方法等について学び、授業づくりの理解を深める。
後半では、GIGAスクール構想の実施を前提とし、校務・授業における情報通信技術の活用の実態と今後の展望を理解する。また、情報通信技術を用いた授業を実践するための基礎的技能と知識を習得する。

授業の到達目標

具体的な実践例をもとに学校の現況と授業づくりの原則を学び、自身で授業実践できるようになる。
①授業を支える学習理論、教授理論について理解し、現実の授業への適用・応用について考えることが出来る。
②授業を構成する各種要素について理解し、それらを考えに入れながら授業を構成すること、学習評価をすることができる。具体物として授業案を作成することが出来る。また、他の授業について分析・評価などをすることができる。
③上記2点を踏まえて、情報通信技術の学校・授業への導入の意義と理論、その活用方法について知り、自身でも活用することができる。

成績評価の方法および基準

①授業案の作成 40%
②期末テスト  50%
③その他コメントペーパー等の提出物 10%
 以上3点を総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書毎回、必要事項をプリントとして配布する。
〇学習指導要領 教科解説(自分が取得予定の校種・免許種に対応した教科の指導要領)
文部科学省東洋館出版社・他
参考文献文部科学省が発行しているGIGAスクール構想に関連する通達・文書等を適宜dlできるように準備をしておくこと

準備学修の内容

 教育方法を学ぶためには、教育学・心理学などの学問的成果について基本的な知識を持っていなければなりません。例えば、学習心理・学習指導・学習評価などについて、既習事項は、あなたの中でどの程度定着しているでしょうか? また、教材を作成するためには、そのこと(教える内容)について十分な知識が必要です。自分の中で不十分だと思われる点があれば、各自が知識や理解を補強しておくことが必要です。
また、本授業を受講する皆さんは校種も教科も様々です。従って、志望する教科の学習指導要領(解説)については、必ず購入をして下さい。また、教科書・教師用指導書についてはMELIC等で貸し出しを受け、いつでも参考に出来るようにしておくことが必要です。併せて、自身がこれまで書いた学習指導案や他の人の指導案をなるべくたくさん集めておいて下さい。
 
 ICTの教育現場での利用、というテーマは基本的な操作(文字入力、ファイルの保存など)は理解しているという前提で授業を行いますので、最低限そこまでのスキルは自学自習をして下さい。

その他履修上の注意事項

本授業では自身の所有するPC持参は必須となります。OSは指定しませんが、必要に応じてPCを持参のうえ授業に臨んでください。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス 教育方法とは何か、
情報通信技術を含む教育技術とは何かについて基本的な考えを学ぶ
第2回授業の設計と指導の原則 授業とは何か、授業を構成する要素について板書、発問、指示、助言など
第3回教材研究の方法1 教材とは何か、「主たる教材」としての教科書と学習指導要領の関係
第4回教材研究の方法2 教材づくりの実際 教材づくりの4段階
第5回教育評価の理論と方法1 教育評価の概念と理論
第6回授業を作るための方策と実際 「主体的・対話的で深い学び」とそれを踏まえた学習指導案作成の基本
第7回授業の研究と評価 授業分析の方法(定性的・定量的)とその実際
第8回教育方法のまとめ及び21世紀の社会的背景の変化も踏まえた、教育における情報通信技術の活用の意義と在り方
第9回情報通信技術の活用の意義と理論 
GIGAスクール構想の現況と学校、授業の変化。授業・校務におけるICT活用の実態及び関連するシステムの理解
第10回情報通信技術を効果的に活用した学習指導1 
学習用グループウェアソフト等を活用した対話的・協働的なまなびの理論と実際。その中で、ICT支援員や外部機関との連携協力について知る。遠隔・オンライン教育の意義や関連するシステムの理解。
第11回情報通信技術を効果的に活用した学習指導2 
学習履歴(スタディ・ログ)など教育データを活用して指導や学習評価に活用することや教育情報セキュリティの重要性
第12回情報通信技術を効果的に活用した学習指導3
特別な支援を必要とする児童及び生徒に対する情報通信技術の活用の意義とその実践事例
第13回情報通信技術を効果的に活用した校務の推進
校務用ソフトウェアの事例とその基本的な使い方、データの活用と教育用クラウドなど将来的な展望
第14回児童及び生徒に情報活用能力を育成するための指導法1
学校教育において横断的に育成する情報活用能力(情報モラルを含む。)の内容と校種に応じた到達目標の理解
第15回児童及び生徒に情報活用能力を育成するための指導法2
各教科等の特性に応じた指導事例の理解と基礎的な指導法の習得(指導案の作成を含む)