担当者 | 山田 大樹 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [総合基礎科目] | |
科目ナンバリング | CAS-101 |
「文化遺産」は、日本においては比較的近年に形成された概念であり、その定義すら曖昧なものです。本授業では「文化遺産」が、重要で、価値があり、保護しなければならないものであるという前提から問い直して考えます。文化遺産が、社会にとって、受講生自身にとって、どのような意味を持つのかを教室全体で考えを深め、「文化遺産とは何か」を探っていきます。そのため、本来であれば、一つ一つ丁寧かつ体系的な説明が必要となる法制度や保護の仕組み、個々の事例については本授業では詳細には扱いません。代わりに、講義ごとに文化遺産に関する「問い」を設定します。連続する講義を通して、文化遺産が持つ多様な側面を眺め、より深く考えるための素材の提供を受け、他の受講生の考えと比較しながら、自身の考えを整理できるようにします。これを繰り返すことによって、文化遺産を、なぜ保護しなければならないのかという意義を、自分自身の言葉で語れるようになることが本授業のねらいです。
文化遺産とは何か、なぜ保護する必要があるのかについて、自分自身の考えを述べられるようになること。
レポート課題70%、授業への積極的参加状況30%(確認テストを含む)
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 社会学で読み解く文化遺産 | 木村至聖・森久聡編 | 新曜社、2020年、¥2800 |
授業内で紹介する参考図書を読み、レポートを作成すること。次回の授業の問いに対して、身近な文化遺産や、文化遺産に関するニュースに積極的な関心を寄せて考え、自分なりの考えをもって授業に臨むこと。
最初の授業の最中に、自分が関心のある文化遺産1つと、文化遺産という言葉から連想する言葉を3つ書いてもらいます。授業は、可能な限り「参加型」「テーマ完結型」で実施する予定です。google formを使って授業中に意見を集めたり、その回答結果を踏まえて、受講生から詳しい意見を求めたりしますので、楽しみながら積極的に参加してください。現時点では、スマートフォンで質問への回答を求める予定ですので、QRコードを読み取れるようにしておいてください。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション、この授業が目指すもの |
第2回 | 我々はどのようなものを文化遺産と考えているか? |
第3回 | 文化遺産と呼ばれるものはどのようなものか?(オンライン授業) |
第4回 | どのようなものまでを文化遺産と呼べるか? |
第5回 | 文化遺産として捉えるのに必要な条件はなにか? |
第6回 | 文化遺産になぜ価値があるのか? |
第7回 | 文化遺産はどのように生み出されるのか? |
第8回 | どのようにして文化遺産と認められるようになるのか? |
第9回 | 文化遺産はどこにあるべきか? |
第10回 | 文化遺産がなぜ破壊されるのか? |
第11回 | 現在の文化遺産は過去と同じものか? |
第12回 | 文化遺産はなぜ守られなければならないのか? |
第13回 | 文化遺産はだれが保護すべきなのか? |
第14回 | 文化遺産の活用とはなにか? |
第15回 | まとめ、文化遺産とは何か? |