担当者 | 木原 久美子教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [心理学科 2018年度以降] | |
科目ナンバリング | DEP-201 |
本授業では、人の“こころ”に関する発達科学の知見を、実践への応用に必要な重要概念の1つである「時間」をキーワードに5つのテーマに沿って学修する。テーマは「時間と自己」「発達期における時間」「時間体験の生態学」「時間的認識の発達」「時間認識の発達的意味」である。
最初に取り上げる「時間と自己」は、教科書として掲載した「時間と自己」に沿って学修する。著者の精神科医としての実践に基づく論考は、多くの分野に大きな影響力を持つ。大学生として一度は読んでおきたい文献である。テーマの2~4は、「時間と人間」に沿って、発達科学における時間の検討がいかになされてきたのかを学修する。
本授業では、人は、取り巻く環境としての社会や歴史の価値観の影響を受けつつ変化する存在であると考える。そうした存在であるがゆえに、変化することに行き詰まり引きこもって閉鎖的になることがあったり、その一方で特定の環境に適応しすぎた結果新たな環境への適応が難しくなることがあったりするのが人である。不適応は必然であり、できないことからできることが育つと考えるのが発達科学の基本的な枠組みである。
授業は、ワーク中心に構成され、輪読、ディスカッション、レポート作成等を組み合わせて行うことを予定している。
(1)時間が人の人生に及ぼす影響についての知見を得ることができる。
(2)教科書に書かれていることを、身近な例を通して理解できるようになる。
(3)疑問に思ったことをことばにして表現し、人の考えも参考にしながら、文章にまとめることができる。
授業中のディスカッションへの参加と授業課題(全15回×5点)、最後のまとめの課題(25点)の計100点で評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 時間と人間,発達科学ハンドブック3 | 日本発達心理学会(編)/ 子安増生・白井利明 | 新曜社 |
教科書 | 時間と自己 | 木村敏(著) | 中公新書(674) |
参考文献 |
(1) 授業で取り上げる章を事前に読む。
(2) 疑問点があれば書き出しておく。
(1) ディスカッションは受講者数にもよるが、6名程度~10名の班に分かれて行う。
(2) 評価は、授業への積極的な参加と、課題レポートに重きが置かれている。
(3) レポート課題は、LMSに配信した翌週の授業日の前日深夜を期限とするが、提出期限をすぎたレポートは減点となるので留意すること。
(4) 最終課題は、レポートである。詳細は、授業中に伝える。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 授業内容、計画、取り組み方のルール、課題レポートの書き方を学ぶ。 1.「自己と時間」ものの世界 |
第2回 | 1-2. ことの世界・ことの日本的特性 |
第3回 | 1-3.こととことば・ことと時間 |
第4回 | 1-4.ことと時間(続き)・ものとことの共生関係 まとめ |
第5回 | 2.「各発達期における時間」赤ちゃんの時間 |
第6回 | 2-2. 子どもの時間 |
第7回 | 2-3. 青年の時間 |
第8回 | 2-4. 大人の時間 |
第9回 | 3. 「時間体験の生態学」家族の時間 |
第10回 | 3-2. 学校の時間 まとめ |
第11回 | 4.「時間の発達的意味」自己と時間 |
第12回 | 4-2. 情動と時間 |
第13回 | 4-3. 発達障害と時間 |
第14回 | 5.「時間認識の発達」自伝的記憶の発達 |
第15回 | 5-2. 時間的展望の発達(オンライン) まとめ、期末課題の提示 |