国際理解の扉を開く(ポストコロニアル太平洋の探究)
担当者中山 京子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [スポーツ医療学科]
科目ナンバリングASI-101

授業の概要(ねらい)

世界のグローバル化によって地球的課題に直面するようになった。こうした地球的課題は先進国と発展途上国という二つの枠組みで語られがちであるが、歴史上、植民地主義(コロニアリズム)によりグルーバル化が早い時期に進行し、地球的課題と向き合ってきたのは太平洋の島々および人々である。リゾート地や南の楽園のイメージが強い太平洋の島々に焦点を当て、島々を学びながら旅するような感覚で学び、国際理解の扉を開き、太平洋市民としての意識をもてるようにする。

授業の到達目標

・「環太平洋」という枠組みで、歴史、文化、経済活動を理解し、説明できる。
・太平洋の個別の島のユニークさと社会問題を理解し、興味関心を持って調べ、説明できる。
・「太平洋市民」の認識をもち、自分の考えを構築することができる。

成績評価の方法および基準

・各回のコメントや小テスト、中間レポート、最終レポート。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献「人種」「民族」をどう教えるか―創られた概念の解体をめざして中山京子ほか明石書店

準備学修の内容

その他履修上の注意事項

・オンラインで展開される科目であり課題の提出期限は守ること。

授業内容

授業内容
第1回・なぜ「異文化理解」ではなく「国際理解」が必要なのか 
・太平洋について学ぶことの意義
第2回・パンの歴史から見る太平洋世界ー太平洋の「フランスパン」「イギリスパン」「ドイツパン」ー
・なぜ太平洋の取り合いが始まったのか
第3回・バヌアツの二層社会
・裸足の子どもの多言語の力 
・村の生活
第4回・ハワイの日系移民の昔と今  
・ニセイが現代日本を生きる人々に伝える 
・文化のハイブリディティ
第5回・ハワイ先住民のメッセージ 
・日本人が大好きなハワイと「イメージ」
・太平洋先住民の歓びと哀しみ 映画「モアナと伝説の海」
第6回・コロンブスによる「人食い人種」の誕生
・「人食い人種」の思考が太平洋に広がる 
第7回・マゼランがもたらしたものは発展か悲劇か
・太平洋という名前
第8回・最先端であり続けるグアム
・西洋文明との出会い(ヒトも動物も文化もハイブリッド化)
・太平洋で最も北朝鮮を意識する人々
第9回・文化の真正性と創造性
・太平洋芸術祭とチャモロダンス
・文化は創られる
第10回・遠くて近い国トンガ
・日本のハロウイーンを支えるトンガのかぼちゃ
第11回・小笠原諸島に生きた・生きる人々
・南洋踊りに見るサイパンとの共通点
第12回・太平洋を移動する楽器と変容する楽器・音楽
・太平洋を移動するギター
・ブラジリアン柔術のビリンバオトゥーザンガグアムに?
第13回・人種主義と太平洋
・「パシフィックアイランダー」はどのようにして発生したのか
第14回・オセアニア・オリエンタリズムとは何か 
・「太平洋市民」の感覚 パシフィック・シティズンシップはなぜ必要なのか
第15回振り返りとテスト