担当者 | 及川 利紀教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [初等教育学科 初等教育コース] | |
科目ナンバリング | ESS-303 |
生徒指導は、問題行動への対応のみならず、児童・生徒一人一人の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めることを目指して教育活動全体を通じて行われる、学習指導と並ぶ重要な教育活動である。また、進路指導は、児童・生徒自らが将来の進路を選択・計画し、その後の生活によりよく適応し、能力を伸長するように、教員が組織的・継続的に指導・援助する過程であり、長期的展望に立った人間形成を目指す教育活動である。それを包含するキャリア教育は、学校で学ぶことと社会との接続を意識し、一人一人の社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を育むことを目的としている。
本授業では、生徒指導及び進路指導・キャリア教育の意義や原理を理解するとともに、すべての児童・生徒を対象とした生徒指導の進め方及び進路指導・キャリア教育の指導の在り方を理解すること、さらに、個別に抱える生徒指導上、進路指導・キャリア教育上の課題と、それらを校内組織及び関係機関と連携しながら対応・指導を理解することをねらいとしている。また、生徒指導及び進路指導・キャリア教育の視点に立った授業改善や体験活動、評価等の在り方についても知識や素養を身に付けることをねらいとしている。
なお、2022年8月現在、「生徒指導提要」の改訂が進められている状況を踏まえ、今後、改訂版が公表され次第、その内容についても取り上げる予定である。
(1)生徒指導の意義や原理を理解するとともに、指導体制や指導方法について説明することができる。
(2)児童・生徒の自己存在感が育まれるような場や機会の設定の在り方について具体的に説明することができる。
(3)児童・生徒が個々に抱える今日的な生徒指導上の課題(いじめ・暴力行為・少年非行・不登校・児童虐待・インターネットや性に関する課題等)の様態について知り、それらに関連する主な法令の内容や定義及び対応の視点を理解するとともに、対応の在り方について説明することができる。
(4)進路指導・キャリア教育の意義や原理を理解するとともに、指導体制や指導方法について説明することができる。
(5)全体指導を行うガイダンス機能及び個々に抱える課題に対応するキャリア・カウンセリングの基礎的な考え方や実践方法について説明することができる。
(6)生涯を通じたキャリア形成の視点に立った自己評価の意義を理解し、キャリアパスポート等の活用の在り方について説明することができる。
①授業での学修状況 20%
②グループワークやディスカッション・発表等の取組の状況 20%
③課題レポート、試験 60%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | ・『生徒指導提要』2010年3月版 | 文部科学省 | 教育図書 (文部科学省HPからダウンロード可能) |
参考文献 | ・『小学校キャリア教育の手引き(2022年3月)』 | 文部科学省 | (文部科学省HPからダウンロード可能) |
・『生徒指導提要』『小学校キャリ教育の手引き(2022年3月)』を事前に読み、内容を把握しておくこと。
・新聞等において扱われている学校教育、特に生徒指導、進路指導・キャリア教育に関する記事などに関心を持ち、記事等を収集し、自分なりの感想や意見をまとめておくこと。
・グループワークやディスカッション・発表等を通して実践的に学びを深めます。主体的な参加を期待します。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション ・生徒指導・進路指導論の概要 |
第2回 | 生徒指導の基礎① ・生徒指導の定義 ・生徒指導の構造 |
第3回 | 生徒指導の基礎② ・生徒指導の方法 ・生徒指導の基盤 ・生徒指導の取組上の留意点 |
第4回 | 生徒指導と教育課程① ・児童生徒の発達を支える教育課程 ・教科の指導と生徒指導 |
第5回 | 生徒指導と教育課程② ・道徳科を要とした道徳教育における生徒指導 ・総合的な学習(探求)の時間における生徒指導 ・特別活動における生徒指導 |
第6回 | チーム学校による生徒指導体制① ・チーム学校における学校組織 ・生徒指導体制 |
第7回 | チーム学校による生徒指導体制② ・教育相談体制 ・生徒指導と教育相談が一体となったチーム学校 |
第8回 | チーム学校における生徒指導体制③ ・危機管理体制 ・生徒指導に関する法制度等の運用体制 |
第9回 | チーム学校における生徒指導体制④ ・学校・家庭・関係機関等との連携・協働 (オンライン授業(LMS)で行います) |
第10回 | 個別の課題に関する児童生徒への対応① ・いじめ、暴力行為、児童虐待、自殺 |
第11回 | 個別の課題に関する児童生徒への対応② ・中途退学、不登校 ・インターネット・携帯電話に関わる問題 ・性に関する課題 |
第12回 | 個別の課題に関する児童生徒への対応③ ・多様な背景を持つ児童生徒への生徒指導 |
第13回 | 生徒指導と進路指導・キャリア教育 |
第14回 | 各発達段階におけるキャリア教育 |
第15回 | 生徒指導・進路指導論のまとめ |