アンチ・ドーピング特講
担当者丸山 桂司
単位・開講先選択  2単位 [医療技術学研究科 スポーツ健康科学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

スポーツと薬学の関わりを理解するために、医薬品や健康食品の特性と基本的な知識を修得する。医薬品には処方箋が必要な医療用医薬品と地域薬局で購入ができるOTC医薬品があるが、アンチ・ドーピングに関するルールで禁止された成分が含まれるものもある。また、健康食品やサプリメントが原因となる違反も世界中で報告されており、アスリートの健康被害やスポーツ成績に影響する成分について理解を深める。アスリートの「うっかりドーピング」等を防ぐための方略について、討論を通じて具体化する。

授業の到達目標

① スポーツ成績に影響を及ぼす医薬品や健康食品・サプリメントの成分について説明できる。(知識・理解)
② 日本アンチ・ドーピング機構で禁止される成分が含まれる代表的な医薬品名を列挙できる。(知識・理解)
③ アスリートが禁止物質の使用せざるを得ない場合に申請するTUE(治療使用特例)の申請の流れを説明できる。(知識・理解)

成績評価の方法および基準

定期試験 80%:マークシートによる客観試験により評価する。試験に対するフィードバックは、試験終了後、LMSで解説を公開する。
小テスト 20%:講義終了後にLMSで実施する。小テストのフィードバックは、次回講義開始時に行う。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書よくわかる一般用医薬品(第2版)株式会社ドーモ薬事日報社、2018年
参考文献登録販売者試験問題の作成に関する手引き厚生労働省厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/sikentebiki_4.pdf

準備学修の内容

この講義は2単位ですので、講義時間は30時間、事前事後学修時間は60時間となります。
・授業内容に関連する資料や参考文献の読み込み
・講義後に実施するLMSによる小テスト

その他履修上の注意事項

①授業改善のため、先輩学生が授業に参加する場合があります。
②欠席および公欠の扱いについては、大学の規程にしたがいます。
③遅刻が複数回ある場合は、成績評価にカウントします。
④テキスト以外で準備教育に必要な参考文献等は、授業内で配布、紹介します。

授業内容

授業内容
第1回「医薬品に関する特性と基本的な知識」
医薬品の特性と効果・安全性について理解する。
第2回「薬の働く仕組み(薬物動態)」
医薬品の体内運命について理解する。
第3回「代表的なOTC医薬品とその作用」
代表的なOTC医薬品を挙げ、その作用について説明できる。
第4回「喘息治療薬とその作用」
喘息の基本的な病態を理解し、その治療薬がスポーツ成績に及ぼす影響を説明できる。
第5回「糖尿病治療薬とその作用」
糖尿病の基本的な病態を理解し、その治療薬がスポーツ成績に及ぼす影響を説明できる。
第6回「症状からみた副作用」
医薬品の症状別の副作用を理解する。
第7回「特定保健用食品と機能性表示食品」
特定健康食品と機能性食品の適正使用を理解する。
第8回「栄養機能食品とサプリメント」
栄養機能食品とサプリメントの違いを理解する。
第9回「医薬品の適正使用・安全対策」(オンライン授業:LMSによるオンデマンド形式)
医薬品の適正使用を理解し、安全対策について説明できる。
第10回「医薬品の法規制」
医薬品医療機器等法について理解する。
第11回「健康食品・サプリメントの法規制」
保健機能食品と食品の法的規制について理解する。
第12回「アンチ・ドーピングの基礎知識」
アンチ・ドーピングの基本的な知識について理解する。
第13回「ドーピング禁止薬とその作用」
ドーピング禁止薬の種類と禁止理由について理解する。
第14回「ドーピング検査とアスリートに必要な手続き」
ドーピング禁止薬の医薬品の治療使用特例(TUE)について理解する。
第15回「うっかりドーピングの防止策」
うっかりドーピングを防止する方略について討議・理解する。