社会学フィールド調査法
担当者久保 裕子
単位・開講先選択必修A  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSOC-203

授業の概要(ねらい)

 この授業は、質的社会調査の代表的技法であるフィールドワークとは何かについて基礎的理解を形成し、それを実践するための前提となる知識・スキル・姿勢を形成することをめざすものである。フィールドワークの入門書を読み込みながら授業内で議論・討論を重ねるとともに、フィールドワークにおいて用いられる個々の調査方法(参与観察やインタビュー)の実習も授業内で行い、実際的な調査技術の修得もはかっていく。
 社会認識に不可欠のツールとして今日広く利用されているフィールドワークを学ぶことは、単に一つの社会調査技法を知るというのにとどまらない、社会を見る新たな眼を獲得することにもつながっていくだろう。

授業の到達目標

・フィールドワークがどのような社会調査の方法であり、社会に関するどのような問いを明らかにできるかについて説明できるようになる。
・フィールドワークによって追究するのにふさわしい「リサーチ・クエスチョン」を立て、それに応じた調査計画を立案できるようにする。
・後期授業「社会学フィールドワーク」でフィールドワークを実践するための準備ができている。

成績評価の方法および基準

出席は単位修得の前提である。授業への参加(20%)、授業中の発表(20%)、実習課題(20%)、民族誌レポート(20%)、および期末に提出してもらう模擬フィールドワーク計画書(20%)を総合して評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『フィールドワーク―書を持って街へ出よう』佐藤 郁哉 新曜社(2006)
参考文献

準備学修の内容

・毎回授業でとりあげる教科書の箇所について予め読みこんで疑問点等についてまとめ、授業内でのディスカッションに備える。
・担当したテキスト箇所の発表を準備する。
・実習ごとにレポートをまとめる。民族誌を読みレポートをまとめる。模擬フィールドワーク計画書を作成する。

その他履修上の注意事項

・実習やペアないしグループ・ワーク、プレゼンテーションの担当を含む参加型の授業である。授業への積極的参加と自習への取り組みが重要となるので、それを踏まえて取り組んでほしい。
・この講義では授業を円滑に進めるため履修人数に上限を設ける。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション:授業案内
第2回フィールドワーク入門書を読む(1):フィールドワークの定義・歴史・概要
第3回フィールドワーク入門書を読む(2):様々な調査技法のなかのフィールドワーク
第4回フィールドワーク入門書を読む(3):サーヴェイ型調査との比較検討
第5回フィールドワーク入門書を読む(4):フィールドワークで用いられる諸技法 
第6回フィールドワーク入門書を読む(5):フィールドへのアクセス
第7回フィールドワーク入門書を読む(6):調査対象者との関係性
第8回フィールドワーク実践練習(1):インタビュー
第9回フィールドワーク実践練習(2):参与観察
第10回〈オンライン授業〉フィールドワーク入門書を読む(7):調査倫理とフィールドワーク
第11回フィールドワーク入門書を読む(8):データの収集法
第12回フィールドワーク入門書を読む(9):データの分類と配列
第13回模擬フィールドワーク計画書の検討(1):文献をさがす
第14回模擬フィールドワーク計画書の検討(2):フィールドをさがす
第15回フィールドワークの実践に向けて:後期授業への橋渡し