質問力を磨く(社会と向き合うⅠ)
担当者霜鳥 駿太教員紹介
単位・開講先選択  4単位 [自己啓発支援科目(短大)]
科目ナンバリングCAE-227

授業の概要(ねらい)

 講座責任者は元読売新聞記者です。新聞を教材に質問する力を磨きます。
 アウトプットを重視する授業です。論文を書く・批判的に読む・発表する・議論する——を繰り返していきます。アウトプットは「自分にしか書けないことを、誰にでもわかりやすく」を重視しています。そのために日常課題にも取り組みます。
 「質問力を磨く(ClassQ)」では「多様な人々と協働できるリーダー」育成を目指しています。多様な背景の人々と力を合わせるリーダーだからこそ、「自分にしか書けないことを、誰にでもわかりやすく」伝える力が不可欠です。その力の根底にあるのが「質問力」。多様な人々とは、どのような文化や思考を持った人なのでしょうか。協働するとは、どういうことでしょう。すべては質問から始まります。
 教材は読売新聞です。インターネットではなく、紙の新聞を購読してください。課題図書「日本社会のしくみ」(小熊英二著、講談社現代新書)を批判的に読み、中間論文を執筆してください。毎週1回、受講生には図書館の専門家と一緒に小説を推薦してもらいます。
 最終課題は個人課題とチームワークの二つあります。個人課題は表と論文です。あなたの一生分の収支を表にまとめ、実現するための課題を3,000字以内で論じてください。
 チームワークは、ポスター制作です。テーマは「給料は誰がどのように決めるべきか」。協力企業複数者へのインタビューを踏まえてください。
 新聞と本を通して世界を俯瞰し、他大学の学生とのチームワークやディスカッション、企業へのインタビューなど、多彩な経験を重ねて知的体力をつけましょう。

*0〜4単位の授業です。水曜3限+火、水、木、金曜日の2コマを履修してください。
 講師 水3      松本美奈(講座責任者)
    水2   松本美奈
    火、水、木、金 霜鳥駿太

*5月、6月いずれかの土曜日に、その道のプロを招いて語り合う「The Professionals」を開きます。プロが何を考え、どう働いているのか、語り合いましょう。日程や内容は、初回授業時に発表します。

*6月1日(水)3限終了後(14時30分〜17時)、ソラティオスクエア3階のアカデミックラウンジで、企業説明会を開催します。授業協力企業の経営者らが集まります。最終課題に向けて、ざっくばらんに話せるチャンスです。   

授業の到達目標

(1)新聞を毎日読む(社会性)。
(2)自分以外の誰かの立場で問う(俯瞰する)。
(3)自分にしか書けないことを、誰にでもわかるように表現する(独創性、論旨明快、適切な言葉、推敲、読ませるタイトル)。

成績評価の方法および基準

(1)日常課題(社説の視写、脳トレシート) 50%
  最低基準:毎週各2回(計4回)×15週 基準を超えた履修者のみ評価対象とします。
  2穴リングのファイルにとじて、提出してください。
  これ以外での提出は受け付けません。
(2)中間課題(論文) 20%
  課題図書「日本社会のしくみ」にない論点を見つけなさい。
  その際に、なぜその論点が重要なのか、別の文献を引用し、1500字程度で論じなさい。
 *A4サイズの原稿用紙を使用。手書き、縦書きでない論文は受け付けません。
(3)最終課題(論文) あなたの一生分の収支を計算し(Excel、Numbers)実現するための課題を3,000字以内で論じなさい。 30%
 *A4サイズの原稿用紙を使用。手書き、縦書きでない論文は受け付けません。
 *締め切り:(2)…5月25日(水)
       (3)…7月13日(水)
       (1)…7月20日(水)
 いずれも、授業中に学生同士でピアレビューをします。課題を持参しないと、ピアレビューに参加できません。 

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書読売新聞(朝夕刊)
読売新聞社
教科書「日本社会の仕組み」 
小熊英二講談社現代新書
参考文献 

準備学修の内容

(1)読売新聞の朝夕刊を毎日読んでください。
  …授業日だけ新聞を読んでも、理解は困難です。社会は日々刻々と動いているからです。
(2)社説を書き写してください(社説の視写)。
  …論調への迎合は求めていません。社説を書き写し、論の立て方を学びましょう。
(3)気になった記事を読んで、コンセプトマップを広げ、質問を書き出してください(Cマップ)。
  …自分以外の誰かの視点で、記事をもとにコンセプトマップを広げてみましょう。
   その過程で浮かんできた疑問を言語化し、質問にします。
(4)自分でテーマを決めて新聞記事をスクラップします。7月17日のポスターセッションでは、自分のブースを開き、披露してもらいます。
(5)授業時間外にチームで調べ学習をし、発表資料を作ります。

その他履修上の注意事項

・企業関係者との議論、懇談会、インタビューを設けています。
・シラバス
・日常課題は最終的に2穴リングのファイルにまとめて提出します。返却された課題(社説、脳トレシート、リフレクションシート)は必ずファイリングしてください。
・毎週水曜3限は履修生と図書館のスタッフが小説を紹介します。100字書評を書いてください。「読む・書く」力を伸ばしたい学生におすすめです。

授業内容

授業内容
第1回新聞で遊ぼう
 ・当日の読売新聞朝刊を必ず持参してください。
 ・ハサミ、ノリ、POSCAなど太めのサインペン(複数色があると楽しいです)をお持ちください。
*まわしよみ新聞で、新聞の構成を知る。

                                                ・=インプット  *=アウトプット 以下同じ
第2回なぜ質問力か、なぜ新聞か(4月20日)
・なぜ質問力が必要なのか
・なぜ新聞なのか
・1行読書100字書評
・なぜ紙なのか
   おまけ:新聞を速く読む方法
*なぜ手書きなのか QBsと一緒に社説と脳とレシートを書く。
第3回論理的に考える
・接続詞と三角形の思考で論理を組み立てる
*みんなで脳トレ
第4回手で書くと何がつかめるか(4月27日)
・最優秀ポスターを教材に、学生と企業人が語り合う
*質疑応答 
第5回脳トレは難しい? それとも簡単?
*みんなで脳トレ 再度チャレンジ
  おさらい:新聞を速く読む
第6回論文を書くための準備体操(5月11日)
*ピアレビュー(日常の課題を発表する)
・1行読書100字書評
・論文ってどうやって書くの?
*観察して書く
第7回質問をつくる① 
・脳トレから新聞でQへ
*脳トレ10分→チームワーク
第8回質問をつくる②(5月18日)
*ピアレビュー
・1行読書100字書評
*脳トレから新聞でQへ
第9回質問をつくる③
・新聞の読み方を確認しよう
*観察して書く(パーツに分解して読む→質問を出す。質問の変化に注目する)
第10回中間ピアレビュー(5月25日)
・1行読書100字書評
*お互いの中間論文とポートフォリオを見る。
 論文は論旨明快で独自性があるか。ポートフォリオの進捗状況はどうか。
第11回質問を分類する①
・開いた質問と閉じた質問とは何か
*それぞれの長所と短所を考えよう
*新聞でQ
第12回質問を転換する①(6月1日)
*ピアレビュー
・1行読書100字書評
*開いた質問と閉じた質問に分類する。
*開いた質問を閉じた質問に、閉じた質問を開いた質問に転換する。
第13回質問を転換する② 
*リエゾンタイム(前回課題の発表)
・転換することで何が起こるか。
*新聞でQ
第14回思考命題は難しい?簡単?(6月8日)
*ピアレビュー
・1行読書100字書評
*思考命題になぜ難しいか、簡単か。どんな思考命題を書いているか。
 その思考命題は道標になっているか。
第15回発表する、質問する
*リエゾンタイム
*新聞でQ
第16回もう一度、脳トレ①(6月15日)
*ピアレビュー
・1行読書100字書評
*模造紙と情報カードで、自分の頭を可視化しよう
  模造紙と情報カード、サインペン(黒か青)を持参してください。
第17回ひとりでQ
*ひとりでQ
 折り返し地点。これまでの力を確認してみよう。
*ピアレビュー
第18回もう一度、脳トレ②(6月22日)
・ピアレビュー
・1行読書100字書評
*脳トレ品評会+相互コメント
第19回 質問を使う①
・質問は何に使えるか。
*チームワークは簡単か。
第20回質問を使う② (6月29日)
・ピアレビュー
・1行読書100字書評
*観察して書く→チラシを作る
第21回タイトルをつける
・内容を知りたいタイトルか。
・伝わる質問にするために。
*新聞でQ
第22回なりきる ①(7月6日)
・ピアレビュー
・1行読書100字書評
*チラシを持参→配る。
第23回質問を使う④ マラソンQ(7月9日、土曜日)10時〜16時
・図書館で資料を探す 
・多くを問う者は多くを得る
・終了後、チームでポスターを描く。
第24回立ち止まって考える①
・誰の視点で、何を考えるべきか。判断軸を確定する。
*新聞でQ
第25回最終論文のピアレビュー(7月13日)
・1行読書100字書評
*ピアレビュー
第26回ポスターセッション (7月16日、土曜日)10時〜13時、アカデミックラウンジ
・チームで制作したポスターの写真は、7月14日正午までにPDFにして送信してください。
第27回論理的に思考する
・脳トレシートから新聞でQへ
第28回ポートフォリオのピアレビュー(7月20日)
・1行読書100字書評
*ポートフォリオのピアレビュー
  春学期の歩みをふりかえる
第29回質問を使うために
*観察して書く
*質問を伝えるための秘訣をリストアップする  
第30回成長を言語化する (7月27日)
*ひとりでQ
*ピアレビュー