経営組織演習
担当者磯山  優教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [総合データ応用プログラム 総合データ応用プログラム]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 本演習は、個人や組織によって形成される社会ネットワークを分析する手法について学び、さらに分析ソフトを用いて実際に自ら身近な事例を分析し、より深く理解できるようにすることを目的とする。

授業の到達目標

① 社会ネットワークや組織の基本的な特徴を理解する。
② 社会ネットワークを分析する手法の数学的基礎について理解する。
③ 自分の身近な社会ネットワークを分析し、社会ネットワークの分析手法について理解する。

成績評価の方法および基準

① 数回課題を出すので、その課題の出来を評価する。
② 練習問題を解いてもらうことがあり、その点数を評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特に指定しない。
参考文献社会ネットワーク分析ー「つながり」を研究する方法と応用ーワッサーマン・ファウストミネルヴァ書房
参考文献『社会ネットワーク分析の基礎』金光淳ミネルヴァ書房
参考文献『Pajekを活用した社会ネットワーク分析』デノーイ・ムルヴァル・パタゲーリ東京電機大学出版局

準備学修の内容

① フリーのネットワーク解析ソフトPajekを利用できることが望ましい。
② 高校程度の行列に関する知識があると理解が深まる。

その他履修上の注意事項

授業の進め方や分析事例等について、受講者との相談によって決めることがある。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンスおよび使用するソフトについて
・この授業の概要について紹介し、成績評価の方法等についても説明する。
・ネットワーク分析に使用するためのソフトPajecについて紹介し、使用方法等について説明する。
第2回社会ネットワーク論の概要
・社会ネットワーク分析に大きな影響を与えたGranovetterの弱連結の理論、Milgramの六次のつながり理論について学ぶ。
第3回社会ネットワーク分析の手法①
・社会ネットワークを分析するための数学的な方法について学ぶ。今回は、有効グラフ・無向グラフの違いなど、グラフ理論の基礎から学ぶ。
第4回社会ネットワーク分析の手法②
・前回に引き続き、数学的な方法について学ぶ。今回は、社会ネットワーク分析でしばしば用いられる指標のうち、ネットワークの規模、中心性、凝集性などについて学ぶ。
第5回社会ネットワーク分析の手法③
・自分の血縁関係や知り合いなどを中心に、自分を中心としたネットワークを事例として分析する。
第6回部門内のネットワーク①
・自分の身近な職場におけるネットワークを分析する基礎として、部門内組織の特徴について学ぶ。
第7回部門内のネットワーク②
・自分の身近な職場におけるネットワークを分析し、部門内のネットワークに関する理解を深める。
第8回部門組織のネットワーク①
・自分が所属する事業所の部門間のネットワークを分析する基礎として、部門組織の特徴について学ぶ。
第9回部門組織のネットワーク②
・自分の身近な職場におけるネットワークを分析し、部門内のネットワークに関する理解を深める。
第10回組織間関係の理論①
・複数の組織によって形成される組織間関係を分析する理論として、取引コスト論を取り上げる。
第11回組織間関係の理論②
・複数の組織によって形成される組織間関係を分析する理論として、資源依存理論を取り上げる。
第12回大規模な社会ネットワークの分析①
・社会ネットワーク分析の経営学への応用である役員兼任のネットワーク分析について、Mizuruchi、Mariolis、Scott、Mintz and Schwartzらの理論について学ぶ。
第13回大規模な社会ネットワークの分析②
・役員兼任など人的結合による大規模な社会ネットワークを、実例を取り上げながら分析する。
第14回大規模な社会ネットワークの分析③
・自分の会社と取引先との関係など身近な事例を分析し、大規模な社会ネットワークを分析する手法について理解を深める。
第15回まとめと総合演習
・本演習で学んだ内容をまとめ、内容を統括する。