担当者 | 若山 昇教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [総合データ応用プログラム 総合データ応用プログラム] | |
科目ナンバリング |
1-1.概要と目的
情報が重要である現代においては、必要な情報を的確に入手し、情報を正しく分析し、さらに問題発見・解決を的確に行うことが求められる。このために、データを正しく活用する基本的な知識・方法を身につけることは不可欠である。本コースでは、実社会において、どの進路に進むにも必要となる、基礎・基本的な情報リテラシー、考える力、データを正しく活用する力を身につけることを目的とする。
特に本コースでは、「数学に苦手意識のある学生」を念頭に、身近な具体例を用いて、クリティカルシンキング(批判的思考)やメディア情報/科学的データを適切に読み解き活用するためのデータリテラシーの向上を目標とする。身近な具体例を用いて主体的に考え、参加型グループディスカッションを通して、データを読み解くことの面白さ、分析の大切さを知ることができる。
1-2授業方法:
授業の主役を学生とし、ディスカッション、グループ活動、発表を主体とする。
さらに、授業では、データを読み解き、分析することに親しみを持つべく、身近な事例を取り入れる。
なお、授業においてインフォーマル・ラーニング等、専門家による招待講演を行う場合がある。
2-1.到達目標
• データに騙されないようになる。
• 意思決定に資する分析を行うために、どのような情報が必要かを論理的に特定できる。
• 意思決定に資する分析を行うために、情報を的確に入手・取捨選択できる。
• 現代のデータ社会における諸問題に対して、的確にコメントできる。
• データから何が言えるかを正しく導くことができる。
• データからその意図することを正しく判断できる。
• 分析から問題発見・解決を導くことができる。
• 意思決定に資するため、分析によって問題発見・解決ができる。
2-2.期待される成果
• データを読み解くことの面白さ、分析の大切さがわかる。
• 世の中のデータ関連のニュースや報道について、主体的に考え、コメントができるようになる。
• データサイエンスの一連の流れを理解し、どんなスキルを身につける必要があるのかがわかる。
• 意思決定のための分析を行うには、どのような情報が必要かを特定し、的確に入手・取捨選択する能力が身に着く。
• 身の周りの様々なデータを批判的に読むことができるようになる。
• ある主張の根拠となりうる「科学的データ」について、具体例を挙げて説明できるようになる。
• 定期期間の定期試験は行なわない。
• 小テストを行なう場合には、教科書の持ち込みを可とする。
• 発表・討論等によるクラス貢献度と課題提出(50%)、レポートまたはテスト(50%)を総合して評価する。
• 発表課題は前もって連絡する。
• 提出課題は復習を中心に、授業で「わかった」ことを基本とし、日常の問題を「解ける」、
さらに「使える」と発展させることを目指す。
■評価の基準(達成レベルと成績の目安):
S:特に優秀であり、データリテラシーをいつでも、どこでも十分に発揮することができる。
A:優秀であり、教科書・配布プリントなどを見れば、データリテラシーを十分に発揮することができる。
B:教科書・配布プリントの程度ならば何とか理解でき、それに関する課題・問題であれば、データリテラシーを発揮することができる。
C:教科書・配布プリントなどを理解することや課題・問題に対処する際に、データリテラシーを発揮することが難しい。単位取得の最低レベルにすぎない。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 教科書は用いない。必要に応じてプリントを配布する。 | ||
参考文献 | 必要に応じて、授業で提示する。 |
*専門知識は不要である。
*発表課題では、当該課題をPowerPointにまとめること。
*なお、学生の理解を助けるために、課題を出すことがある。
*「データを正しく活用する」ことの大切さを理解してほしい。
*きちんと受講すれば、今後の人生において必ずプラスになる。
*なお、授業でスマホとノートPCを使うことがあるので、準備されたい。
*また、単位制度の観点による学習時間確保のため、Web等による補講が必要な場合は、授業の進捗状況を鑑みて、別途指示する。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション 時代背景と本コースの位置づけを学ぶ。 このため、データ(AI)社会における課題解決領域の重要性、これからの時代に求められるもの、本授業のゴールについて理解する。 |
第2回 | Ⅰ.情報・データの明確化(1) 計算機の不思議 得られた情報・データは、信頼できるのかを、直接自分で分析することができるようになる。 このため、情報・データに対して疑問をもつことが必要となる。身近な計算機・スマホを用いて、体験する。 |
第3回 | Ⅰ.情報・データの明確化(2) 情報洪水と思い込み、それってホント? 世の中には信頼性の低い様々な情報があふれていることを、実際のニュースやWeb情報を通して理解する。 このため、新聞記事・Web記事を活用し、①得られた情報を正確に理解して,②得られた情報の信頼性を判断・評価する。 |
第4回 | Ⅰ.情報・データの明確化(3) 情報の取捨選択 鵜呑みの危険性、隠れた前提、情報の真偽 様々な情報から、自分が必要な情報とその内容、前提を明確にすることができるようになる。 このため、学生に身近なオープンキャンパスや就職に関するデータを用いて、理解を深める。 |
第5回 | Ⅰ.情報・データの明確化(4) 地図情報の不思議 データを基に世界を正しく見る習慣をつける。 このため、実際の地図情報から、情報の正しい利用方法を学ぶ。さらに、どんな思い込みが、間違った結論を招いてしまうのか、身近な事例を通して理解する。 |
第6回 | Ⅱ.情報・データの分析(1) ロジックツリー分析 様々な情報を整理・分析するツールとして、ロジックツリーが使えるようになる。 このため、身近な問題を例に、実際に分析を行う。 |
第7回 | Ⅱ.情報・データの分析(2) マトリックス分析 様々な情報を整理・分析するツールとして、マトリックス分析ができるようになる。 このため、実在する身近な問題を例に、実際に分析を行う。 |
第8回 | Ⅱ.情報・データの分析(3) 分析の落とし穴 データの収集・分析、利用・活用に不可欠な、分析の落とし穴を理解し、実例を用いて説明できるようになる。 このため、身近な事例をもとに、様々な分析の落とし穴を学ぶ。 |
第9回 | Ⅱ.情報・データの分析(4) 相関・因果、第3変数 データの収集・分析、利用・活用に不可欠な、相関・因果、第3変数・交絡因子について、理解し、実例を用いて説明できるようになる。 このため、身近な事例をもとに、様々な第3変数を学ぶ。 |
第10回 | Ⅲ.情報・データの活用(1) 分析の留意点 データを読み解き、分析する際の留意点(バイアス等)を理解し、落とし穴に陥らないことができるようになる。 このため、身近なデータを例に、学生個人がマトリックスやツリーを活用して分析する。 |
第11回 | Ⅲ.情報・データの活用(2) データの比較・分析 データを比較・分析する際の留意点を理解し、落とし穴に陥らないことができるようになる。 このため、身近なデータを例に、実際に学生個人が比較・分析を行う。 |
第12回 | Ⅲ.情報・データの活用(3) データに騙されない方法 データを比較・分析する際の留意点、特に比較の重要性を理解し、これを十分に活用できるようになる。 このため、実際に遭った事例をもとに、データの重要性とその限界を学ぶ。 |
第13回 | Ⅲ.情報・データの活用(4) 真理値表の活用 情報分析・処理の基礎になる真理値表、論理関数の考え方が理解できる。 このため、「AならばB」など、基本的な命題の真偽を真理値表で分析する。 |
第14回 | レポートまたはテスト これまでに学んだデータリテラシーの理解を定着させるため、レポートまたはテストを行う。 |
第15回 | 総復習 前週に行なったレポートまたはテストについて、解説を行うとともに、その理解を深める。 |